中小企業のアクセス解析では、PV数の増減だけで良し悪しを決めず、「どこから来た人が、どのページを見て、問い合わせ・応募・購入へ進み、事業の成果につながったか」を順番に確認します。見る数字を増やすより、事業上の質問を一つ決め、答えに必要な数字だけを見ることが大切です。

最初に目的行動を決め、GA4で流入、入口ページ、閲覧、キーイベントを確認し、Search Consoleで検索結果の表示とクリックを確かめます。最後に問い合わせ台帳や受注記録と照合すれば、「アクセス不足」「ページの説明不足」「計測の問題」「問い合わせ後の対応」を分けて考えられます。

最初に「何を増やしたいか」を一つ決める

同じホームページでも、問い合わせ、見積もり依頼、来店予約、商品購入、採用応募では、確認すべきページと行動が違います。月次の確認では、次のように一つの問いへ絞ります。

  • 問い合わせを増やしたい:サービスページからフォーム送信までを見る
  • 採用応募を増やしたい:求人情報、仕事紹介、募集要項、応募完了をつなぐ
  • 通販の購入を増やしたい:商品ページ、カート、購入完了、実際の注文を照合する
  • 地域からの相談を増やしたい:検索語、入口ページ、対象地域、問い合わせ内容を見る

目的を決めずに全指標を眺めると、数字が増えた理由も、次に直す場所も曖昧になります。経営会議へ出す数字も、目的に関係するものへ絞ります。

PVだけで判断しないための基本指標

指標・レポート分かることと注意点
表示回数(PV)分かること:ページが表示された回数
注意:同じ人の複数閲覧も含むため、訪問者数や成果件数とは違う
アクティブユーザー分かること:一定の利用があった個別ユーザーの規模
注意:総ユーザーや新規ユーザーと定義が違うため、指標名を記録する
セッション分かること:一定期間内に発生した一連の利用
注意:一人が複数回訪れれば複数セッションになる
ランディングページ分かること:訪問者が最初に見たページ
注意:入口ごとに流入元とその後の行動を組み合わせる
エンゲージメント率分かること:10秒を超える、キーイベントがある、または2ページ以上見るなど、一定の利用があったセッションの割合
注意:高ければ必ず受注につながるわけではない
キーイベント分かること:事業上重要と決めた行動の発生
注意:フォーム送信や購入結果と合うかテストする
Search Console分かること:Google検索での表示、クリック、CTR、平均掲載順位、検索語
注意:検索後のホームページ内行動はGA4や業務記録で確認する

旧来の「UU」に近い概念としてユーザー指標がありますが、GA4にはアクティブユーザー、総ユーザー、新規ユーザーなどがあります。社内報告では「ユーザー数」とだけ書かず、どの画面の何という指標かを明記します。

数字を見る前に計測が正しいか確かめる

計測が欠けていたり、同じ行動を二重に数えていたりすると、きれいなレポートでも判断を誤ります。改善案を考える前に、次の確認を行います。

  1. 目的行動を実際に試す:問い合わせ、予約、購入、応募をテストし、完了画面と通知メールを確認します。
  2. イベントが一度だけ発生するかを見る:ページの再読み込みや戻る操作で重複していないかを確かめます。
  3. 社内アクセスの扱いを決める:社員や制作会社の確認操作が多い場合は、集計への影響を記録します。
  4. 実際の件数と照合する:GA4のキーイベント数を、フォーム受信、注文、応募の記録と比べます。
  5. 変更日を残す:タグ、同意設定、フォーム、URLを変えた日を記録し、急な増減の原因を追えるようにします。
日本の中小企業の経営者と支援担当者がパソコンのアクセス解析画面と資料を確認する様子
数字を眺めるだけでなく、問い合わせ記録や事業の状況と照合して初めて改善の判断材料になります。写真はアクセス解析の確認を説明するイメージです。

GA4は知りたいことからレポートを選ぶ

知りたいこと主に確認するレポート
どのページが見られたかページとスクリーンで、ページタイトルやページパスを絞る
どのページが訪問の入口かランディングページで、入口ごとのセッションとキーイベントを見る
どこから訪問が生まれたかトラフィック獲得で、検索、広告、SNS、参照元などをセッション単位で見る
新しい利用者はどこから来たかユーザー獲得で、初回の流入元をユーザー単位で見る
問い合わせなどが発生したかイベントとキーイベントを確認し、ページや流入元と組み合わせる
入口で利用が続いたかエンゲージメント率、平均エンゲージメント時間、次のページやイベントを見る

GA4の左メニューは、導入時に選んだ目的や管理者による編集で変わります。画面名を暗記するより、「どの入口から来て、どのページで、何をしたか」という質問を先に決めます。レポートが見当たらない場合は、管理者や編集権限を持つ担当者に公開状態を確認してください。

Search Consoleで検索前の状態を確認する

GA4はホームページへ来た後の行動を中心に確認します。Google検索で、どのページが、どの検索語に表示され、クリックされたかはSearch Consoleで確認します。

  • 表示回数:検索結果でリンクが表示された回数
  • クリック数:検索結果からホームページへ移動した回数
  • CTR:表示回数に対するクリックの割合
  • 平均掲載順位:表示された検索結果上の位置を平均した目安

