インターン採用ページは、見た目から作り始めるものではありません。先に、どのような就業体験を用意するのか、誰が教えるのか、期間・場所・報酬・選考との関係を決め、その事実を学生が判断できる順番で載せます。企画が曖昧なままページだけ整えると、応募後の説明と食い違い、学生にも受入担当者にも負担が残ります。

この記事では、中小企業がインターン募集ページを作る前に決めること、掲載項目、受入体制、公開後の確認方法を説明します。採用サイト全体の考え方から確認したい方は、先に中小企業の採用サイト設計をご覧ください。

まず「インターンシップ」と呼べる企画か確認する

文部科学省・厚生労働省・経済産業省の合意では、学生のキャリア形成支援を4つに分けています。会社説明や短い仕事体験を、すべて同じ意味で「インターンシップ」と呼ぶわけではありません。募集ページの名称を決める前に、自社の企画がどこに当たるかを確認します。

種類主な目的ページで明確にすること
タイプ1
オープン・カンパニー
会社や業界の情報提供会社説明、見学、実施時間、質問できる内容
タイプ2
キャリア教育
働くことへの理解を深める教育学ぶテーマ、実施主体、参加後に得られる理解
タイプ3
汎用的能力・専門活用型インターンシップ
就業体験を通じた能力の見極め実際に体験する仕事、期間、指導、終了後の助言、学生情報の扱い
タイプ4
高度専門型インターンシップ
高度な専門性を生かす実践対象、専門分野、実施条件、大学等との連携

現在の枠組みで「インターンシップ」と称するのはタイプ3・4です。タイプ3には、就業体験、社員による指導と終了後の助言、実施期間、実施時期、情報開示などの要件があります。汎用的能力活用型は5日間以上、専門活用型は2週間以上が期間の目安です。一定の基準を満たすタイプ3で取得した学生情報を採用活動へ使う場合にも、利用できる時期と表示事項があります。

自社判断だけで名称や基準準拠マークを付けず、文部科学省のキャリア実習・インターンシップ情報と厚生労働省の大学等卒業予定者の就職・採用活動時期を確認してください。大学経由で募集する場合は、大学の担当窓口とも企画と表記をそろえます。

募集ページを作る前に決める6項目

  1. 実施する目的:会社を知ってもらうのか、仕事を体験してもらうのか、専門性を確かめるのかを一つの文で説明できるようにします。
  2. 体験する仕事:見学だけか、社員と一緒に実務の一部を体験するか、完成物や発表があるかを決めます。
  3. 教える人と時間:担当社員、代わりの担当者、初日の説明、毎日の確認、終了後の助言に使える時間を確保します。
  4. 対象と受入人数:学年や専攻だけで狭めず、その仕事を体験するために本当に必要な条件と、安全に教えられる人数を決めます。
  5. 日程・場所・費用:実施日、1日の時間、対面・オンライン、交通費、宿泊、報酬、保険の扱いを社内で確認します。
  6. 採用選考との関係:参加が選考へ影響するか、学生情報を何のために取得していつまで保管するかを決めます。

この6項目が決まっていないと、文章や応募フォームを作っても後から直す部分が増えます。特に現場社員の時間を確保できない場合は、募集開始を急がず、受入人数や実施内容を小さくしてください。

ページに載せる情報を一つの表で確認する

学生が参加を決めるために必要な情報と、応募後に会社が説明する内容を一致させます。良い面だけでなく、難しい作業、守るべき決まり、参加できない条件も先に示すほうが、行き違いを減らせます。

掲載項目具体的に書く内容
企画名と種類オープン・カンパニー、キャリア教育、タイプ3など、自社で確認した区分
目的と体験内容何を知り、どの仕事を、誰と、どこまで体験するか
対象・必要条件対象学年、専攻、必要な知識、持ち物。不要な制限は設けない
日程・場所日数、各日の時間、所在地、集合方法、オンライン時の参加環境
報酬・費用・保険報酬、交通費、食事、宿泊、保険の有無と負担者
募集人数と締切受入可能人数、応募締切、定員到達時の扱い
応募・連絡必要書類、応募方法、連絡予定日、面談の有無、問い合わせ先
学生情報の扱い取得目的、採用活動での利用有無、保管期間、削除や問い合わせの窓口

募集要項を画像だけで掲載すると、スマートフォンで拡大が必要になり、検索や読み上げもしにくくなります。主要な条件はHTMLの文章や表でも掲載し、PDFを使う場合は補助資料として併記します。

