GA4で問題ページを見つけるときは、「離脱率が高いページ」を上から直すのではなく、問い合わせ・応募・購入など、読者に進んでほしい行動の一つ手前で止まっている場所を探します。最初に計測が正しく動いているかを確認し、ランディング ページ、ページとスクリーン、経路データ探索、ファネルデータ探索を目的に応じて使い分けるのが基本です。

料金や連絡先を確認して用事を終えた人まで「悪い離脱」とは限りません。反対に、問い合わせ完了ページまで進んでいても、送信イベントが重複していれば成果を多く数えてしまいます。この記事では、日本の中小企業がGA4の数字だけで決めつけず、実際のページと受付記録まで照らし合わせて改善候補を絞る手順を説明します。

離脱率だけで「悪いページ」と決めない

ページを閉じた、別のサイトへ移った、ブラウザをそのままにしたなど、閲覧が終わる理由はさまざまです。営業時間や電話番号を確認するページ、問い合わせ完了ページ、購入完了ページは、そこで閲覧が終わっても不自然ではありません。

GA4の直帰率も、以前のユニバーサル アナリティクスと同じ意味ではありません。GA4では、10秒を超えて続いた、キーイベントが発生した、ページまたは画面が2回以上表示された、のいずれかを満たすセッションを「エンゲージメントのあったセッション」とします。直帰率は、その条件を満たさなかったセッションの割合です。したがって、直帰率と「最後に見たページの割合」は分けて考えます。

数字の見え方すぐに問題と決められない理由次に確かめること
直帰率が高い短時間でも、必要な情報を得て電話した可能性がある目的、滞在、電話・送信の計測
そのページの後が見えない完了ページや外部予約先なら自然に終わることがある期待する次の行動と外部サイトの扱い
閲覧数が少ない入口ではなく、限られた人だけが使うページかもしれないページの役割と必要な母数
送信数が多いイベントの重複や迷惑送信を含む場合がある実際の受付件数とイベント設定

まず「どこまで進めば成功か」を一つ決める

診断を始める前に、今回確かめたい行動を一つだけ決めます。会社案内なら問い合わせ、採用ページなら応募、通販なら購入などです。「多く読まれる」と「仕事につながる」を混ぜると、どのページを直すべきか判断できません。

目的途中で確認する行動完了の証拠
問い合わせサービスページを見る、フォームを開く送信完了と実際の受付
採用応募募集要項を見る、応募フォームを始める応募完了と採用担当の受信
通販購入商品を見る、カートへ入れる、決済へ進む購入完了と受注記録
電話相談電話番号を押す電話の受付記録。クリックだけを着信と決めない

アクセス数から改善対象を絞る基本は、中心記事のアクセス解析をホームページ改善につなげる見方でも整理しています。今回は、その中でも途中で止まった場所を探す作業に絞ります。

集計を見る前に、計測が正しいか確認する

計測が抜けていれば、実際には送信された問い合わせがGA4ではゼロに見えます。反対に、完了ページを再読み込みするたびに数える設定なら、成果を多く見積もります。まず自分でテストし、ページ表示、フォーム開始、送信完了、電話番号や外部予約先のクリックが意図したイベントとして一度だけ記録されるか確認します。

  • GA4のプロパティと対象ホームページが合っている
  • 社内や制作会社の確認アクセスをどう扱うか決めている
  • 問い合わせ完了など重要なイベントをキーイベントとして設定している
  • 送信エラーや迷惑送信を成功として数えていない
  • GA4の件数と、メール・受注・応募の実数を同じ期間で照合している

拡張計測機能ではフォーム操作などを自動で測れる場合がありますが、ホームページの作りによって想定どおり検出されないこともあります。「設定を有効にしたから測れている」とは決めず、テスト送信と実際の受信まで確認してください。

日本の中小企業でアクセス解析画面と問い合わせ記録を照合する様子
GA4の画面だけで判断せず、問い合わせや受注の記録と同じ期間で照らし合わせます。写真は確認作業のイメージです。

