宿泊施設のホームページに写真を載せるとき、部屋の全景ばかりでは、そこで過ごす時間が伝わりにくくなります。一方、お茶や窓辺の寄り写真ばかりでは、寝具の配置や設備が分からず、部屋を選ぶ材料が足りません。

写真は、設備や広がりを確かめるものと、滞在中の行動を想像できるものを組み合わせると、宿の特徴を伝えやすくなります。枚数を増やすより、一枚ごとに何を伝えるかを決め、客室やプランの説明と対応させることが大切です。

部屋を選ぶ写真と、過ごし方を伝える写真を分ける

客室の全景では、寝具、テーブル、窓や入口の位置関係を見せます。水回りなど全景に入らない設備は、別の写真で補います。広く見せることだけを優先せず、実際に荷物を置いたり移動したりする場所が想像できる角度を選びます。

過ごし方の写真では、窓辺で本を読む、館内の休憩場所で一息つく、朝の食事を待つといった場面を見せます。人を入れなくても、椅子と本、飲み物を置けるテーブルなど、そこでできることが伝わる写真は作れます。ただし、撮影用に置いた物を宿の備品やサービスのように見せない配慮が必要です。

実際の掲載構成を見ると、MUJI HOTEL GINZAの客室ページは、タイプ別の室内写真に面積、ベッドタイプ、定員、客室イラストの案内を組み合わせています。写真だけで判断させず、選ぶための情報を近くに置く参考になります。

一つの滞在を想定して、必要な場面を選ぶ

ここでは、庭に面した客室と共用ラウンジがある小さな宿の架空例を考えます。静かに休む時間を伝えたいなら、到着して荷物を置く、部屋で休む、ラウンジで過ごす、朝食を取るという流れから写真を選べます。

最初に客室全景で泊まる場所を示し、その部屋の窓辺の写真で休む時間を伝えます。次に共用ラウンジを見せるなら、「客室とは別の共用スペース」と分かる見出しや説明を添えます。写真の雰囲気が似ているだけでは、どこまでが予約する部屋に含まれるかが伝わりません。

すべての行動を撮影する必要はありません。普段お客様が楽しんでいることや、予約前によく聞かれることから、施設らしさを伝える場面を選びます。夕食を提供しない宿なら、豪華な料理写真を加えるより、近隣で食事を取って戻った後の過ごし方が合うこともあります。

到着時の客室全景、滞在中の窓辺や共用ラウンジ、翌朝の食事という写真配置の例
一日のすべてを並べるのではなく、その宿で伝えたい時間を選びます。

印象的な一枚を、別の部屋やプランに流用しない

庭が見える窓の写真を全客室の共通画像として使うと、庭に面していない部屋でも同じ眺めがあるように受け取られる場合があります。眺望や間取りが異なるなら、写真に対応する客室タイプを確かめ、対象が分かる場所へ配置します。

食事の写真にも同じ考え方が必要です。朝食付きの案内なら、そのプランで提供する内容を確認します。別料金の料理や季節限定の品が写る場合は、写真の近くで条件を伝えます。全体の注意書きに「写真は一例」と書くだけで、何が含まれるかまで分かるとは限りません。

また、貸切で使える設備と共用設備を混ぜないようにします。写真の説明は長文でなくても、どの場所で、誰が使い、プランとの関係は何かが分かれば、読み手が自分の宿泊に当てはめやすくなります。

窓辺写真には客室タイプ、ラウンジ写真には共用であること、食事写真には対象プランを対応させる図
写真の魅力と、利用できる条件を同じ場所で確認できるようにします。

手元の写真を、伝わることと足りないことで見直す

撮り直しを頼む前に、今ある写真を「部屋の配置が分かる」「水回りが分かる」「過ごし方が伝わる」といった役割で並べてみます。似た角度の全景が何枚もある一方で、休める場所や部屋ごとの違いが写っていないことに気づくかもしれません。

不足する場面が分かったら、客室名、伝えたいこと、写真に入れたい場所を撮影担当者へ伝えます。例えば「庭側の客室で、窓辺の椅子とベッドの位置関係を見せる」とすれば、単に雰囲気よく撮るという依頼より、使う場所を共有しやすくなります。

写真は現状とも照合します。家具の入替え、改装、食事内容の変更があれば、古い写真が説明と食い違うことがあります。季節写真を使う場合も、その時期の案内なのか、通年の客室紹介なのかを分けます。

スマートフォンで、写真と説明を続けて読む

パソコンでは見えていた椅子や窓が、スマートフォンの切り抜きで消えることがあります。公開前には小さい画面でも開き、写真で伝えたかった対象が残っているか、説明が対応する写真の近くにあるかを確かめます。

最初の一枚だけでなく、客室を選ぶところまで続けて読んでみてください。同じ室内写真の繰り返しになっていないか、共用部分を専用と誤解しないか、選んだ部屋と予約先の客室名がつながるかを見ると、写真の役割を確かめられます。

Bämの宿泊・観光向けホームページ制作では、施設の写真と普段の接客で伝えている内容をもとに、過ごし方と利用条件を整理します。手元の写真で伝えられることを確認し、不足する場面と説明を揃えながら、部屋を選びやすい構成へつなげます。

参考資料