初めて会社のホームページをつくるときも、ページ数や原稿を先に決める必要はありません。最初にするのは、会社の中にすでにある事実を集め、誰に確認すれば正しいかを決めることです。経営者、営業、現場、総務から一時間ほど話を集めれば、制作会社へ相談できる材料になります。

この記事では、和歌山市の中小企業が初めて会社のホームページを考えるときに、社内で集めたい情報と確認する人を整理します。初回相談で聞かれる内容や「まだ決めていない」と伝える方法は、既存記事のホームページ制作の初回相談で聞かれることで説明しています。ここでは同じ話を繰り返さず、相談前に会社のどこから事実を集めるかに絞ります。

完成原稿より、正しい事実を集める

ホームページに載せる文章を、自社で最初から書き上げようとすると準備が止まりやすくなります。普段は口頭で説明できる仕事も、白紙から文章にするのは難しいためです。制作前に必要なのは、読みやすい文章ではなく、文章のもとになる事実です。

例えば製造業なら、対応できる材料、加工の範囲、相談を受ける時に必要な図面、品質確認の方法があります。店舗なら、扱う商品、選び方、来店前によく聞かれること、予約の方法があります。採用なら、実際の仕事内容、勤務時間、入社後に覚えること、職場を案内できる人が材料になります。

これらは、広報担当者だけが持っているとは限りません。営業のメモ、現場の手順書、総務の会社案内、経営者が取引先へ話している内容など、会社の中に分かれて存在します。まずは所在を確かめ、正しいかどうかを確認できる人を決めます。文章への整理は、その後で制作会社と進められます。

経営、営業、現場、総務・採用から事実と確認先を集める図
会社の情報は、一人で考えず、分かる人に確認して集めます。

一時間で、四つの担当から話を集める

大がかりな社内会議を始める必要はありません。最初は一時間を目安に、経営、営業、現場、総務・採用の四つの立場から話を集めます。同じ人が複数を担当している会社なら、一人で書いて構いません。空欄が残っても、その空欄が次に確認することを示します。

時間の目安聞く相手集めること残し方
0〜10分経営者今ホームページが必要な理由、今後増やしたい仕事、公開したい時期箇条書き3〜5行
10〜25分営業・接客初めてのお客様からよく聞かれること、説明に時間がかかること質問と普段の答え
25〜40分現場仕事の順番、対応できる範囲、品質を保つためにしていること手順と写真候補
40〜50分総務・採用会社情報、許認可、募集情報、掲載してよい連絡先正本の資料名
50〜60分確認する人誰が何を確認し、いつまでに返すか担当と期限

すべての部署をそろえることより、事実の出どころを残すことが大切です。「営業がそう言っていた」ではなく、「見積り前に営業部長が確認」「会社概要は登記と現在の会社案内で確認」のように書きます。更新日が分からない資料は、そのまま使わず確認待ちにします。

会社の情報を、五つの箱へ入れる

集めた情報は、一つの長い文書にまとめるより、用途ごとに五つの箱へ分ける方が探しやすくなります。パソコンのフォルダーでも、紙のクリアファイルでも構いません。制作会社へ渡す前に、個人情報や社外秘が混ざっていないか確認します。

  1. 会社の正しい情報:正式な会社名、所在地、電話番号、営業時間、代表者、設立、許認可など。
  2. 商品・サービスの事実:何を提供するか、誰に向くか、対応範囲、料金の出し方、依頼の順番など。
  3. お客様からよく聞かれること:購入・相談前の質問、迷いやすい違い、用意してもらうものなど。
  4. 仕事が見える資料:写真、図、カタログ、仕様書、実績として紹介できる案件など。
  5. 公開前に確認が必要なこと:掲載許可、契約上の制限、価格・条件の有効日、専門家へ確認する表現など。

会社案内や商品カタログが古くても、すぐ捨てる必要はありません。現在も正しい箇所、直す箇所、確認が必要な箇所に印を付ければ材料になります。反対に、社内の説明と資料が食い違う場合は、制作会社が判断せず、会社側の確認者へ戻します。

資料には「出どころ・確認者・確認日」を付ける

集めた資料は、正しいかどうかを見分けられる状態にします。ファイル名だけでは、誰が作り、いつの内容か分からないことがあります。一つずつ詳しい台帳を作る必要はありませんが、少なくとも出どころ、確認する人、最後に確かめた日を付けます。