平均掲載順位は検索する人、場所、端末、検索語で変わる値を平均したものです。自分で検索した一回の順位とは一致しません。また、Search Consoleのページ別データはGoogleが選んだcanonical URLへ集約される場合があります。急な変化は、検索語、ページ、端末、国、期間をそろえて比較します。

流入・入口・行動・商談をつないで読む

見えた状態次に確認すること
検索表示もクリックも減った検索語、対象ページ、端末、更新履歴をSearch Consoleで比べる
検索表示はあるがクリックが少ない検索語とページの回答、タイトル、説明が合っているかを見る
入口のセッションは多いが利用が続かない流入時の期待、スマートフォン表示、速度、冒頭回答、次の行動を確認する
閲覧はあるがキーイベントが少ない条件説明、料金、事例、ボタン、フォーム、安心材料を確かめる
キーイベントは増えたが問い合わせが増えない計測の重複、迷惑送信、フォーム受信、電話や別経路を照合する
問い合わせは増えたが受注につながらない問い合わせ内容、対象外相談、返信速度、見積もり、失注理由を見る

ホームページ自体の問題を先に洗い出したい場合は、今あるホームページの問題点を調べる手順も併せて確認してください。ページごとの離脱を詳しく見る場合は、GA4で離脱ページを把握する方法へ進みます。

比較条件をそろえて変化を見る

数字が増減しても、比較条件が違えば改善の効果とは限りません。次の条件を記録し、同じ条件に近づけて比べます。

  • 期間の日数と曜日構成
  • 繁忙期、休業日、天候、イベントなど事業側の変化
  • 広告、SNS、メール、展示会など流入を増やした活動
  • 記事、料金、フォーム、ページ構成、計測設定の変更日
  • PCとスマートフォン、新規と再訪、流入元、入口ページの違い

小規模なホームページでは、件数が少ないため一件の増減で割合が大きく動きます。率だけでなく実数を併記し、短期間の変化だけで結論を出しません。

改善の優先順位を5つの手順で決める

  1. 事業成果を一つ選ぶ:問い合わせ、応募、購入など、今回増やしたい結果を決めます。
  2. 計測を確かめる:キーイベントと実際の受信・注文が合うかをテストします。
  3. 最も大きな落差を探す:検索表示、クリック、入口、閲覧、キーイベント、商談の順に見ます。
  4. 一つの仮説を直す:冒頭回答、説明、リンク、ボタン、フォームなど、原因に近い箇所を一つ選びます。
  5. 変更と結果を記録する:対象ページ、変更日、理由、期待した変化、確認日を残します。
日本の中小企業の担当者二人がパソコンと月次資料を見ながらホームページの改善箇所を相談する様子
毎月一つの問いに絞り、確認した数字、変更内容、問い合わせ結果を同じ記録へ残すと、次の判断がしやすくなります。写真は月次改善の相談を説明するイメージです。

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月30分の確認会で決めること

時間確認と決定
最初の5分今回増やしたい事業成果と、実際の問い合わせ・受注件数を確認する
次の10分Search ConsoleとGA4で、流入から目的行動までの大きな落差を探す
次の10分対象ページを実際に開き、スマートフォン表示、説明、リンク、フォームを見る
最後の5分直す箇所を一つ決め、担当者、期限、確認日を記録する

毎月の変更を増やす必要はありません。問題が見つからなければ計測の確認だけで終え、重要な課題が見つかった月は一つずつ直します。公開後の安全、更新、バックアップの担当が曖昧な場合は、先にホームページ保守・運用で守る範囲を決めます。

Bämの保守とSEO・集客支援は役割を分ける

Bämの保守・管理は、月額2万円・税別で、月3時間までの軽い修正、バックアップ、ドメイン、サーバー、WordPress更新の支援を行います。アクセス解析を使った検索・集客の改善は、保守とは別のSEO・集客支援です。

「数字は見られるが、どこを直せばよいか分からない」「問い合わせ件数とGA4が合わない」という場合は、サイトの目的、計測、検索状況、ページ、実際の相談内容を一緒に整理します。契約前に確認したいことは、Bämの無料相談でお聞かせください。

アクセス解析チェックリスト

  • 今回増やしたい問い合わせ、応募、購入などを一つ決めた
  • 目的行動を自分で試し、キーイベントと実際の受信を照合した
  • PVだけでなく、入口、流入元、ユーザー、セッション、目的行動を見た
  • Search Consoleの検索語、表示、クリック、対象ページを確認した
  • 期間、曜日、季節、広告、更新日など比較条件を記録した
  • 割合だけでなく実数も確認した
  • 問い合わせ内容、商談、受注・失注理由まで照合した
  • 直す箇所を一つに絞り、担当者、期限、確認日を決めた

アクセス解析は次に直す場所を決めるために使う

アクセス解析の役割は、数字を並べることではなく、次にどこを直すか決めることです。PVが減ったという報告だけで終わらせず、どの検索や流入元から、どの入口へ来た人の、どの行動が減ったのかを順番に絞ります。

その数字を実際の問い合わせ、応募、購入、受注と照合すれば、集客、ページ、計測、社内対応のどこに課題があるかを判断できます。見る数字は少なくても構いません。事業上の問い、変更、結果を同じ記録へ残し、小さな改善を続けましょう。

参考資料