試作の紹介ページを見直すとき、加工できる素材や設備を増やして載せるだけでは、相談の始め方が伝わらないことがあります。使い方や形を一緒に考えてほしい方と、決めた図面で試作品を作りたい方では、最初に伝えたい内容が違うためです。
門真市が紹介する「ものづくりタウンかどま」は、市内企業の事業内容や技術を探すためのポータルサイトです。市の案内には、業種別や加工別などの検索が紹介されています。こうした企業情報から自社サイトへ来た方に、次は何を伝えれば相談できるのかを示すことが、リニューアルの大切な役割になります。
この記事では、企画段階と仕様を決めた後の試作相談を分け、手元の資料、次に確認すること、受付画面を一枚の構成案にまとめます。図面の有無だけで分けず、相談の目的と、まだ決めていない点が担当者へ伝わる案内を考えます。
資料の名前より、今回相談したいことから選べるようにする
試作ページの入口は、「使い方や形から相談したい」「決めた条件で試作を相談したい」の二つを基本にします。その近くに「どちらか迷っている方も、分かる範囲でお知らせください」と添えれば、ご自身で開発段階を正確に分類できなくても相談を始められます。
「CADデータあり」を選んだ方が、すでに製作条件を決めているとは限りません。形を検討する途中のデータもあります。反対に、製作図面をまだ手元へ取り寄せていなくても、依頼したい条件が社内で決まっている場合があります。資料の有無と、今回進めたい仕事を別々に伺う方が、相談の内容を捉えやすくなります。
ここからは、門真市の架空の試作会社K02を例にします。K02では、形状検討の相談と、図面・仕様に基づく試作の相談を受けています。P02は小型機器の外装について持ちやすさを検討する相談、Q02は条件を決めた外装を三個試作する相談です。番号、資料、寸法、数量は説明用に設定しています。

P02とQ02を比べる目的は、どちらが準備できているかを評価することではありません。担当者が次に伺う内容を合わせるためです。企画段階の相談を受ける体制があるか、図面の確認やモデルの提案を誰が行うかは、自社の現状から掲載範囲を決めます。
企画段階では、試してみたい使い方を受け取る
P02のお客様は、手に持って操作する小型機器の外装を検討しています。手元には初期の3DデータA02と、その形を書き出したPDFがあります。ただし、ボタンの位置、外形、材料は未決定で、今回確かめたいのは持ちやすさと指の届き方です。まず形を確かめるモデル一個について相談したいとします。
A02に寸法が表示されていても、その値を製作条件として確定した扱いにはしません。受付では「現在の形は検討用」「ボタン位置と外形は変更したい可能性がある」と残します。データを持っているために、相談したかった形の検討を飛ばして、加工費の回答だけが届くことを避けるためです。
ページに載せる記入例は、「手に持ったときの収まりと、ボタンへ指が届くかを確認したいです。初期データはありますが、外形とボタン位置は検討中です」という分量で十分です。使用する環境や持ち方の写真があれば参考になりますが、資料がない方にも、使う場面を文章で伝えられる欄を用意します。
次にK02の担当者が確認するのは、何を使ってどの動作を試すか、形を整理する作業が必要か、用意するモデルで何を確かめられるかです。モデル一個を希望したことだけで、設計作業や製作への着手が決まった案内にはしません。作業内容、費用、進め方を相談してから依頼できる流れを示します。
この段階の入口で、最終材料や加工公差を必須にすると、相談したいことが決まっていても送信できなくなります。まずは今回確かめたいこと、未決定の点、手元の資料、連絡先を受け取り、技術的な詳細は担当者との会話で補います。
条件を決めた相談では、使用する資料と希望を対応させる
Q02では、お客様が外装の図面D02・改訂Cと仕様表T02を用意しています。外形100×60×25mm、材料ABS、数量三個を今回の希望として指定し、社内での組付け確認に使う予定です。K02は、図面と仕様表の内容、必要な仕上がりや確認項目、希望時期を照合してから、対応と見積もりを回答します。
この入口は「すぐ製作する」ボタンではなく、「決めた条件で試作を相談する」という案内にします。お客様側で仕様を決めたことと、K02が資料を確認して引き受けることは別の段階だからです。見積もり前に、図面の版や仕様表に食い違いがないかも確認します。
受付例には、図面番号と改訂、仕様表、今回の数量、試作品を使う目的、希望時期を記載します。三個という数字が今回の必要数だと分かるよう、継続的な発注予定とは分けます。資料が手元にない場合は、その状況を伝え、担当者から受け渡し方法を案内できるようにします。
希望時期も、「社内で試作品を評価する日」と「見積もり回答を希望する日」では意味が違います。すべての相談に複数の日付を必須入力させるより、日付の目的を短く補足できる欄を用意すると、担当者が次の確認を進めやすくなります。
必要な資料がそろっていないことを理由に、入力を最初からやり直していただく必要はありません。「どこが未確認か」「いつ資料を用意できそうか」を残せれば、担当者が企画段階の相談へ案内するか、資料を待って条件確認へ進むかを判断できます。