入口の問題はランディング ページ レポートで見る

ランディング ページは、訪問者が最初に見たページです。GA4の「レポート」から「エンゲージメント」「ランディング ページ」を開くと、入口ごとのセッション、平均エンゲージメント時間、キーイベントなどを確認できます。メニューにない場合は、権限のある人がレポートへ追加する必要があります。

検索、広告、メールでは訪問者の期待が違います。ページ名だけで並べるのではなく、セッションの参照元・メディアやデバイスの種類を追加し、どの入口と組み合わせたときに次へ進めていないかを見ます。広告を運用している場合は、広告の数字と実際の問い合わせを社内で照合する方法も合わせて確認してください。

ページ全体の利用状況は「ページとスクリーン」で見る

「ページとスクリーン」レポートは、入口か途中かを問わず、見られたページを確認するためのものです。表示回数、アクティブ ユーザー、平均エンゲージメント時間、イベント数などから、よく使われるページとほとんど使われないページを把握します。

ただし、平均時間が短いだけで文章を長くするのは避けます。連絡先だけをすぐ確認できるページなら短時間でも役割を果たします。閲覧数が多く、重要な行動の手前にあり、実際に不備を再現できるページを優先します。古い情報やリンク切れを洗い出す手順はホームページの問題を確認するチェック方法が参考になります。

次に進んだ先は経路データ探索で確かめる

経路データ探索では、あるページの次に見られたページや、キーイベントの直前に通ったページをたどれます。入口ページを開始地点にして先へ追う方法と、問い合わせ完了などを終了地点にして手前へ戻る方法を使い分けます。

  • 入口からサービス説明や料金へ進めているか
  • 同じページを行き来して迷っていないか
  • 想定外のページへ多く移っていないか
  • 問い合わせ完了の直前に、どのページや操作があったか

経路にページタイトルの違い、不要なパラメータ付きURL、同じ意味のページが細かく並ぶ場合は、計測側の表示方法や分類を整えます。解析を見やすくするためだけに公開URLを変更すると、検索評価や既存リンクへ影響するため、URL変更は別の判断として扱います。

決まった手順はファネルデータ探索で比べる

問い合わせや購入のように手順が決まっている場合は、ファネルデータ探索が向いています。たとえば「サービスページを見る→フォームを始める→送信する」や「商品を見る→カートへ入れる→購入する」を段階として設定し、どの間で進む人が減っているかを確かめます。

減っている場所考えられること現物で確かめること
説明ページ→フォーム開始対象、費用、依頼後の流れが分からないお客様から多い質問とページの説明
フォーム開始→送信入力項目、エラー、個人情報の説明に不安があるスマホ入力とエラー後の復帰
商品→カート送料、在庫、納期、返品条件が不足している商品ページとカート前の表示
決済→購入完了決済エラーや追加費用がある主要な支払方法と受注記録

途中で必要な説明が足りないときは、社内の憶測より、お客様から実際に受けた質問を集めます。お客様の質問からホームページに必要な内容を整理する方法に沿うと、足すべき説明を具体化できます。

デバイスや訪問経路を分け、少ない数字を決めつけない

全体平均では問題が隠れます。パソコンでは送れるのにスマートフォンではボタンが隠れる、自然検索では進むのに広告から来た人は説明との違いで戻る、といった差があるためです。まずデバイスの種類と訪問経路で分け、必要に応じて新規・再訪も確認します。

一方で、数件だけの差から結論を出すと偶然に左右されます。件数が少ない場合は期間を少し広げ、繁忙期、広告出稿、休業日など条件が違う日を混ぜていないか確認します。それでも少なければ、数字の順位付けより、実際の端末確認とお客様の質問を優先します。

GA4の数字を見たら、実際のページで再現する

改善候補が見つかったら、パソコンとスマートフォンでその手順を最初から最後まで試します。GA4は「どこを詳しく見るか」を絞る手掛かりであり、文章の意味、押しにくいボタン、入力エラーの原因を自動で説明するものではありません。

