Web制作の用語は、すべて暗記する必要はありません。「何を決めるための言葉か」「自社と制作会社のどちらが管理するか」「公開後に何を確認するか」の3点が分かれば、発注や運用の判断に使えます。
例えば、ドメインは単なるサイトの住所ではなく、契約名義と更新責任を確認する言葉です。CMSは機能名を覚えるより、誰がどのページを更新できるかを確かめるために使います。この記事では、中小企業の打ち合わせで出やすい用語を、仕事の流れに沿って整理します。
結論:用語は「決めること」と一緒に覚える
専門用語だけを集めた一覧は、意味を読んでも実際の判断につながらないことがあります。次の4つに分けると、自社に必要な言葉から確認できます。
| 言葉のまとまり | 主に決めること | 最初に押さえる用語 |
|---|---|---|
| 公開の土台 | どこで公開し、誰が契約を管理するか | ドメイン、URL、サーバー、DNS、SSL/TLS |
| ページの制作 | どの仕組みで作り、誰が更新するか | HTML、CSS、JavaScript、CMS、テーマ、プラグイン |
| 見え方と使いやすさ | スマートフォンを含め、迷わず利用できるか | レスポンシブデザイン、UI、UX、アクセシビリティ |
| 検索と改善 | 必要な人に見つけてもらい、公開後に確かめるか | SEO、title、description、canonical、サイトマップ、アクセス解析 |

公開の土台に関する用語
ホームページを建物に例える説明は便利ですが、実務では契約名義、更新期限、管理画面の保管場所まで確認する必要があります。ICANNも、ドメイン名はオンライン上で見つけてもらう場所になり、オンライン上の識別に関わると案内しています。
| 用語 | 普通の言葉での意味 | 発注時に確認すること |
|---|---|---|
| ドメイン | example.jpのような、ホームページやメールで使う名前 | 会社名義で管理できるか、更新費用と連絡先は誰か |
| URL | ドメインにページの場所などを加えた、一つのページの所在地 | ページを移したときに古いURLをどう扱うか |
| サーバー | 文章、画像、プログラムなどを置き、公開する環境 | 契約者、容量、障害時の連絡先、バックアップの範囲 |
| DNS | ドメイン名を、ホームページやメールの接続先へ案内する仕組み | 設定を変更できる人と、変更履歴をどこに残すか |
| SSL/TLS | ブラウザーとサーバーの通信を暗号化する仕組み | 有効期限、更新の担当、常時HTTPSになっているか |
| HTTPステータス | アクセスに対するサーバー側の結果 | 200は表示成功、301は恒久的な転送、404はページがない状態として確認する |
ドメインとサーバーを制作会社が管理する場合でも、会社が契約先、更新時期、緊急連絡先を把握できる状態にします。担当者が替わったときに分からなくなる情報は、公開前の引き継ぎ項目へ入れてください。
ページを作り、更新するための用語
ブラウザーはHTMLだけでなく、見た目を整えるCSS、動きや入力処理に使うJavaScript、画像など複数のデータを受け取ってページを表示します。MDNのHTTP解説でも、1つの文書は文章、レイアウト、画像、動画、スクリプトなどの資源から構成されると説明されています。
| 用語 | 役割 | 中小企業が確認する場面 |
|---|---|---|
| HTML | 見出し、段落、画像、表など、ページの内容と構造を表す | 見出し順やリンク先が正しく、読み上げでも意味が通るか |
| CSS | 色、余白、文字、配置など、ページの見え方を整える | 画面幅や文字サイズが変わっても読みやすいか |
| JavaScript | メニュー、入力確認、画面の切り替えなどの動作を加える | 動かないと重要情報や問い合わせ方法まで消えないか |
| CMS | 文章や画像を管理し、ページを更新する仕組み | 担当者が下書き、確認、公開をどこまでできるか |
| テーマ | 主にサイト全体の表示やページ構成をまとめる仕組み | 変更したときに既存ページへどこまで影響するか |
| プラグイン | CMSへ機能を追加する部品 | 更新、利用料、競合、不具合時の担当を決めているか |
CMSの選び方は、機能数より日常の更新と保守の担当で変わります。詳しくは中小企業向けCMSを運用体制から選ぶ方法、ツールを比べる場合はホームページ作成ツールの比較基準で確認できます。
見え方と使いやすさに関する用語
「きれいなデザイン」と「使いやすいホームページ」は同じ意味ではありません。誰が、どの端末で、何をしたいかまで確認します。
| 用語 | 意味 | 確認方法 |
|---|---|---|
| レスポンシブデザイン | 画面の大きさに合わせて配置や表示を調整する設計 | パソコンだけでなく、幅の異なるスマートフォンとタブレットで読む |
| UI | ボタン、入力欄、メニューなど、利用者が見て操作する部分 | 押せる場所が分かり、キーボードでも操作できるか |
| UX | 情報を探し、理解し、問い合わせなどを終えるまでの体験 | 目的の情報へ迷わず進め、途中で不安が残らないか |
| アクセシビリティ | 年齢、障害、端末、操作方法の違いがあっても利用しやすくする考え方 | 文字の読みやすさ、画像の説明、キーボード操作、入力エラーの案内を見る |
MDNはレスポンシブデザインを、異なる画面サイズや解像度で使いやすく表示するための方法と説明しています。W3Cのアクセシビリティ原則は、情報を知覚できること、操作できること、理解できること、さまざまな利用環境で解釈できることを整理しています。見本画面だけでなく、自社の長い商品名や表、問い合わせフォームで試すことが大切です。
検索と公開後の改善に関する用語
