士業事務所のプロフィールには、資格や所属、主な経歴が欠かせません。そのうえで、初めて相談する方は「自分の話をどう聞いてもらえるか」「難しい内容をどう説明してもらえるか」も知りたいと考えています。

資格などの確認できる事実と、相談で大切にしている進め方を分けて紹介すると、経歴を確かめながら、担当者とのやり取りも想像できます。沿革を長く並べたり、親しみやすさだけを強調したりする前に、プロフィールで答えたい疑問を整理しましょう。

資格・所属・経歴は、現在の情報を短く確かめられる形にする

氏名と資格、現在の所属、主な経歴は、長い挨拶文の中に埋めず、見つけやすい位置へまとめます。肩書きや所属団体名は、事務所側で正式な表記を確認します。登録番号など、掲載する情報や必要な表示についても、資格ごとの決まりに照らして確かめます。

経歴は、読み手が担当者の歩みを理解できる順に並べます。現在の役職と過去に務めた役職は区別し、すでに退いた役職が現在の肩書きに見えないようにします。資格を取得した時点と、事務所を開いた時点が異なる場合も、それぞれの出来事として書きます。

すべての活動を同じ詳しさで載せる必要はありません。プロフィールの冒頭には相談に関係する主な経歴を置き、講演や執筆の一覧が長くなるなら、別の案内へつなぐ方法があります。経歴を減らすためではなく、初めて読む方が今の仕事と関係する情報を見つけるための整理です。

「大切にしていること」を、相談中の行動で説明する

「親身に対応します」「分かりやすく説明します」は、事務所の姿勢を表す言葉です。そこへ、普段どのように聞き、どのように説明しているかを添えると、その担当者らしさが伝わります。

取材では、「初めて相談する方が話しづらそうなとき、どう進めていますか」「説明の途中で理解を確かめるために、何をしていますか」と聞いてみます。立派な理念を作るより、いつもの相談で意識している行動を話してもらう方が、具体的な原稿になります。

例えば、実際に行っていることを確認できた場合は、次のように書けます。

最初に、いま困っていることと、今回の相談で確かめたいことを伺います。専門的な言葉を使うときは、その意味を説明しながら、次に確認することを一緒に整理していきます。

これは文章の組み立て方を示す例です。どの事務所にも同じ進め方を勧めるものではありません。担当者が実際にしていることを聞き、本人が「普段の対応と合っている」と確かめた言葉へ直します。

具体的に書くときも、いつでもその場で答えられる、必ず希望どおりに解決できるといった約束には広げません。相談の進め方を伝える文章と、結果を見込ませる文章は分けて考えます。

資格所属経歴の事実、実際の相談の進め方、相談できる業務の案内というプロフィールの構成図
事実を確認する情報と、相談の場面を想像する情報を分けて置きます。

経験は、今の仕事とのつながりが分かる範囲で紹介する

経歴の一項目から、現在の仕事に関係する説明を少し補うと、年表だけでは伝わらない背景を紹介できます。以前の勤務先でどのような仕事を担当したか、独立後にどのような相談に取り組んできたかを、公開できる範囲で確認します。

その際、事務所全体の実績を本人だけの経験として書いたり、相談を受けた件数を解決した件数に置き換えたりしないようにします。数を載せるなら、何を数えたものか、対象期間、確認できる記録をそろえます。記録がなければ、印象で数字を補う必要はありません。

依頼者の事情を出せない場合は、無理に事例を作らず、本人の経歴と確認できる担当業務を中心にします。東京弁護士会の広告に関する案内でも、架空の事例や実態に合わない表示が問題として挙げられています。資格によって適用される規程は異なるため、掲載する実績や表現は、その事務所の資格者が確認します。

「地域で一番」「必ず成功」といった強い言葉で経歴を飾るより、どのような立場で何に取り組んだかが分かる説明の方が、相談先を検討する材料になります。業務の専門性や優位性を示す表現も、制作担当者の判断だけで加えません。

人柄の紹介は、相談との接点が見える量にする

出身地や趣味などの紹介は、担当者を身近に感じてもらうきっかけになります。ただ、資格や業務の説明を探している方が、長い私生活の紹介を先に読む構成にならないようにします。本人が公開したい情報を選び、主な仕事の紹介のあとに短く添える形でも十分です。

写真は、現在の本人が分かるものを使います。事務所の相談風景を載せる場合は、写る方や資料の扱いを確認し、演出した撮影であれば実際の依頼者の相談実績に見える説明を付けません。写真で伝える雰囲気と、文章で説明する対応が合っているかを一緒に見ます。

本人の写真を大きく載せても、誰のプロフィールなのか、現在何を担当しているのかが分からなければ、相談先を判断しにくくなります。氏名・資格・現在の仕事が同じまとまりで読める配置を優先します。

プロフィールの次に、相談できる仕事へ進めるようにする

ページの構成は、氏名と主な資格、現在の仕事、相談への姿勢、経歴という順を一案にできます。紹介したい内容に応じて順番を調整し、最後に関連する業務案内や初回相談の流れへつなぎます。プロフィールに料金や全業務の説明まで詰め込む必要はありません。

例えば、本人の紹介で企業からの相談に触れるなら、対応する業務のページへ案内します。人柄を知った方が、次に自分の相談内容を受けてもらえるか確かめられる流れです。誰が担当するかは実際の体制に合わせ、代表者の紹介だけで全件を代表が対応するように見せないことも大切です。

Bämの士業・専門サービスのホームページ制作では、業務資料と普段のお話からプロフィールをまとめます。資格や所属、専門的な意味は事務所側で確かめていただき、相談者が知りたい順序と読みやすい文章へ整えます。

参考資料