ノートパソコンとスマートフォンで問い合わせフォームを確認する担当者
候補を絞ったら、スマートフォンとパソコンで入力、エラー表示、送信完了まで再現します。写真は動作確認のイメージです。
  • 広告や検索結果で期待した内容が、最初の画面ですぐ分かるか
  • 対象者、対応地域、費用の考え方、納期など判断材料があるか
  • 押せないリンク、隠れるボタン、読めない文字がないか
  • 入力例とエラー理由が分かり、入力内容をやり直さずに済むか
  • 送信後に完了したことと、次の連絡時期が分かるか
  • 電話・メール・受注管理の実数とGA4の記録が合うか

直す順番は、影響・件数・証拠・直しやすさで決める

率が最も悪いページから直すとは限りません。月に数回しか見られない補足ページより、問い合わせの一つ手前で多く使われ、スマホの不具合を再現できたページのほうが優先です。次の四点を並べ、会社にとって影響が大きいものから着手します。

判断軸確認する質問
影響問い合わせ・応募・購入の手前にあるか
件数判断できる程度に利用されているか
証拠GA4、受付記録、実機確認が同じ問題を示しているか
直しやすさ影響範囲を限定し、元へ戻せる変更か

一度に一つだけ直し、変更日と確認日を残す

見出し、料金説明、フォーム項目、広告の対象を同じ日に変えると、数字が動いても理由が分かりません。変更前の画面と数値、変更した内容、公開日、確かめる指標、元へ戻す条件を残し、一つずつ試します。

比較するときは、同じ曜日数や同程度の営業日を含む期間を選びます。連休、値上げ、広告開始、テレビ紹介など外部要因も記録してください。改善予定と確認日を忘れない方法はホームページ更新カレンダーの作り方で紹介しています。

Bämは計測とページの両方を一緒に確認します

Bämでは、GA4の設定だけを見るのではなく、問い合わせや購入までに必要なページ、スマートフォン表示、フォーム、実際の受付記録とのつながりを整理します。検索から見つけてもらった後の改善と確認については、SEO・集客支援の内容をご覧ください。現在の計測状況によって、確認できる範囲と追加設定の要否を最初にお伝えします。

「GA4を開いても、どの画面を見ればよいか分からない」「問い合わせ件数と数字が合わない」という段階でも構いません。ホームページの解析と改善について相談するから、増やしたい行動と今困っているページをお知らせください。

よくある質問

直帰率が高いページは必ず直すべきですか?

必ずしもそうではありません。営業時間や連絡先の確認など、短時間で用事が済むページもあります。ページの役割、次に進んでほしい行動、実際の問い合わせ記録を合わせて判断します。

GA4のどこで離脱率を見ればよいですか?

一つの率だけで全ページを診断するより、入口はランディング ページ、利用状況はページとスクリーン、前後の移動は経路データ探索、決まった手順の途中はファネルデータ探索で確かめます。目的に合うレポートを選んでください。

アクセスが少ないページはどう判断しますか?

期間を広げても件数が少ない場合、1〜2件の動きだけで大きく書き換えません。ページの役割、古い情報や不具合、営業や窓口に届いた質問を確認し、確かな問題から小さく直します。

フォーム送信を成果として見るには何が必要ですか?

送信完了を示すイベントを確認し、必要ならキーイベントとして設定します。テスト送信で一度だけ記録されるか、実際にメールや管理画面へ届くかも確認してください。GA4の数だけで受信件数と同じだとは判断しません。

まとめ

GA4で問題ページを探すときは、離脱率の順位だけを見ません。今回増やしたい行動を一つ決め、計測が正しいかを確認し、入口、ページ全体、前後の経路、決まった手順をそれぞれに合うレポートで調べます。

候補が見つかったら、スマートフォンとパソコンで実際に操作し、問い合わせ・応募・受注の記録と照らし合わせます。影響が大きく、利用件数があり、問題を再現できる場所から、一度に一つだけ直してください。

参考資料