SEOは「特定の設定を入れれば上位になる」という機能名ではありません。Googleは、検索エンジンが内容を理解し、検索する人がページを見つけて訪れるか判断しやすくする取り組みだと説明しています。検索する人に役立つページを作り、公開後の状態を確認する仕事として考えます。
| 用語 | 何を示すか | 運用時の注意 |
|---|---|---|
| title | 検索結果やブラウザーのタブに使われるページ名 | 各ページの答えが分かる固有の名前にする |
| description | 検索結果の説明候補になる短い要約 | ページごとの内容に合わせ、同じ定型文を並べない |
| canonical | 内容が同じ、または近いURLのうち、基準としたいURLを示す | 誤ったページを指定せず、転送や内部リンクとも整合させる |
| XMLサイトマップ | 検索対象として知らせたいURLを一覧で伝えるファイル | 非公開や転送元が混ざらず、公開URLと一致しているか |
| アクセス解析 | 閲覧、流入、ページ内の行動などを確認する仕組み | 相談数だけでなく、計測漏れと社内アクセスも区別する |
検索対策と公開後の改善は、制作時だけで終わりません。公開までの全体像は相談から公開・運用までのホームページ制作の流れ、安全に運用する確認は中小企業のホームページのセキュリティ対策が参考になります。
打ち合わせで意味が曖昧なときの質問
- 「この言葉は、どのページや作業に関係しますか」:一般論ではなく、自社の見積もりや画面に置き換えます。
- 「完成すると、誰が何をできる状態になりますか」:成果物、管理画面、更新範囲を具体的にします。
- 「自社で行うことと、制作会社へ依頼することは何ですか」:公開後の責任分担と追加費用を確認します。
- 「確認できる画面や資料は何ですか」:口頭説明だけで終わらせず、試作画面、仕様、契約、手順書を残します。
「SEOをします」「使いやすくします」といった広い言葉は、対象ページ、実施する作業、確認方法へ分けます。知らない言葉を質問することは発注側の知識不足ではなく、認識違いを防ぐ普通の確認です。
見積書で範囲を確認したい用語
| 用語 | 確認する内容 |
|---|---|
| サイト設計 | ページ一覧だけか、読み手、役割、問い合わせまでの流れも含むか |
| デザイン | 何画面・何案・何回の確認を含み、追加画面はどう見積もるか |
| コーディング/実装 | どのページ、入力フォーム、動作、管理機能まで作るか |
| 原稿作成 | 取材、文章の作成、事実確認、修正を誰が担当するか |
| 移行 | 既存ページ、記事、画像、URL、転送設定をどこまで引き継ぐか |
| 保守 | 更新、バックアップ、障害対応、軽微な修正、連絡時間の範囲 |
| 検収 | 完成を確認する項目、期限、修正と追加要望の分け方 |
同じ用語でも会社ごとに含む範囲が違います。見積書の金額だけでなく、「含まれること・別料金になること・自社で用意すること」の3列でそろえると比較しやすくなります。制作を始める前の順番は初めての会社ホームページ制作で決めることで確認できます。
公開後の引き継ぎで残す情報
完成時に管理画面のURLとパスワードだけを受け取っても、十分な引き継ぎにはなりません。誰の契約か、何を更新できるか、困ったときにどう戻すかまで残します。
- ドメイン、サーバー、メール、CMS、有料機能の契約名義と更新日
- 管理者、編集者、確認担当者の役割と、退職・異動時の変更手順
- 日常更新、システム更新、バックアップ、障害対応の依頼先
- 元画像、原稿、仕様書、利用許諾、復元に必要なデータの保管場所
- ページ追加や機能変更を依頼するときの連絡方法と費用条件

保守の範囲を決めるときは、Bämの保守・管理で対応する内容と照らし合わせると、日常更新と制作会社へ頼む作業を分けやすくなります。
社内用語メモは一行で更新する
社内用の用語集は、長い解説書にしなくて構いません。次の5項目を一行で残し、打ち合わせや担当変更のたびに更新します。
- 用語
- 自社では何を指すか
- どのページ・契約・作業に関係するか
- 社内担当と外部の連絡先
- 決定日または次の確認日
同じ「サーバー」でも、ホームページの公開先、メールの接続先、社内ファイルの保管先では別の契約です。自社で使う意味を書き、推測と確定事項を分けてください。
Bämへの相談で用語が分からない場合
Bämでは、用語を知っていることを前提にせず、会社で実現したいことと公開後の担当を伺いながら必要な仕組みを整理します。作りたいホームページの種類はBämのホームページ制作サービス、まだ依頼範囲が決まっていない場合はホームページ制作について相談するから、今困っていることをお聞かせください。
まとめ
Web制作の基礎用語は、意味を暗記するより、決めること、担当者、確認方法と一緒に整理する方が役立ちます。まずはドメイン、サーバー、CMS、レスポンシブデザイン、SEOから、自社では何を指すのかを一行で書いてみてください。分からない言葉は推測せず、具体的なページや作業に置き換えて確認しましょう。
参考資料
- ICANN「About Domain Names」(2026年9月6日確認)
- MDN Web Docs「Overview of HTTP」(2026年9月6日確認)
- WordPress.org「Features」(2026年9月6日確認)
- MDN Web Docs「Responsive web design」(2026年9月6日確認)
- W3C Web Accessibility Initiative「Accessibility Principles」(2026年9月6日確認)
- Google Search Central「SEO Starter Guide」(2026年9月6日確認)