ITサービスのホームページに「一覧表示」「通知」「履歴管理」と機能を並べても、初めて読む方には、自分の仕事のどこで役立つかが見えにくいことがあります。機能が足りないのではなく、使う場面とのつながりが説明されていないのかもしれません。

書き換えるときは、誰が、どの仕事で、何の情報を入れ、何を確かめられるかを一つの場面にします。機能名は残しながら、その機能を使った後に進められる仕事まで伝えましょう。

機能を説明する前に、一つの仕事を選ぶ

最初からあらゆる使い方を紹介しようとすると、結局「幅広い業務に対応」という説明になりがちです。まずは、営業でよく説明する仕事や、実際の利用者から質問される場面を一つ選びます。

ここでは、案件管理ツールを販売する会社の架空例を考えます。営業担当者が顧客との打合わせ内容と次の連絡予定を登録し、管理者が対応状況を確認する仕事です。「営業部門向け」とだけ決めるより、何を記録し、誰が読むかまで置くと、説明に使う機能を選びやすくなります。

なお、この例は特定の製品の仕様ではありません。自社の紹介文に使う際は、実際の入力項目、表示、設定条件に合わせて組み立てます。

「一覧表示」を、確かめたい情報の説明へ変える

機能一覧の「案件を一覧表示できます」を、仕事に沿って書き換えてみます。架空のツールが次の連絡予定日で絞り込めるなら、「営業担当者は、次の連絡予定日を登録し、今週対応する案件を一覧で確認できます」と説明できます。

この一文には、使う人、登録する情報、確認できることが入っています。さらに「打合わせ前に、前回の記録と次に確認する内容を見返せます」と続ければ、一覧から先の仕事も伝わります。

同じ画面を管理者が使う場合は、「担当者別に案件を確認し、対応が必要な案件について相談できます」のように、見る目的を変えて説明します。一覧という機能は同じでも、誰が何を確かめるかで文章は変わります。

一覧表示という機能を、営業担当者が連絡予定日を登録し今週の案件を確認する仕事へ書き換える例
機能名に、使う人と扱う情報を添えてみます。

入力と自動処理を混ぜずに説明する

「必要な情報がまとまります」と書くだけでは、利用者が登録するのか、ほかのデータから自動で集まるのかが分かりません。説明には、その状態になるための操作や前提も含めます。

先ほどの例なら、連絡予定日を担当者が入力する必要があります。登録されていない予定まで自動で把握できるようには書きません。通知も、誰かが設定した期限に基づくのか、更新をきっかけに届くのかで、利用者が準備することが違います。

例えば「通知で対応漏れを防ぎます」と大きく言い切る前に、「設定した予定日に、担当者へ通知します」と実際の動きを説明します。通知を読んで対応する仕事は利用者に残るので、機能がすべての業務を代行するように見せないことが大切です。

履歴や共有も、次の仕事につなげる

「履歴管理」は、保存できることだけでなく、後から何を確認できるかまで書くと伝わります。案件管理の例では、「前回の打合わせ内容と対応記録を案件ごとに残し、担当が変わったときに経緯を見返せます」という説明です。

サイボウズの案件管理サンプルアプリの紹介でも、活動の記録を、現状確認や担当の引き継ぎという場面につなげて説明しています。自社の機能紹介でも、保存、検索、共有といった操作を、利用者の仕事の目的と結ぶ考え方が参考になります。

閲覧できる人が権限で分かれるなら、その前提も必要です。「全員で共有」と書いた後に、実際は一部の担当者しか見られないと分かるような案内を避けます。細かな権限設定は仕様案内へ分け、利用場面の説明には判断に必要な条件を添えます。

画面や図は、文章で説明した箇所を見せる

画面全体を小さく載せると、どの機能を見ればよいか分からない場合があります。今週の対応案件を説明しているなら、その絞り込み条件と対象の一覧が分かる部分を示します。画面の説明文にも、何を確かめる画面かを添えます。

入力から確認まで複数の画面を使うなら、「担当者が記録する→条件で一覧を出す→次の対応を決める」という短い流れの図が使えます。実際の画面と説明用の図は区別し、図に描いた動きが製品で自動実行されると誤解されないようにします。

掲載する画面は、公開できる見本データで用意します。古い画面や開発予定の表示を使う場合は、現在提供している機能との違いが分かる説明が必要です。画面を大きく載せること自体より、文章で紹介した仕事と一致しているかを確認します。

営業担当者の記録、条件に合う案件の一覧確認、次の対応の判断を分けた利用場面の図
記録する操作、画面でできること、人が判断することを分けます。

利用場面を読んだ後に、仕様も確かめられるようにする

仕事の説明へ変えることは、機能一覧をなくすことではありません。利用場面で興味を持った方は、その後、対応する項目やプラン、利用上限などを詳しく確かめたいと考えます。

場面の説明から該当する機能や仕様へ進めるようにし、両方で名前をそろえます。「予定日の通知」と説明したものが機能一覧では別の名前になっているなら、同じ機能だと分かる補足を入れます。費用や利用条件の詳しい説明も、その機能に対応する場所へ案内します。

公開前には、製品担当者に動作と前提条件を、営業担当者に商談で使う説明との一致を確認してもらいます。可能なら製品に詳しくない方にも読んでもらい、誰が何を登録し、何を確認するサービスかを説明してもらうと、言葉の足りない部分が見つかります。

BämのIT・BtoBサービスのホームページ制作では、普段の商談や資料をもとに、利用する部門と仕事、機能の関係を原稿と図へ整理します。機能名の一覧に加え、導入を検討する方が自社の仕事に置き換えて読める紹介ページを制作します。

参考資料