ネットショップの商品写真は、高価なカメラより先に「購入前に何を確かめたいか」と「毎回同じ条件で撮れるか」を決めると整います。スマートフォンでも、必要な写真、光の向き、背景、距離、撮影順を固定すれば、商品の違いが伝わる写真を繰り返し用意できます。

ただし、見栄えを良くするために実物と違う色や質感へ変えるのは避けます。この記事では、日本の中小企業が自社で商品写真を撮り、確認して、商品ページへ載せるまでの手順を説明します。ネット販売全体の準備から確認したい場合はネット販売を始める前に決める9項目からお読みください。

撮影前に、購入者が確認したい写真を決める

撮り始める前に、商品ごとの必要カットを一覧にします。おしゃれな一枚だけでは、裏面、厚み、付属品、使ったときの大きさが分からず、購入者が判断できません。まずは次の役割を埋めます。

写真の役割写す内容確認したいこと
一覧の主画像商品全体を正面または特徴が分かる角度から写す何の商品か、色や形
別の角度背面、側面、底面、開閉した状態厚み、構造、使い方
細部素材、縫い目、端子、表示、傷になりやすい箇所質感、仕様、状態
大きさ寸法が分かる図や、基準になる物と並べた様子届いたときの大きさ
内容物本体、付属品、箱、説明書を並べる何が届くか
使用中手に持つ、置く、着用するなど実際の使い方利用場面と取り扱い方

色違いや容量違いがある場合は、どの種類にも同じ役割の写真をそろえます。撮影漏れが減り、商品同士も比べやすくなります。品数を絞って販売を試す場合は小規模事業者がオンライン販売を始める方法も参考にしてください。

自社で撮る範囲とプロへ依頼する範囲を分ける

すべてを自社撮影にする必要も、すべてを外注する必要もありません。更新回数と撮影の難しさで分けます。

自社撮影が向く場面プロへの相談を考える場面
商品追加が多く、決めた背景と角度で繰り返し撮るブランドの主画像や広告にも長く使う
入荷状態、中古品の傷、梱包内容をその都度伝える透明、光沢、金属など反射の調整が難しい
店舗で担当者が撮影と登録を続ける人物、料理、動きのある使用場面を安全に撮る

判断基準は「自社で撮れるか」だけではなく、担当者が変わっても同じ状態を再現できるかです。難しい主画像だけを依頼し、追加商品の記録写真は自社で撮る分け方もできます。

撮影場所とスマートフォンの基準を固定する

毎回のばらつきを減らすには、机の位置、背景、ライト、三脚、商品の置き場所を決め、完成した配置を写真に残します。撮影前は次を確認します。

  • レンズを柔らかい布で拭き、汚れや曇りを取る
  • 画面の格子線を表示し、商品の水平と余白をそろえる
  • デジタル拡大を避け、三脚と商品の距離で大きさを調整する
  • 機種、撮影倍率、距離、高さを撮影手順書へ残す
  • スマートフォン内の自動補正で色が変わりすぎていないか確認する

背景は商品と区別でき、色の影響を受けにくい物を選びます。白い商品を白背景で撮る場合は、輪郭が消えないよう、背景との距離や影を調整します。

光は一方向から柔らかく当て、影と反射を見る

窓の近くで撮る場合は直射日光を避け、薄いカーテンなどを通した柔らかい光を使います。反対側へ白い板を置くと、暗い部分を明るくできます。室内灯と窓の光を混ぜると色が変わりやすいため、主に使う光を一つ決めます。

金属や瓶は、ライトそのものや撮影者が映り込んでいないか、撮影後に拡大して確認します。位置を少しずつ動かし、正面だけでなく斜めからも見ます。食品や熱に弱い商品は、照明の熱、撮影時間、衛生管理も商品担当者と決めてください。

角度と大きさをそろえ、決めた順番で撮る

商品を置くたびに考えると、必要な写真が抜けます。「正面、斜め、背面、細部、大きさ、内容物、使用中」のように順番を固定し、商品番号ごとに撮影します。

撮影時の記録残す内容
商品商品番号、商品名、色・サイズなどの種類
撮影必要カット、撮影済み、撮り直し、撮影日
画像元画像のファイル名、編集後のファイル名、使用先
確認色、傷、付属品、権利、商品担当者の確認