資料出どころ確認する人公開前の確認
会社概要現在の会社案内、登記情報総務・経営者社名、所在地、代表者、電話番号
商品・サービス営業資料、仕様書、価格表営業・現場責任者名称、対応範囲、価格、注意事項
実績・お客様の声案件記録、掲載許可営業・契約担当社名・数値・写真を公開できるか
採用条件現在の求人票、就業条件採用・労務担当職種、勤務地、給与、休日、選考
写真・ロゴ撮影データ、元データ広報・権利を確認できる人撮影者、人物、商品、建物の掲載可否

ファイル名には「会社概要_2026-08確認」のように日付を入れると、後から見分けやすくなります。ただし、日付を付けただけで内容が正しいことにはなりません。価格、募集条件、許認可など、変更が影響する情報は担当者が中身を確認します。

お客様名、売上、改善結果などを実績として載せる場合は、社内に記録があるだけでは不十分です。公開できる範囲と相手の許可を確認します。「問い合わせが増えた」などの成果は、計測方法と対象期間を説明できない場合は書きません。制作会社が見栄えを良くするために推測で足すものでもありません。

商品や写真、資料を持ち寄って会社の情報を整理する様子
商品、写真、資料は、きれいにまとめる前の状態でも役立ちます。

和歌山市の公開情報は、会社情報の代わりではない

和歌山市は、産業振興プラットフォームで企業情報、創業、販路、雇用、関係支援機関などの情報をまとめています。また、市内企業を訪問し、事業内容や魅力を紹介する情報も案内しています。こうした公的な情報は、和歌山市でどのような事業者向け情報が扱われているかを知る入口になります。

ただし、市の説明や統計だけで、自社の強みを決めることはできません。「和歌山市には製造業があるから製造業向け」と書くだけでは、自社が何を提供できるのか伝わらないためです。地域の情報は背景として使い、本文には自社の現場で確認できる事実を置きます。

補助制度や支援策を載せる場合も、古い資料のまま掲載しないでください。和歌山市のページには終了した制度も明記されています。制度名、対象、申請時期は公開前に公式ページで再確認し、ホームページへ載せた後も更新担当を決めます。利用できるかどうかの最終判断は、担当窓口へ確認します。

業種ごとに、聞く場所を変える

次は説明用の例で、実在する会社やBämの制作実績ではありません。和歌山市の会社でも、業種によって情報が集まる場所は変わります。共通の質問表を全員へ配るより、仕事を知っている人へ具体的に聞く方が、役立つ材料が集まります。

  • 製造業:営業には見積り前によく確認する条件を、現場には設備名より「何ができるか」「何ができないか」を聞きます。品質資料や図面は、そのまま公開せず、見せられる範囲を責任者へ確認します。
  • 店舗・サービス業:接客担当には、初めての方が予約前に迷うことを聞きます。住所と営業時間だけでなく、来店方法、所要時間、選び方、キャンセル条件など、電話で繰り返し説明している内容を集めます。
  • 医療・福祉:サービスの対象、利用までの順番、費用の確認方法、相談窓口を担当者へ聞きます。専門的な表現や制度説明は、担当者や必要な専門家が確認し、制作会社だけで断定しません。
  • 採用を重視する会社:経営者の理想像だけでなく、現場の一日の流れ、入社後に覚えること、困った時に誰へ聞けるかを働く人から集めます。給与や休日などの条件は採用担当の正本と照合します。

このように分けると、担当者が「文章を書く」のではなく、「自分の仕事で事実を答える」形になります。集めた言葉をそのまま掲載するのではなく、重複や専門用語を整理し、お客様に分かる文章へ変えるのが次の工程です。

社内で決めることと、相談して決めることを分ける

初めての制作では、何を自社で決め、何を制作会社へ相談できるのか分かりにくいものです。次の表を目安に分けると、無理に全部を決めずに済みます。

項目会社で確認する制作会社と相談する
会社・商品情報事実、価格、条件、掲載可否読み手に伝わる順番と文章
対象となるお客様現在の顧客、増やしたい仕事、対応範囲どの情報を先に見せるか
写真撮影できる場所、人、商品、掲載許可必要な場面、構図、撮影方法
ページ必ず案内したい情報ページ数、まとめ方、名称
問い合わせ方法社内で受けられる方法と担当者電話・フォーム等の見せ方
公開日開業、展示会、採用開始など動かせない予定制作工程と確認日の組み方

