食品ブランドの紹介には、作り始めたきっかけや、材料を選ぶ思いが込められています。ただ、その話に共感しても、いくつかの商品を前にすると「自分にはどれが合うのだろう」と迷うことがあります。商品ページでは、思いに加えて、食べるときにどんな違いを楽しめるかが必要です。
つなぎ方の手掛かりは、作り手が選んだことを、味・食感・食べ方の説明へ置き換えることです。ブランドの歴史を各商品で繰り返すより、「その工夫が、この商品ではどう感じられるか」を確かめると、選ぶための文章になります。
「こだわっています」の先を、実物を見ながら聞く
例えば、朝のパンに合わせるマーマレードを作る、小さな食品ブランドの架空例を考えます。紹介文に「毎日の食卓を大切に、丁寧に手作りしています」とだけ書くと、店の姿勢は分かっても、瓶の中身までは想像しにくいかもしれません。
そこで、作り手に「皮をどんな大きさにしているか」「なぜその切り方にしたか」「パンにのせたとき、何を楽しんでほしいか」を聞きます。例の作り手が、皮を細く切ってパンに広げやすい仕上がりを目指しているなら、その選択を説明の中心にできます。
文章は、思い、実際の工夫、食べるときの特徴の順に考えます。この例なら「忙しい朝にもパンと楽しんでほしくて、皮を細く刻みました。薄く塗り広げながら、皮の食感も味わえます」という案です。実物を食べて確かめ、作り手が説明できる範囲の言葉へ整えます。製法だけを聞いて、編集する側が味を推測して付け足さないことが大切です。

工程の写真にも、食べる場面とのつながりを添える
工房や調理中の写真は、商品が生まれる場所を伝えます。ただ、鍋を混ぜている写真だけでは、どの商品の何を説明しているかが分かりにくいことがあります。紹介したい工夫が皮の切り方なら、細く切った状態、仕上がった中身、パンへ広げた状態を候補にします。
romi-unieの公式記事「そう、こういうジャムが食べたかった」では、季節から得た着想に続き、りんごを異なる大きさにする工程と食感の話、乳製品と合わせる食べ方を紹介しています。作った理由から、口にするときの様子へ進む説明の流れが参考になります。
自社のページでも、すべての工程を載せるより、商品を選ぶ説明に必要な場面を選びます。瓶の外観は商品を探すために、中身をすくった写真は質感を見るために、盛り付けは食べ方を想像するために使えます。写真のそばの言葉は「こだわりの製法」だけにせず、何を見てほしいかを短く添えます。
シリーズに共通する思いと、商品ごとの違いを分ける
同じブランドに複数の味がある場合、どの商品にも同じ物語を長く載せると、違いを読み比べにくくなります。ブランドに共通する作る理由や姿勢は紹介ページへまとめ、商品詳細には、その一品に関係する工夫と特徴を残します。
例のブランドに、皮の食感を残したものと、なめらかに仕上げたものがあるとします。両方を「素材を生かしたおいしさ」と紹介するだけでなく、口当たりや合わせ方を同じ観点で説明します。パンに重ねて食感を楽しみたいのか、ヨーグルトに混ぜて食べたいのか。店が試して勧められる組み合わせを添えると、好みから選ぶ材料になります。
一方、製法の違いがそのまま味の優劣になるわけではありません。「手間が多いから一番おいしい」と順位を付けるより、それぞれ何を目指した商品なのかを伝えます。実際には差を説明できない項目まで、比較表を埋めるために作る必要はありません。

物語からは、話に出てきた商品へ案内する
ブランド紹介でマーマレードの切り方を読んだ後、食品全体の一覧へ移ると、どの商品だったか探し直すことがあります。話の近くに対象商品の写真と名前を置き、その商品詳細へ案内すると、気になった特徴を確認しながら検討できます。
反対に、検索などから商品詳細へ直接来た方には、長い創業物語を読まなくても味や食べ方が分かる説明を用意します。そのうえで、より知りたい方が「この切り方にした理由を読む」といったリンクから背景へ進める形にします。物語を読み終えることを、商品を選ぶ前提にしない構成です。
価格や内容量、原材料、保存方法などの商品情報は、現在の資料で別に確認して載せます。過去の開発記事に出てくる仕様と現行商品が異なる場合は、その関係を確かめて案内を直します。思いを伝える文章と、今買える商品の条件が混ざらないようにします。
原稿づくりは、代表商品を一つ選ぶところから
最初からブランド全体の文章を書き直す必要はありません。紹介したい一品を選び、作り手の話、実物、今の商品説明を並べます。作る理由はあるのに食感が分からない、工程は見えるのに食べ方がない、といった不足を見つけて、文章と写真を補っていきます。
Bämの食品・ブランド通販のホームページ制作では、店頭で伝えている商品の違いや作り手のお話を伺い、選ぶための原稿と画面を整えます。販売する会社に商品情報と表現をご確認いただきながら、物語と商品詳細のつなぎ方を考えます。