面接のたびに「忙しい時期はいつですか」「その時期は帰る時間も変わりますか」と聞かれるなら、採用ページに普段の働き方しか載っていないのかもしれません。年間の平均残業時間や一日の流れだけでは、季節によって変わる仕事を想像しにくいことがあります。
補いたいのは、忙しくなる理由と時期、通常期から変わる仕事、その時期の分担や勤務の実情です。募集する職種を決めて現場と採用担当に確認し、応募する方が自分の生活と照らせる説明にします。
「忙しいですか」の中にある疑問を分ける
繁忙期への質問は、仕事量だけを尋ねているとは限りません。いつ頃から忙しくなるのか、残業の見込みを事前に知れるのか、休日や勤務の予定に変化があるのかなど、知りたいことが重なっている場合があります。
面接担当者は、最近聞かれた質問と、その場で答えた内容を振り返ります。「繁忙期についてよく聞かれる」とまとめるより、「忙しい月」「日ごとの終業の見通し」「未経験で入った場合の仕事」のように整理すると、ページに足りない説明が分かります。応募者の個人的な事情を載せず、共通して答えられる疑問を原稿にします。
部署によって忙しさが違う会社では、全社の話から始めず、今回募集する仕事の担当者に聞きます。同じ季節でも、受注を扱う人と出荷する人では、業務が増える時期や内容が異なることがあります。
通常期と比べて、何が増え、何を分担するかを書く
ここでは、贈答品の包装・出荷スタッフを募集する架空の会社を例にします。贈り物の注文が集中する年末に、包装と出荷準備が増える職場を想定します。
まず、通常期はどの作業を一人で担当し、繁忙期はどう分けるかを確認します。この会社では、普段は担当者が箱詰めから送り先の確認まで行い、注文が集中する期間は箱詰めと出荷前の確認を分担するとします。この違いを示すと、「年末は忙しい」という一言より、働く場面が伝わります。
説明文なら、「年末は贈答の注文が集中し、包装と出荷準備が増えます。この期間は作業を分担し、担当する箱詰めを進めた後、確認担当へ引き継ぎます」とまとめられます。実際の会社で同じ分担をしているか、誰が作業の割り振りを決めるかまで聞いたうえで整えます。
人を増やす予定があっても、まだ実施していない体制は現在の働き方と分けます。「全員で協力します」と書く場合も、応援する仕事や相談する相手が分かる説明があると、入社後の姿を想像しやすくなります。

勤務の数字には、どの職種の、いつの実績かを添える
繁忙期に残業や勤務予定の変化があるなら、仕事の紹介と離れた場所に小さく書くより、働き方の説明から確かめられるようにします。年間平均を載せている場合も、その数字が募集職種の繁忙期を説明できているかを確認します。
厚生労働省の「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」では、残業時間について繁忙期とそれ以外の内訳や、削減に向けた取組・改善状況を補足する例を示しています。また、数値の定義や算出方法などを添える考え方も紹介しています。
自社で掲載するなら、対象の職種や部署、集計した期間、月平均などの単位を採用・労務担当に確認します。通常期と繁忙期を比較するときは、片方が全社員、もう片方が一部署というように、対象が混ざらないようにします。過去の実績と、今後の勤務条件や見通しも区別して伝えます。
まだ集計できていない場合は、担当者の印象を数字に変えて載せず、確認できる説明から整えます。忙しさの理由だけで勤務の実情への回答を済ませず、残業や休日については正式な募集条件と実績を確かめ、案内できる内容を補います。
入社時期が重なる場合の教わり方も確認する
未経験で応募する方には、繁忙期に入社したら最初から同じ量を任されるのかという疑問もあります。研修制度の名前だけではなく、その時期に入社した方が最初に担当する仕事、教える人、分からないときの相談先を確認します。
例の会社で、最初は先輩と箱詰めを行い、送り先の最終確認は習熟した担当者が受け持つなら、その範囲を説明できます。通常期と教え方が違う場合も、実際の進め方に沿って書きます。忙しい時期でも必ず同じ研修を受けられると約束する前に、受け入れる現場と内容を揃えます。

該当する職種のページで、働き方と募集条件をつなぐ
繁忙期の説明は、該当する職種の仕事内容や働き方の近くへ置きます。面接で多い質問として短く答え、詳しい勤務条件へ案内する形でも構いません。全社共通の質問欄に載せるなら、どの職種についての回答かを明記します。
公開前に、現場責任者には仕事と分担を、採用・労務担当には条件と数値を確認してもらいます。その後も繁忙期が終わった時点や次の募集時に、実情と説明が合っているかを見直します。負担の改善が必要な点は社内の課題として扱い、原稿だけで「安心して働ける」と言い換えないことが大切です。
Bämの採用応募につながるホームページ改善では、面接で繰り返し聞かれることや現場のお話から、応募前に伝える情報を整理します。確認できた仕事と働き方を原稿にし、職種紹介と募集条件を読みやすくつなぎます。
参考資料
- 厚生労働省:求職者等への職場情報提供に当たっての手引(本文5〜6頁、9〜10頁)
- Bäm:採用応募が来ないホームページの改善