色、字体、細かなボタンの位置、専門的な機能名は、相談前に決めなくてもかまいません。「青が好き」より、「初めての方にも落ち着いて相談してほしい」のように、相手に持ってほしい印象を伝える方が提案の材料になります。

確認する人を一人にしすぎない

進行担当者は一人でも、内容の確認をすべて一人で背負う必要はありません。会社情報は総務、商品の条件は営業責任者、製造工程は現場責任者、採用条件は採用担当というように、項目ごとの確認者を決めます。

確認者が多すぎると意見がまとまらないため、各項目の最終判断者も一人にします。例えば文章は営業と現場が確認し、最終承認は経営者が行う形です。好みの違いだけで何度も戻らないよう、最初に「事実が正しいか」「お客様に誤解を与えないか」「会社として公開できるか」の三点で確認すると決めておきます。

確認期限も、全員同じ日にしない方が進めやすい場合があります。会社情報は最初の週、商品条件は構成を決める前、写真の掲載許可は撮影前、最終の価格や採用条件は公開前というように、内容が必要になる時期へ合わせます。制作会社から届いた資料に「何を見る資料か」「いつまでに誰が返すか」が書かれていると、社内でも回しやすくなります。

準備が足りない時に、急いで作らないもの

情報が集まらないと、ひとまず一般的な言葉で埋めたくなります。しかし「高品質」「丁寧な対応」「地域密着」だけでは、会社の違いを説明できません。根拠がまだない箇所は仮の文章で公開せず、何を確認すれば書けるかを残します。

写真がないからと、実際の社員やお客様に見える生成画像を会社紹介や実績へ使うことも避けます。説明用のイメージとして使う場合と、実際の会社・商品・仕事を示す写真を分けます。会社の信頼を伝えるページでは、現地で撮影した人物、仕事場、商品、設備の方が根拠になります。

また、競合サイトの文章や写真を「参考」としてコピーしません。同じ業種でも、対応範囲、価格、仕事の進め方は会社ごとに違います。参考サイトは見せ方の好みを伝えるために使い、掲載内容は自社の事実から作ります。

担当者が不在になる場合も考え、資料の保存場所とやり取りの履歴を会社の共有場所へ残します。個人のメールやスマートフォンだけに置くと、退職や異動の際に確認できなくなります。パスワードや認証コードは、相談メモや通常のメールへ書かず、必要になった時に安全な受け渡し方法を決めます。

相談前の準備表

次のうち、分かる項目だけ埋めれば相談を始められます。空欄は失敗ではありません。「誰に聞けば分かるか」だけでも書いてください。

  • ホームページが必要になったきっかけを一文で書いた
  • 今のお客様と、これから増やしたい仕事を分けた
  • 営業や現場でよく聞かれる質問を三つ集めた
  • 会社情報の正本となる資料を確認した
  • 商品・サービスの条件を確認できる人を決めた
  • 使えそうな写真・ロゴ・カタログの保存場所を確認した
  • 掲載許可が必要な写真や事例を分けた
  • 開業、採用、展示会など動かせない予定を書いた
  • 社内の進行担当と最終承認者を決めた
  • 分からない項目を、推測で埋めず空欄にした

写真と文章の準備を詳しく進める段階では、公開予定のホームページに使う写真と文章の用意へ進めます。古いホームページがある場合は、公開予定のホームページをリニューアルする時期と見直し方で、事業の予定から見直す時期を考えられます。

まとめ:会社の事実と確認先があれば始められる

初めてのホームページ制作で先に集めたいのは、完成原稿ではありません。会社の正しい情報、商品・サービスの事実、お客様からの質問、仕事が見える資料、公開前に確認することです。経営、営業、現場、総務・採用から一時間ほど話を集め、項目ごとの確認者を決めれば、相談の土台になります。

Bämでは、ページ数やデザインが決まる前からお話を伺い、必要な内容を整理します。和歌山市のホームページ制作でできることでは、制作内容、料金、実績、公開までの流れをご確認いただけます。会社資料がそろっていない場合も、無料相談で今分かっていることからお聞かせください。


参考資料