試作相談の構成案で、二つの案内を一枚にまとめる
K02では、次の四項目をリニューアルの打ち合わせに使います。P02とQ02の説明を並べると、文章だけで伝える部分と、受付画面の項目を変える部分を確かめられます。
| 項目 | K02の試作相談の構成案 |
|---|---|
| 相談段階 | P02:使い方・形から相談。持ちやすさと指の届き方を検討。Q02:決めた条件で三個の試作を相談。社内の組付け確認に使用。 |
| 手元の資料 | P02:初期3DデータA02とPDF。外形・ボタン位置・材料は未決定。Q02:図面D02改訂Cと仕様表T02。今回の指定は100×60×25mm、ABS、三個。 |
| 次の確認 | P02:試す動作とモデルで確認する範囲、形状整理の作業を相談。Q02:使用資料の一致、仕上がり・確認項目・希望時期を照合して可否と見積もりを回答。 |
| 受付画面 | 共通は相談目的・連絡先・資料の状況。P02には試したいことと未決定の点、Q02には使用資料と今回の希望条件。迷う場合も未定を残して相談できる。 |
構成案は、試作紹介ページと問い合わせ画面を並べて確認します。K02の旧サイトでは、紹介ページに「構想から相談」とありながら、問い合わせでは図面と最終材料が必須だったとします。入口の文章を変えるだけでは、この食い違いは解消できません。
まず試作紹介ページの冒頭へ二つの目的を置き、それぞれの相談例と、担当者が次に確認することへ進めます。下部には共通の相談窓口を用意し、選んだ目的を入力画面へ引き継ぎます。二つの別サイトや、多数の技術別フォームを新設する前に、一つの案内と共通の受付で分けられるかを検討します。
加工や設備の既存ページからも、この案内へ進めるようにします。P02のような企画相談を探す方が設備名を選ばなくてもよく、Q02のように加工条件を調べた方も、見ていた内容を添えて相談できる構成です。旧ページのリンクやボタンが、改修前の必須項目の多い画面へ戻らないかも確認します。
入力中に相談の段階が変わっても、内容を見失わない画面にする
目的の選択に合わせて項目を出し分ける場合は、選択後の変更も考えます。Q02の内容を入力している途中で「ボタン位置も検討したい」と気付いた方が、「使い方や形から相談したい」へ切り替える場面です。
入力済みの外形や材料を黙って消すと、書き直しの負担が増えます。一方、画面から隠した値が、そのまま確定条件として担当者へ届いても困ります。既に入力した値を検討の参考として残すのか、修正するのかを確認でき、今回の未決定部分と一緒に読めるようにします。

確認画面では、「相談したいこと:形から検討」「参考資料:D02改訂C」「検討したい点:ボタン位置」のように、最終的に伝える内容をまとめます。元の図面は参考資料として示し、仕様が確定した案件という古い表示を残さないようにします。
担当者への通知と、お客様が受け取る控えにも同じ区別が必要です。自動返信は受信した内容と次の連絡を案内し、資料の確認や見積もりが終わったように書きません。目的を選び直したとき、通知の件名だけが以前の「仕様確定」にならないかも確かめます。
原稿・図解の制作と、受付の改修を分けて相談する
構成案ができたら、制作する文章と画像を決めます。二つの入口の説明、P02とQ02の短い記入例、次の案内が原稿の候補です。画像には、企画段階の検討資料と仕様を決めた資料の役割が伝わる図を用意し、長い入力条件は本文へ残します。
フォームの作業は、相談目的の選択、必要項目の出し分け、未定の扱い、選び直した場合の入力確認、確認画面、通知を一組で依頼します。「項目を一つ追加する」だけで完成とせず、P02が最終材料なしで送れ、Q02の希望条件も読めるという具体例を見積もりの前提にします。
図面を初回に添付する機能は、相談段階の選択とは別に検討します。K02では、最初は資料の有無や番号を受け取り、担当者の案内後に既存の方法で資料を共有する構成です。添付を加える場合は、利用できる形式や容量、担当者への届き方、保管と閲覧の範囲まで決めてから依頼します。
制作時には、実際の図面や取引情報をそのまま公開用の見本にせず、掲載できる説明例を用意します。営業担当は相談目的と返信、技術担当は企画相談の範囲と次の確認、掲載担当はページとリンクを確かめます。製作するモデルや設計作業の費用は、Webの案内ページを作る費用と分けて扱います。
資料がある場合も、ない場合も、一続きで確認する
公開前の確認では、P02のように初期データがあっても未決定の相談、Q02のように条件を指定する相談、まだ資料を用意していない相談を試します。二つの目的で必要な項目が適切に変わり、どちらか迷う方も相談内容を残せるかを見ます。
さらに、入力途中で目的を切り替える、確認画面から戻る、未定だった項目を記入し直す場合も確かめます。スマートフォンの画面だけでなく、担当者の通知とお客様の控えまで同じ内容かを確認すると、見た目だけでは分からない食い違いを見つけられます。
企画相談の受付範囲や資料の受け渡し方法が変わったときは、技術担当と営業で案内を更新し、掲載担当が入口、入力例、画面、返信をそろえます。構成案に変更する場所を残しておけば、本文を一か所直して終わることを避けやすくなります。
Bämのホームページ制作のご案内では、仕事の内容と資料から必要なページや原稿、画面を考える進め方を紹介しています。試作相談の案内を自社のサイトでどう整えるか迷われたら、門真市のホームページ制作・改善のご案内をご覧ください。現在のページと試作相談の構成案をもとに、説明を整える部分と、受付を改修する部分を相談できます。
参考資料
- 門真市:製造業ポータルサイト「ものづくりタウンかどま」(2024年12月17日更新)
- Bäm:コーポレートサイト制作
各資料は2026年9月8日に確認しています。