技術資料が多いホームページをリニューアルするとき、「古いPDFを整理して、新しい資料だけにまとめたい」と考えることがあります。ただ、以前の製品を使っているお客様には、その製品に合う資料が今も必要かもしれません。資料の更新日が新しいことと、ご利用中の製品に使えることは、別の確認です。

制作前には、ページ上で選べるようにする情報と、選んだ後に読むPDFの内容を分け、製品の版と資料の改訂番号を組にして移行計画へ残します。ファイルを何本移すかに加え、どなたが何を確かめて選ぶのかまで決めると、新しいサイトでも必要な資料へ進みやすくなります。

茨木市で研究支援や技術サービスのホームページを担当されている方へ、二つの製品版を案内する例から、掲載形式、旧リンクの扱い、制作会社へ依頼する確認範囲を整理します。

技術の説明と、利用中の製品に合う資料を分けて考える

茨木市の第4期産業振興アクションプランは、2025年度から2029年度を計画期間とし、彩都西部のライフサイエンス分野の研究・技術開発施設や関連企業の集積を紹介しています。専門的な仕事を伝えるホームページでは、研究分野の紹介と、実際に利用する資料の案内をそれぞれ整えておきたいところです。

初めて訪れた方は、会社がどんな支援をしているか、現在の製品は何かを知りたいでしょう。一方、導入済みのお客様は、使っている版の入力方法や項目表を探しているかもしれません。トップページを現在のサービスへ整理しても、既存のお客様が必要とする説明への入口は残します。

資料一覧を更新日順に並べるだけでは、どれを選ぶか判断できない場合があります。適用する製品名、製品の版、資料の用途を先に示し、その組に対する改訂番号と確認日を添えます。「技術資料はこちら」という一つのボタンから、似た名前のPDFを次々に開いて探す負担を減らすためです。

地域の研究施設を紹介する資料は、自社の技術や製品仕様の根拠とは分けて使います。ホームページへ載せる対応条件は、自社の技術担当が確認した原稿や製品資料から取り出します。実験の成果や性能評価を新たに付け足すのではなく、確認済みの情報を見つけやすくする制作として進めます。

製品の版と、資料の改訂番号を混ぜない

ここからは、研究記録の整理を支援する茨木市の会社M03と、同社が提供するツールT03の架空例です。T03には製品版1と製品版2があり、どちらにも利用中のお客様がいます。今回はツールの機能を変えず、ホームページの技術資料の案内を見直します。

製品版1の入力項目一覧は資料R3、製品版2の入力項目一覧は資料R1です。R3のほうが数字は大きくても、製品版2の資料より新しい製品を扱っているわけではありません。資料の改訂は、それぞれの製品版の中で管理しています。

例では、製品版1の入力列を「試料ID・記録日・記録値」の三つ、製品版2ではこれに「単位」を加えた四つとします。これは両者を選び分けるための説明用条件です。どちらの形式でも同じように取り込めるとは案内せず、利用中の製品版に対応する一覧を確認していただきます。

製品版1には資料R3、製品版2には資料R1が対応し、資料番号の大小で製品版を選ばない図

ホームページでは、資料名を「入力項目一覧 R3」と省略せず、「T03 製品版1の入力項目一覧・資料R3」とします。もう一方も「T03 製品版2の入力項目一覧・資料R1」と示します。製品版が不明な方には、画面のどこで版を確認できるかを案内し、分からない場合の相談先を添えます。

版の確認方法そのものも、M03の技術担当に確認します。制作担当が一般的なソフトウェアを想像して「設定画面に表示されます」と書くと、実際のT03にない操作を案内しかねません。確認用の画面を用意できるか、文だけで説明するかを制作前に決めます。

ページには選ぶための情報、PDFには参照する詳細を置く

新しい資料案内ページには、T03の用途、製品版の確認方法、二つの版に対応する資料、相談への入口を置きます。スマートフォンでも、PDFを開く前に自分が選ぶ資料を判断できる構成です。初めて検討する方には現在の製品紹介へ、利用中の方には該当する資料へ進んでいただけます。

PDFには、入力項目の順序、各項目の説明、記入例、確認済みの制約を残します。ページへ全文を移すことが目的ではありません。項目表を手元で見比べたり印刷したりする用途があるなら、その読み方に合う資料として用意します。

