相談は電話で受けることが多いのに、ホームページの報告にはフォームからの問い合わせ件数しか載っていない。その場合、フォームが少ないという理由だけで、サイトが役立っていないとは判断できません。ページを読んでから電話する方も、紹介された会社の対応範囲を調べて連絡する方もいるからです。
電話が多い会社では、電話ボタンの操作、実際に受けた新しい相談、電話前にサイトで確かめたことを合わせて見ます。それぞれ分かることが違うため、一つの数字へ無理にまとめず、次に直す説明や案内を考える材料として使います。
電話ボタンの回数は、相談を受けた件数ではない
スマートフォンで電話ボタンを押すと、発信に進む画面が開くことがあります。ボタンの操作を測定していても、その後に発信したか、つながったか、仕事の相談になったかまでは、その記録だけでは分かりません。
Google タグ マネージャーのクリックトリガーは、リンクなどがクリックされたことを基に動く仕組みです。この方法で電話リンクを測っている場合、見ているのはリンクの操作です。「電話相談」と名付けられた集計でも、実際には何を測っているかを制作・運用担当者に確認します。
反対に、パソコンで番号を見て手元の電話からかけた方は、サイトの電話ボタンを押していないかもしれません。名刺や地図サービスに載った番号からの電話もあります。電話の操作回数と着信数が一致しないことだけを理由に、測定の故障や機会損失と決めることはできません。

まず報告の見出しを「電話リンクの操作回数」「受けた電話」「新しい相談」のように、内容が分かる名前にします。電話リンクの測定が未設定ならゼロ件ではなく未測定です。測定を始める場合も、どのボタンを対象にするか、繰り返しの操作をどう数えるかを決めてから読みます。
知ったきっかけと、電話前に読んだ内容を分けて聞く
「何を見て電話しましたか」という一問だけでは、会社を知ったきっかけと、連絡前に確認した媒体が混ざることがあります。知人から紹介され、ホームページで仕事内容を確かめて電話した方が「紹介です」と答えるのは自然です。その回答だけで、ホームページを見ていないとは言えません。
最初は相談への対応を優先し、会話に無理のないところで「弊社をお知りになったきっかけを、差し支えなければ教えていただけますか」と聞きます。サイトを見たことが分かったときは、「どの案内をご覧になりましたか」と短く補足できます。毎回すべて聞くのではなく、会話の中ですでに分かった内容は聞き直さないようにします。
紹介がきっかけだった方にも、連絡前にサイトを確認したかを聞ける場面があります。「対応している仕事を調べた」「事例を見て似た相談ができそうだと思った」と分かれば、サイトが担った仕事を捉えられます。正確なページ名や検索語を思い出してもらう必要はありません。
回答がなかった場合は「不明」「未確認」のままで構いません。ウェブに関係したはずだと推測して埋めると、後の判断が曖昧になります。また、「サイトが参考になりましたか」と期待する答えを先に示すより、見た内容を相手の言葉で教えてもらう方が、説明の改善に使いやすくなります。
電話相談の記録は、会話を再現するより要点を残す
改善のために、長い聞き取り票を新しく作る必要はありません。普段の受付記録へ、知ったきっかけ、サイトで確認した内容、相談で残っていた疑問を短く添える方法から始められます。営業担当者が必要とする連絡先や案件の詳細と、サイト改善のための集計は、目的を分けて扱います。
例えば、業務用空調の保守を案内する会社の架空例なら、次のような記録になります。実際の顧客や成果を示したものではありません。
- 知ったきっかけ:取引先からの紹介
- 電話前に見た内容:保守のサービスページ
- 相談の要点:既設機器も依頼できるか知りたい
- ページに残る課題:対応する機器の条件が見つけにくい可能性
この例では、紹介による新しい相談であり、サイトも事前の確認に使われています。どちらか一方だけの成果へ振り分けるより、入口は紹介、サイトではサービスを確認、と役割を残した方が改善につながります。ただし、読んだと聞けたことと、そのページが電話の決め手だったと分かったことは同じではありません。
集計では、新しい相談と、同じ案件の折り返し・進行確認を区別します。フォームで相談を受け、続きの話を電話でした場合も、連絡が二回あったことと、新しい案件が二件あることを混同しないようにします。詳しく分類しすぎず、自社が見直したい仕事の相談を取り出せる程度から始めます。
サイト改善用の集計には、氏名や電話番号を載せなくても、きっかけと質問の傾向を確認できます。特にアクセス解析へ記録を渡す場合は、個人の情報をそのまま送らないようにします。Googleの個人情報に関する案内でも、個人を特定できる情報の送信に注意が必要とされています。
数字と会話が違って見えるとき、直す場所を選ぶ
フォームが少なくても、サイトを読んだ方から希望する仕事の電話相談が届いているなら、フォームへの誘導だけを強める必要があるとは限りません。電話で話して条件を整理することが普段の受け方なら、その入口を残し、相談できる内容や受付時間を分かりやすくする方向が考えられます。
電話リンクの操作が多いのに相談が少ない場合は、最初から文章の問題とは決めません。測定の重複、営業時間外の操作、着信への対応状況など、別の理由も確かめます。サイト側で直すなら受付時間の見せ方や時間外の連絡方法、受付側で直すなら折り返しの扱いなど、原因に応じて仕事が変わります。
先ほどの空調保守の例のように、サイトを読んだ方から同じ対応条件を聞かれる場合は、該当する説明が見つけにくいのか、読んでも判断しにくいのかを確認します。すぐに長い説明を足すより、サービスの見出しや対応範囲の位置を見直す方が合う場合もあります。

集計を比較するときは、同じ期間のフォーム受付、電話での新しい相談、電話リンクの操作をそれぞれ並べます。営業日や記録できた範囲も添えます。操作と相談を足した「総問い合わせ数」を作ると、同じ方の行動を重ねて数えるおそれがあります。
聞き取れた少数の回答だけで、すべての電話のきっかけを推定する必要もありません。「紹介で知り、サイトを読んだ相談があった」「対応範囲について同じ質問が残っていた」と確認できた事実を残し、次に直したい説明を選びます。件数の大小とともに、電話へ進む前にサイトが何を伝えられたかを見ることが大切です。
Bämのホームページから問い合わせが来ないときの改善では、訪問の状況、説明の伝わり方、連絡手段を分けて整理します。電話で相談される会社でも、実際の受け方を伺い、サービスの原稿や相談への案内で見直す範囲を考えます。