サービスページの説明や相談ボタンを直した後、問い合わせが少し増えると「変更が効いた」と感じます。反対に、その週に相談が届かなければ、元に戻した方がよいのか迷うかもしれません。しかし、訪問者の数や来訪のきっかけも変わっていれば、問い合わせ数だけで変更の良し悪しは決められません。

一回の改善を確かめるには、変更日・対象ページ・狙った変化を残し、前後の訪問条件と実際の相談内容を合わせて見ます。増減をすぐ成果と呼ぶより、何が分かり、何はまだ分からないかを記録すると、次の修正を選びやすくなります。

変更した箇所と、期待する行動を一組で残す

「問い合わせ改善を実施」とだけ記録しても、後から何を確かめればよいか分かりません。対象のURL、公開した日時、変更前後の文章や画面を残します。そのうえで、なぜ変えたかを短く書きます。

ここでは、店舗清掃を案内する会社の架空例で考えます。問い合わせ前に何を伝えればよいか分かりにくかったため、サービスページの相談ボタンの手前に「店舗の所在地、清掃したい場所、希望時期をお知らせください。未定の項目は相談しながら確認できます」という説明を追加したとします。

この変更の狙いは、ボタンを目立たせることだけではありません。相談の準備が分かり、未定の内容があっても連絡してよいと伝えることです。確認したいのは、相談への移動や送信の状況に加え、届いた相談で清掃したい場所などを把握しやすくなったかです。

改善の記録は、例えば次の形から始められます。変更日は実際に公開した日時を記入します。

対象:店舗清掃のサービスページ
変更:相談ボタンの手前に、伝えてほしい内容と未定でも相談できる旨を追記
理由:最初に何を伝えるか分からないという質問があった
確かめること:相談への移動、送信完了、届いた相談の内容
併記すること:広告・料金・受付条件など同時期の変更

一つの改善で文章、ボタン、写真をまとめて変えた場合は、その範囲をそのまま残します。結果が変わっても、どの要素が効いたかまでは分けて判断しにくくなります。細かい要素ごとに必ず別日に変更する必要はありませんが、後から一つのボタンだけの成果として説明しないようにします。

前後で、同じ行動を測れているか確認する

比較の前に、記録している数字が何を表すかを確かめます。問い合わせボタンを押した回数、フォームを開いた回数、送信が完了した回数は、それぞれ違います。ボタンを押しても、必ず相談が届いたとは限りません。

Google アナリティクスでは、ビジネス上重要な行動を測るイベントを「キーイベント」として扱えます。Googleの公式解説は、対象の行動を測定するイベントを特定または作成し、キーイベントに設定する流れを説明しています。自社で「問い合わせ」と呼んでいる数値も、何を数えている設定かを担当者に確認します。

変更と同時に測定の設定も変えた場合は、前後の数値をそのまま比べられるか確認が必要です。以前は送信ボタンのクリック、変更後は送信完了を数えているなら、違う行動を比べることになります。画面の変更で測定が止まったり、同じ行動を重ねて数えたりしていないかも確認します。

実際の受付記録は、測定値の意味を確かめる別の材料になります。テスト送信、営業の売り込み、同じ案件の重複連絡などを、見積り相談と混ぜずに整理します。ただし、アクセス解析と受付記録は取得できる範囲が異なるため、必ず一件ずつ一致するものとして扱いません。

相談ボタンのクリック、送信完了、届いた相談の内容を別の確認項目として見る図
途中の行動と、実際に届いた相談を分けて確認します。

期間の長さだけでなく、訪問の条件もそろえて見る

変更前が一か月、変更後が三日では、単純な件数比較はしにくくなります。まず同じ長さの期間を取り、平日と休日の並びも確かめます。Google アナリティクスの期間比較の公式説明には、同じ曜日から始まる前の期間と比較する方法もあります。

それでも、休業期間と繁忙期、通常営業と展示会の直後では、相談する方の状況が違います。比較期間に広告を増やした、営業メールでページを案内した、価格を変えたといった出来事があれば記録します。期間をそろえることは比較の出発点であり、それだけで条件が同じになるわけではありません。

見る範囲も合わせます。店舗清掃のページを直したなら、サイト全体の閲覧数だけでなく、そのページの訪問状況を確認します。スマートフォン向けの配置を変えたなら、スマートフォンからの利用でどう変わったかも見ます。検索、広告、紹介などの来訪経路が大きく変わっていないかを確かめると、件数の増減を読み違えにくくなります。

率を比べる場合は、分母と分子の対象をそろえます。全ページの問い合わせ数を、変更した一ページの閲覧数で割って、そのページの成果率と呼ぶことはできません。同じ対象・期間・測定方法で算出できるかを確認し、条件が合わない数字は別々の参考情報として残します。

件数の小さな変化を、原因まで分かった結果にしない

仮に、比較した期間の相談が二件から三件になったとします。増えたことは記録できますが、一件の違いだけで「説明を足したので効果が出た」とは言い切れません。変更後に訪問が増えた、既存のお客様から相談があったなど、別の理由も考えられます。

アクセスや相談が少ない場合は、短い期間の率が大きく動きます。すべての会社に「何日で判断できる」という共通の基準を置かず、通常の相談頻度や検討にかかる時間も踏まえて見ます。数字だけでは分からない段階なら、その旨を残して観察を続けられます。

清掃会社の例では、数の増減とともに、清掃したい場所や希望時期を読み取れる相談が届いたか、同じ説明を聞き直す必要があったかを確認できます。必要事項が未定でも相談を受ける方針なら、未記入があるだけで悪い相談と判定しません。ページで伝えた方針に合う相談ができているかを見ます。

前後を比べるだけの確認と、条件を管理して複数案を比較するテストは同じではありません。変更の影響をより厳密に調べたい場合は、訪問数や測定状況を確認したうえで、比較する方法を別に設計します。少ない数字に無理な結論を付けるより、現時点で判断できる範囲を明確にすることが大切です。

結果の記録に、観察したこと、比較条件、まだ分からないこと、次に確認することを分けて残す図
観察できた変化と、その原因についての判断を分けて残します。

結果の記録を、次の一手につなげる

確認後は、良かった・悪かったの二択だけで終わらせません。「送信完了は増えたが、同時期に広告も増やしたため文章変更の効果は未確定」「件数は少なく判断を保留。届いた相談では清掃箇所を把握できた」のように、観察したことと未確定のことを分けます。これらは記録の書き方の例で、実際の成果ではありません。

測定やリンクに不具合が見つかった場合は、比較を続ける前に直します。説明を追加したのに同じ質問が続くなら、文章が見つかる位置にあるか、言葉が伝わるかを見直します。明らかな支障がなく、判断材料が少ない場合は、何を待って再確認するかを決めて記録します。

次の修正を行うときは、新しい変更日と内容を追記します。履歴を残しておけば、以前の状態へ戻す場合も、どの文章や配置へ戻すかが分かります。一回の改善について、狙い、変更、観察、次の判断をつなげることが、確認を重ねる土台になります。

Bämでは、訪問されているか、説明が伝わるか、連絡しやすいかを分けて、必要な改善範囲を考えます。直した後の変化をどう見るか迷う場合は、ホームページから問い合わせが来ないときの改善をご覧ください。変更したページと日時、確認できている相談の状況から、次に確かめることを整理できます。

参考資料