ページに載せる「三項目」「四項目」と、PDF内の項目数は一致させます。短く要約したときに「いろいろな記録に対応」と広げると、資料にない対応を期待させてしまいます。担当者が確認した条件だけを、読み始める前の判断に必要な長さへ整えます。

ページで利用中の製品版と資料を選び、対応するPDFで入力項目の詳細を読む流れ

ダウンロード欄には、対象の製品版、資料の改訂番号、内容、PDF形式と実際の容量をまとめます。容量は書き出した後のファイルで確認し、予定値をそのまま掲載しません。PDFの表紙にも対象と改訂番号を記し、資料だけを保存して後日開いても何の説明か分かるようにします。

問い合わせの際は「製品版1・資料R3について」のように伝えられる案内を添えます。製品版を選択できるフォームを作る場合も、資料の改訂番号とは別の項目にします。版が分からない方の自由記入を残せば、資料を選べずに相談を諦める状況を減らせます。

技術情報の移行計画を、一つの製品群で記入する

次はM03の記入済み例です。まず情報の用途と掲載形式を決め、版の管理者と移行後の確認まで記します。実際の打ち合わせでは、各資料の完全なURL、編集元の保管先、担当者名を同じ計画へ追記します。

計画の項目 T03の記入例
情報の用途 利用中の製品版を確かめ、それに対応する入力項目一覧を選ぶ。新規検討の製品紹介とは入口を分ける。
掲載形式 ページに用途・版の確認方法・資料選択を掲載。製品版1の資料R3と製品版2の資料R1は別のPDFで配布する。
版の管理者 技術担当が適用する製品版と項目表を確認。資料担当が改訂番号と編集元を管理し、更新担当がページと配布ファイルを照合する。
移行後確認 製品版1からは三項目のR3、製品版2からは四項目のR1が開く。旧メールのR3直リンクも、同じ製品版1の資料へ到達する。
旧URLの扱い 総合技術ページは新しいT03資料案内へ移す。版を固定して配布してきたR3のURLは維持し、製品版2のR1へ転送しない。
今回の制作範囲 資料案内ページの編集、二つのPDFの適用表示、リンク対応、公開前後の確認。ツールの機能改修や研究データの変換は別の仕事。

この例では、二つのPDFを現在も使うものとして技術担当が確認した前提です。実際の資料を残すかどうかは、日付だけで決めず、利用中のお客様、適用する製品、説明の有効性を確認します。確認できない資料は、担当と期限を決めて計画上で保留にします。

「R3を移す」という依頼だけでは、製品版1のR3なのか、別の製品のR3なのかが分かりません。制作会社へは、製品名・製品版・資料名・改訂番号の組を固定して渡します。移行計画の一行と実ファイルの表紙を照合できれば、ファイル名が似ていても取り違えを見つけやすくなります。

旧リンクは、その資料を使ってきた目的から引き継ぐ

M03では、旧技術ページの場所を/tech/t03.html、新しい資料案内を/support/t03/とする計画です。一方、製品版1の資料R3は、以前から版を固定した/docs/t03-v1-r3.pdfで配布しています。これらは同一サイト内の場所を示す記入例です。

旧技術ページはT03全体の案内なので、新しい資料案内ページへの転送を制作会社へ依頼します。R3のPDFは製品版1を使う方の参照先として同じURLを維持し、製品版2の資料は別に登録します。新しい製品があるからといって、R3の直リンクをR1へ置き換えない設計です。

Googleのサイト移行ガイドも、元のURLと新しいURLの対応を準備し、PDFなどのファイルも移行対象として扱うことを案内しています。M03の計画では、移すページと維持するPDFを分け、旧リンクを開いた方が期待する内容に合うかまで確認します。

保存場所を変える必要があるPDFも、同じ対象・同じ資料へ到達する新URLを決めます。技術ページのリンクだけでなく、過去のメールに残る直リンクや、PDF内の問い合わせ先も確認対象です。サイト内のリンクは、新しい掲載先を直接示すようにそろえます。

誤りが見つかった資料を、URLを守るためだけにそのまま公開し続ける必要はありません。訂正の内容と利用への影響を技術担当が判断し、訂正版や訂正案内への導き方を決めます。資料を残す判断と、古い内容を無条件に正しいと扱うことは分けて考えます。