学生が不安になりやすい点へ先に答える

「成長できます」「若手が活躍しています」だけでは、参加後の姿を想像できません。次の質問へ、会社で確認した事実を使って答えます。

  • 初日は誰が、何を説明するのか
  • 一人で行う作業と、社員と一緒に行う作業は何か
  • 分からないとき、誰にどの方法で質問できるか
  • 学校の授業や試験と日程が重なったとき、変更できるか
  • 服装、昼食、交通、持ち物、パソコンはどうするか
  • 終了時に、どのような助言や振り返りを受けられるか

実際の担当社員、作業場所、1日の流れを写真や文章で見せる場合は、本人の同意を得た素材を使います。過去の参加者の声は、実在する発言を本人確認のうえで掲載し、会社が都合よく作った感想を事例として見せないでください。

受入体制と安全はページの外でも整える

募集ページが分かりやすくても、受入現場の準備がなければ安全な企画にはなりません。担当者向けの手順書を作り、次を実施前に確認します。

  • 機密情報、個人情報、撮影、成果物の扱い
  • 機械、車両、工具、アカウントを使うときの安全説明
  • 事故、体調不良、災害時の連絡先と対応
  • 学生が相談できる、直接の指導担当者とは別の窓口
  • 終了後の助言内容と、社内で残す記録

見学や体験にとどまらず、学生が従業員と同じように責任者の指示を受けて実際の業務を行う場合は、労働基準法上の労働者に当たることがあります。名称や「無給」という表示だけで決まるものではありません。報酬、労働時間、最低賃金などの扱いは、厚生労働省の専門性の高い学生を対象とした採用日程の設定関係Q&Aを確認し、判断に迷う場合は労働局・労働基準監督署や専門家へ相談してください。

就職活動中やインターン中の学生に対するハラスメントも防止します。会社の方針、担当社員への周知、相談窓口、相談後の対応を用意し、夜間や個室で一対一になる連絡・面談を避けます。厚生労働省の就活ハラスメント防止対策企業事例集も受入担当者と共有します。

1ページで足りる場合と、採用サイト全体を作る場合

実施する企画が一つで、会社情報や職場紹介が既存のホームページにそろっているなら、まずは一つの募集ページで始められます。反対に、複数職種を毎年募集し、社員紹介、仕事紹介、選考案内、よくある質問を継続して更新するなら、採用サイト全体で整理したほうが学生も担当者も迷いにくくなります。

採用費用との関係を先に整理する場合は、採用サイトで費用を見直す方法も確認してください。選考の一部をオンラインで行う会社は、オンライン面談の準備と案内へ具体的につなげます。職種別ページの考え方は、ドライバー採用ページの作り方も参考になります。

公開前と公開後に確認すること

公開前は、人事だけでなく実際に学生を受け入れる社員にも本文を読んでもらいます。口頭説明とページの条件が一致しているか、応募フォームが届くか、スマートフォンで表が読めるか、締切後の表示をどう変えるかまで確認します。

  • 毎週:応募への返信漏れ、締切、定員、問い合わせを確認
  • 実施前:日程、担当者、場所、持ち物、緊急連絡先を参加者へ再案内
  • 実施後:参加者と担当者の振り返りを分けて記録し、説明不足を直す
  • 募集終了時:終了を明記して応募を止め、次回予定が未定なら推測で日付を書かない

閲覧数や応募数だけで良し悪しを決めず、対象条件に合う応募、参加辞退、当日の欠席、参加後の評価、担当社員が使った時間を同じ募集期間で記録します。Search Consoleやアクセス解析の数字がないときは、成果を推測せず「不明」として次回の計測方法を決めます。

Bämが採用ページづくりでお手伝いできること

Bämの求人・採用サイト制作は120万円からで、標準の制作期間は約3〜4か月です。インターンの企画を代わりに決めたり、採用成果を保証したりするものではありません。会社で決めた実施内容を伺い、学生が判断できる文章、写真、募集要項、応募までの流れとして整えます。

まだ企画が固まっていない場合は、制作を急がず、決める項目と社内の担当を一緒に整理します。単独ページで始めるか、採用サイト全体が必要かも、現在の募集回数と既存ページを見ながら検討できます。

まとめ

インターン採用ページで最初に伝えるのは、会社の抽象的な魅力ではなく、企画の種類、体験する仕事、担当者、日程、場所、報酬・費用、応募方法、学生情報の扱いです。学生が参加前に判断でき、受入社員も同じ説明ができる状態を作ります。

ほかの採用記事を目的から選ぶ方は、採用サイト活用の案内ページをご覧ください。募集ページを作る前の整理から相談したい場合は、決まっていないことをそのままお聞かせください。

確認した公式資料

以下の公式資料は2026年8月30日に確認しました。卒業年度ごとの採用日程や制度の扱いは変わる可能性があるため、実際に募集を公開する時点でも確認してください。