商品を片付ける前に一覧を見直します。後から一枚だけ撮り直すと、光や背景が変わりやすいためです。実店舗と同じ在庫を扱う場合は実店舗と通販を併用する在庫・受取の設計も一緒に確認してください。

色・質感・傷を実物以上に変えない

明るさ、傾き、余白を整える編集はできますが、色、素材感、傷、量、付属品を実物と違う状態にしないことが大切です。消費者庁の表示規制の概要でも、実際より著しく優良と誤認される表示は禁止されています。写真だけで誤解しやすい違いは、商品説明にも書きます。

編集後は撮影者だけで判断せず、商品を知る担当者が実物と並べて確認します。画面によって色は変わるため、少なくともパソコンとスマートフォンで見比べ、必要なら「閲覧環境により色の見え方が異なる」ことも説明します。

商品ページでは画像の内容と表示の速さを確認する

Googleの画像検索のSEOに関する公式案内では、分かりやすいファイル名と代替テキスト、画像に関係する周辺の文章、画質と表示速度の両立などが案内されています。代替テキストは「商品画像」だけで済ませず、写っている商品と角度を簡潔に書きます。

たとえば「青い革財布の正面」のように、画像を見られない人にも内容が分かる言葉にします。同じ写真を大きな元画像のまま何枚も載せず、ホームページ側で画面幅に合う画像を出せるか確認します。Google Merchant Centerへ商品を登録する場合は、主画像と追加画像の扱いや最新要件を商品画像に関する公式仕様で掲載前に確認してください。

商品説明、販売条件、返品方法も写真と一緒に確認します。モールへ掲載する場合は、共通の元画像を残したうえで出店先ごとの画像要件を確認してください。販売場所そのものを比較するときはAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングの比較手順、公開前に必要な情報は通販サイト公開前に整理する情報と運用で整理できます。

他人の写真・人物・背景に写る物の権利を確認する

インターネットで見つけた写真は、自由に商品ページへ使えるとは限りません。文化庁の著作権の基本を解説する公式案内でも、他人の画像を使う前に権利者や利用条件を確認する必要があることが説明されています。

  • メーカー提供画像は、ネットショップでの使用範囲と加工の可否を確認する
  • 人物を写す場合は、使用先、掲載期間、広告への転用を事前に説明して同意を残す
  • 背景に写る絵、写真、ロゴ、個人情報を確認し、不要な物は撮影前に外す
  • 購入した素材は、利用規約と購入記録を画像台帳へ残す

公開前に写真と商品ページを一緒に確認する

写真だけの確認で終わらせず、実際の商品ページで次の項目を見ます。

  • 一覧の小さな画像でも、商品と種類を見分けられる
  • 主画像から別角度、細部、大きさ、内容物へ順に確認できる
  • 写真の色、数量、付属品、傷が商品説明と一致する
  • 色やサイズを選んだとき、対応する写真へ切り替わる
  • 代替テキストが画像の内容を簡潔に説明している
  • スマートフォンで画像を開いても、文字や購入ボタンが押し出されない
  • 返品条件や注意点を写真だけに頼らず文章でも説明している
  • 元画像、編集版、使用許可、確認者を後からたどれる

テスト注文まで進める場合はEC決済方法を選ぶ5つの基準も確認します。この記事内のGoogle、消費者庁、文化庁の資料は2026年8月31日に確認しました。

商品写真と商品ページを一緒に整えたい方へ

商品写真は、撮ることだけでなく、商品の選び方、説明、種類、在庫、配送、返品の情報とそろって初めて判断材料になります。Bämでは、撮影で用意する内容を整理し、商品ページや購入までの流れと一緒に通販サイトを設計します。

撮影をどこまで自社で行うか、今ある写真を使えるか、商品登録を誰が続けるか決まっていない段階でも構いません。Bämの通販サイト制作で対応範囲をご確認ください。ほかの準備記事はネットショップの記事案内から探せます。