制作中の追加改訂は、該当する製品版の組だけを見直す

制作中に、製品版1の資料R3で印刷時に見出しが欠けることが分かり、修正したR4を作る場合を考えます。入力三項目の仕様は変更せず、資料の表示を直す改訂です。技術担当は、製品版1への適用が変わらないことを確認します。

R4を採用したら、製品版1のダウンロード案内、表示する改訂番号、配布ファイル、確認記録をR4へそろえます。製品版2は資料R1のままです。「最新版へ更新」という一括指示で両方をR4にすると、製品版2の方へ異なる項目表を渡すことになります。

製品版1の資料をR3からR4へ改訂しても、製品版2の資料R1はそのままにする図

このR3は版を固定して配布した資料なので、R4を別のURLで用意し、資料案内ページに同じ製品版1の訂正内容を知らせる方針にします。保存済みのR3や過去のメールも使われるため、必要なご案内は営業担当が別に整理します。サイトの更新で、お客様の端末にあるファイルまで新しくなるわけではありません。

R3を公開のまま残せるかは訂正内容に応じて判断します。今回の表示修正と、入力仕様の誤りで利用結果に影響する訂正を同じ扱いにはしません。残す場合の表示、訂正先、個別案内の要否を決めたうえで、制作担当へ反映箇所を渡します。

移行後は、リンクの到達先と資料の適用を一緒に確認する

公開前の確認では、製品版1を利用する方と製品版2を利用する方の二通りで資料を選びます。初期計画なら、前者はR3の三項目、後者はR1の四項目が開くことが合格条件です。R4を採用した場合は、製品版1の期待結果だけをR4へ更新してから試します。

「PDFが開いた」だけでは、取り違えを見逃します。選んだ製品版、画面に書かれた資料番号、実際に開いた表紙、入力項目表を続けて確かめます。製品版2のボタンにR1と書いてあっても、中身が製品版1の三項目なら修正が必要です。

旧技術ページ、旧メールのPDF直リンク、新しい資料一覧から、それぞれ予定した内容を開けるか記録します。PDF内のリンクも操作し、相談先へ進めることを確認します。スマートフォンでは選択部分を無理に横へ動かさず読めるか、資料を拡大して表の見出しまで読めるかも見ます。

制作会社がURLや表示を確認し、技術担当が製品版と記述の一致を見るように、確認する内容を分担します。公開前に確認したファイルと、公開場所から取得したファイルの内容を照合し、修正後も同じ入口から確かめます。問い合わせ欄を追加した場合は、選んだ製品版が受付側へ届くところまで確認範囲にします。

資料の本数に加えて、選択と改訂の仕組みを制作相談へ伝える

相談時には、技術情報の移行計画、二つの製品版の資料、編集元、現在の掲載ページ、営業で使うリンクをまとめます。技術担当が確認するのは適用と内容、制作会社に相談するのは選ぶ順番と表示、URLの扱い、公開前後の点検です。

少数の資料であれば、ページに製品版ごとの見出しとリンクを置く方法から始められます。資料が増えたときに自社で追加したいなら、管理画面に製品名・製品版・資料番号を別項目として持たせるかを相談します。表示用の原稿を直す作業と、資料登録や絞り込みの機能を作る作業では見積りの範囲が変わります。

Bämのコーポレートサイト制作では、ページ構成や原稿の整理、更新方法、公開前の確認を案内しています。T03の例なら、「現在利用する版を確かめ、対応資料へ進む画面をどう作るか」を、資料の実物と一緒に相談できます。PDFの再編集や資料登録の追加機能は、必要な量と作業を確認して見積りへ含めます。

旧製品の案内も保ちながら、技術資料を探しやすくしたい方は、茨木市のホームページ制作・改善のご案内をご覧ください。すべてのPDFを整理し終える前でも、一つの製品群について適用する版と使われている入口が分かると、必要な改修を具体的に話し合えます。

公開後は、技術担当が製品の対応状況、資料担当が改訂、更新担当が案内と実ファイルの一致を確認します。新しい製品を紹介することと、以前から利用してくださっている方の資料を残すことを、同じ計画の中で続けていきましょう。

参考資料

資料確認日:2026年9月8日。