
BtoBサービスの名前を変えると、既存の利用者や取引先は、以前の名前で検索したり、保存していた資料のリンクを開いたりします。新しい名前だけを掲載すると、使っているサービスが終わったのか、別の商品になったのか判断できません。旧名と現行名の対応、切り替え日、機能・契約への影響を一か所で説明し、旧名の入口からそこへ進めるようにします。
最初に「名前だけ」か「提供内容も変わる」かを決める
告知文を書く前に、製品担当、営業、契約担当で変更範囲を照合します。旧名と新名、名称の使用開始日、機能、ログイン方法、契約・請求、サポート窓口、資料の名称が変わるかを並べます。確定していない項目は「変更なし」と埋めず、確認中として公開する範囲から分けます。
実例として、MicrosoftのAzure Active DirectoryからMicrosoft Entra IDへの名称変更案内は、旧名と新名の対応に加え、サービスプラン名が変わった日、機能やライセンスへの影響、名称が変わらない関連項目を別々に示しています。自社の変更が同じ内容とは限りませんが、「名称変更」とだけ伝えて終わらせない書き方の参考になります。
例えば名称だけが変わる場合は「旧サービス名は、○年○月○日から現行名でご案内しています。現在の契約や操作への変更はありません」と、確認済みの事実を短く書けます。機能や料金も変わるなら、その文は使わず、変わる対象、適用日、既存契約への扱いをそれぞれ示します。実際の日付や条件が決まる前に例文をそのまま公開しないでください。

旧名で開く場所を一つずつ現行案内へつなぐ
旧名は検索結果だけに残るわけではありません。ブックマーク、営業資料、ヘルプ記事、請求書の案内、メールの署名、取引先の社内資料などにも残ります。自社で更新できるものと、相手側で更新されるまで残るものを分け、旧名を見ても現行の案内だと確認できるページを用意します。
サービスページのURLを変えないなら、無理にURLまで変更する必要はありません。ページの冒頭や適切な見出し付近に「旧○○は、現在△△として提供しています」と置き、資料やヘルプでも同じ対応を示します。旧名を消さずに残すのは、古い宣伝を続けるためではなく、利用者が知っている名前と現行の説明を結び付けるためです。
URLも変更するなら、旧ページごとに対応する新ページを決めます。Google検索セントラルのサイト移転資料は、旧URLと新URLの対応付け、恒久的な移転にはサーバー側の恒久リダイレクト、内部リンクの更新を勧めています。関係のない旧ページを全部新サイトのトップへ送る方法は避けるよう説明しています。サービスの旧紹介は現行の紹介へ、旧ヘルプは対応する現行ヘルプへ、と内容が続く行き先を選びます。

現行ページには旧名をどこまで残すか
現行のサービス名を主見出しにしたうえで、旧名との関係は読者が見つけやすい位置に短く残します。ページ全体で何度も旧名を繰り返す必要はありません。名称変更のお知らせを別に用意するなら、現行ページからもそこへ進めるようにし、変更日、対象の製品やプラン、問い合わせ先をそろえます。
似た名前の別サービスを統合した場合や、旧名の一部機能だけを新製品へ移した場合には、「旧名=新名」と一行で断定できません。どの機能がどこへ移ったか、移らなかった機能はどうなるかを確認してから対応を示します。既存契約の期限や料金が関わる場合は、公開文の前に事業側・契約側の確認が必要です。サイト制作側だけで条件を決めないようにします。
一方、旧名で探す人向けの案内をいつ消すかは、改名直後の日付だけで決めないほうが実用的です。旧URLへのアクセス、旧名で届く問い合わせ、営業が渡している古い資料の残存を確認します。検索結果の表示はすぐには切り替わらないため、見つけ方の確認には時間を置いて再点検します。成果を予測した数値で約束せず、実際にたどれるかで判断します。
公開前は、既存利用者の順番で確認する
確認用の手順は、旧名を検索する、以前のURLや資料のリンクを開く、現行名との対応を見る、必要な機能・料金・サポート情報へ進む、という順番です。パソコンとスマートフォンで行い、名称変更のお知らせだけが出て詳細へ進めない状態がないか見ます。ログイン画面やダウンロード資料、問い合わせフォームの選択肢にも旧名が残っていれば、表記の更新か補足が必要かを担当者と決めます。
制作会社へは、正式な名称変更通知、旧名と新名の一覧、変更日、機能・契約の変更範囲、旧URLと資料を渡すと、原稿と導線の修正を具体化できます。まだ確定していないことは公開可否を分けて共有します。BämのIT・法人向けサービスのホームページ制作・改善相談では、営業資料と実際の提供内容をもとに、伝わる原稿や図、相談までの経路を考えます。製品仕様や契約条件は提供会社の確認を受けて反映します。
参考資料
資料確認日:2026年9月26日。掲載した企業の名称変更は説明の実例です。個別サービスの機能や契約への影響、URLの移転先は実際の資料と運用で確認します。
