税理士、社会保険労務士など、複数の資格者が関わる事務所では、資格名を並べるだけでは「自分の相談を誰が担当するのか」が伝わらないことがあります。詳しいプロフィールがあっても、業務案内とのつながりが分からなければ、相談者は両方のページを見比べなければなりません。

相談できる仕事を入口にし、その仕事を担当する人と所属先を近くに示すと、依頼先を確かめやすくなります。その際、事務所に所属する担当者、同じグループの別法人、外部の連携先を区別します。ここでは資格ごとの法的な業務範囲ではなく、確認済みの体制をホームページで伝える方法を考えます。

資格の数より、相談と担当のつながりを見せる

最初に、現在受けている相談を、普段の説明に近い言葉で書き出します。「会社の日々の経理を相談したい」「従業員を雇うときの準備を相談したい」など、相談者が状況を思い浮かべられる入口です。実際に対応する業務名は、その説明に添えます。

一つの相談に複数の専門分野が関わる場合も、初めから相談者に資格を選ばせる必要はありません。内容を伺って担当を案内する体制なら、その進め方を書きます。一方、個別の担当者が直接受け付ける仕事なら、業務ページからその人の紹介と連絡方法へ進めるようにします。

制作の打合せでは、業務ごとに「相談の内容」「実際に担当する人・法人」「最初の受付先」を対応させると、抜けが見つかります。資格を持っていても現在は受けていない業務や、担当者が決まっていない仕事まで、取扱業務として広げないことが大切です。

同じ事務所、グループ、外部連携を分けて説明する

同じ住所にいる人や同じブランドで活動する法人でも、所属や依頼先が同じとは限りません。ホームページでも、まとめて「当事務所の専門家」と書く前に、実際の関係を確かめます。

掲載の参考になる例として、アクタスグループの法人概要は、法人ごとに主なサービスを示し、ネットワークを別の項目で説明しています。自社でも、法人の名称と担当する仕事の関係を見せる考え方を使えます。規模や組織構成まで同じにする必要はありません。

所属する人の紹介なら、氏名・資格・所属先と担当業務を揃えます。グループ内の別法人なら、共通のブランド名だけでなく、その法人の正式名称を載せます。外部の事務所と連携する場合は、外部連携であることを明記し、どの段階で紹介するのかを説明します。相手の名称や写真を掲載できるかも確認します。

担当の説明を、所属する担当者、グループの別法人、外部連携先の三つに分ける図
同じ見た目の紹介カードでも、所属と関係が読み取れるようにします。

一つの相談ページで、受付と依頼先の関係を伝える

例えば、事業を始める人の相談を共通窓口で受け、内容に応じてグループ内の担当法人や外部の事務所へつなぐ体制を考えます。これは説明用の架空例です。ページに「開業をまとめて支援」とだけ書くと、一つの契約や料金ですべて任せられるのかが分かりません。

実際の体制に合うなら、「最初にご相談の内容を伺い、担当する法人をご案内します。外部の事務所をご紹介する場合は、その進め方もご説明します」のように、受付後に起きることを示します。そのうえで、見積りや契約を誰から案内するか、別の費用が生じる仕事があるかを、確認できる範囲で添えます。

共通窓口を設けていることと、すべての仕事を一つの事務所で引き受けることは、分けて説明できます。「ワンストップ」という言葉を使う場合も、何を一か所で受け付け、どこから担当が分かれるのかを具体的にします。連携先への依頼が必ず成立するかのような書き方も避けます。

業務ページとプロフィールを行き来できるようにする

業務ページには担当者または担当法人への案内を置き、プロフィールには現在担当している業務へのリンクを置きます。氏名を知って訪れた人も、相談したい仕事から調べる人も、同じ関係を確かめられる構成です。

チームで担当する場合は、担当者を一人に決め打ちする必要はありません。担当するチームや法人を示し、初回の相談で担当者を決めるなら、その旨を伝えます。顔写真が出せない人について、架空の人物や実績で埋めることもありません。掲載できる所属・資格・業務の情報から整理します。

業務ページでは相談と担当を、プロフィールでは所属と担当業務を、相談案内では受付後の進み方を示す図
ページごとに説明を足しても、担当の関係は一致させます。

公開前は、実際に仕事を受ける担当者が確認する

原稿ができたら、各業務の担当者に、対応する内容、所属の表記、外部連携の説明を確認してもらいます。資格名だけを手がかりに制作側が業務範囲を判断せず、専門的な表現や適用される広告のルールも、事務所側で確かめます。

担当者の異動や連携体制の変更があったときは、プロフィールだけでなく、業務ページと相談案内も見直します。最初に作った業務と担当の対応表を残しておくと、変更が及ぶページを探しやすくなります。

Bämの士業・専門サービスのホームページ制作では、業務の説明、担当者の紹介、相談の案内を原稿から整理します。現在の業務一覧と所属・連携の関係をお伝えいただければ、相談者が依頼先を確かめられるページ構成を一緒に考えられます。

参考資料