サービスの説明が長くなると、「図にすれば分かりやすくなるのでは」と考えることがあります。ただ、段落をそのまま四角い枠に入れても、読む文字が画像に移るだけで、内容を追う負担はあまり変わりません。
図にする候補は、登場する人や仕事の関係、依頼してから完了するまでの順番など、文章を読みながら頭の中で組み立てている部分です。全体の関係を図で示し、対象や費用、例外などの詳しい条件を本文で補うと、サービスの仕組みをつかみやすくなります。
文章の中で、読み返される関係を探す
最初に、営業で説明し直すことが多い箇所を確かめます。「それはどちらが用意しますか」「確認するのは作業前ですか」「完成すると何が届きますか」といった質問が出るなら、人の役割、順番、受け渡す物が文章の中で見えにくい可能性があります。
図を作る前に、その箇所へ印を付けます。担当する人には丸、作業には下線、受け渡す物には別の印を付けるだけでも、関係を整理できます。専門用語の意味が分からないことが原因なら、先に言葉を説明します。図に置き換えるだけで用語の意味まで伝わるとは限りません。
例えば、書類を電子化する架空のサービスを考えます。「お客様から原稿をお預かりし、読み取り後に確認用データをお送りして、ご確認後に納品します」という説明では、順番は書かれていますが、誰がどこで確認するかを目で追い直すことがあります。ここは工程図の候補です。
一つの図で答える質問を決める
同じサービスでも、「どう進むか」と「どこまで任せられるか」は違う質問です。前者なら工程を順に並べ、後者なら依頼者と提供会社の担当を分けます。料金体系や他社との違いまで同時に入れようとすると、線と文字が増え、図を見る目的がぼやけます。
書類電子化の例では、まず「書類を渡してから、データを受け取るまでに何をするか」を示す図にします。依頼条件の確認と見積りを終え、正式に依頼した後の工程を扱う想定です。見出しにも「正式依頼後の流れ」と書けば、相談しただけで書類を送るようには読まれにくくなります。
この例で図に残すのは、依頼者が書類を渡す、提供会社が読み取る、依頼者が確認用データを見る、提供会社が合意した形式で納品する、という関係です。矢印は順番を示すものとして使います。お金の流れや書類の運送経路を、同じ矢印へ重ねないようにします。

図へ移すのは関係で、条件まで削らない
図の中は「書類を渡す」「読取り」「確認」「納品」のような短い言葉にします。原文の長い説明をすべて箱の中へ入れるより、順番と担当が分かることを優先します。
一方で、どんな書類を扱うか、受け渡し方法、納品形式、確認後に修正を依頼できる範囲などは、図の近くの本文で説明します。図に書かなかった条件が、サービスからなくなるわけではありません。料金や納期が条件次第で変わるなら、その点を図の下から読めるようにします。
架空例の確認工程なら、「確認用データで、事前に合意した項目を確かめていただきます。修正や追加作業の扱いは、ご依頼時にご案内します」といった文章が候補です。「確認」の一語から、何度でも無償で作り直すと受け取られないよう、実際の対応内容を添えます。
原稿の返却や処分まで扱うサービスなら、その工程も実態に合わせて説明します。この図にないから省いてよいと決めず、データ納品で何が完了し、その後に何が残るかを確認します。例外が多い場合は、標準の流れと、別途相談する内容を分ける方が見通しを保てます。

文章を読まなくても、図の結論を取り違えないかを見る
図を作ったら、見出しと図だけを先に見て、何を伝えるものか確かめます。依頼前の相談と契約後の工程が混ざっていないか、提供会社の作業を依頼者が行うように見えないか、確認から納品へ進む条件が抜けていないかを見ます。
特に矢印は、作業の順番、情報の受け渡し、関係のつながりなど、読み方が変わります。線の意味を一つにそろえ、必要なら短い言葉で補います。双方向の矢印を増やして柔軟な対応を表すより、どの場面で誰と相談するかを説明した方が伝わる場合もあります。
色だけで担当を分けず、「依頼者」「提供会社」の文字も入れます。社内では分かる略称やアイコンも、初めて見る方が読めるかを確かめます。図の見た目が整っていることと、サービスの範囲が正しく伝わることは、別々に確認します。
スマートフォンと、図を見ない読み方でも確認する
パソコンで読めた図でも、スマートフォンでは文字が小さくなることがあります。横に並べる工程が多いなら、縦に並べる、まとまりを分ける、図の言葉を短くするなど、関係が追える形を考えます。小さな注記を足し続けて、必要な条件を図だけに閉じ込めないことが大切です。
図を画像として掲載する場合は、何を示す図かが分かる代替テキストを用意し、重要な関係を近くの本文でも説明します。W3C WAIの複雑な画像の解説でも、短い説明だけでは足りない図に、必要な情報を伝える文章を用意する方法が示されています。
書類電子化の例なら、本文に残した「依頼者が書類を渡し、提供会社が読み取り、依頼者の確認後に納品する」という説明が、図の内容を追う助けになります。画像が見えない状態でも、確認する人と順番が分かるかを読み直します。
仕上げは、実際のサービス担当者に、図と本文を一緒に見てもらいます。担当や作業内容が変わったときにも、図だけ古いままにならないよう、該当する文章と組にして直します。図の枚数を増やすより、一つの疑問に正しく答える図から使うことが大切です。
Bämのサービス紹介サイト制作では、お話と資料から伝える順番を整理し、原稿と図、画面を作ります。普段説明し直している内容を伺い、図にした方が伝わる関係と、本文で確かめたい条件を分けて構成します。