問い合わせフォームは見られているのに、相談が届かない。そんなとき、「入力項目が多くて途中でやめられているのでは」と考えることがあります。ただ、フォームを開いた人が全員入力を始めたとは限らず、届いたメールの数だけでは、画面のどこで止まったかも分かりません。

確かめるには、フォームへの到達、入力の開始、受付の完了を分けて見たうえで、実際の画面を操作します。数字で気になる段階を探し、その場面で入力しにくさやエラーがないかを確認すると、直す場所を絞りやすくなります。

「開いた人が多い」と「入力をやめた人が多い」は分ける

フォームのページを開く理由は、今すぐ相談するためだけではありません。必要な情報を先に確認したり、連絡先を探したりする場合もあります。フォームの表示回数と問い合わせ件数の差を、そのまま入力途中の離脱数と呼ばないことが出発点です。

また、問い合わせが少ないという判断に、受信メールだけを使っている場合は注意が必要です。受付はできていても通知が届いていない可能性が残るため、サイト側の受付記録があるなら照合します。送信後の配送の問題と、入力中に進めなくなる問題では、調べる場所が変わります。

フォームへの到達、入力開始、受付完了は別の段階で、段階間の差だけでは原因を断定できないことを示す図
まず、何を数えた数字なのかを揃えます。

計測できる場合は、同じフォームの流れを追う

Google アナリティクスの拡張計測には、フォームの操作を記録する「form_start」と「form_submit」があります。前者はセッション内で初めてフォームを操作したとき、後者はフォームを送信したときのイベントとして説明されています。

ただし、名前の付いた数値があるだけで、自社フォームの受付成功まで確認できたとは判断しません。制作担当者とテストし、入力開始、入力エラー、正常な受付で、それぞれ何が記録されるかを確かめます。問い合わせ以外に検索や採用のフォームがある場合も、対象が混ざっていないかを確認します。

比較するときは、対象フォーム、期間、端末、人数か操作回数かという数え方を合わせます。同じ人が何度も操作した記録と、一度でも操作した人の数を直接比べると、差の意味が変わります。入力から受付までの流れを比べられる設定か、解析担当者に確認してから使います。

フォームに入力された氏名、メールアドレス、相談文を、そのまま解析へ送る必要はありません。Googleも個人を特定できる情報を収集しないよう求めています。まずは、どの段階まで進んだかを確認する設計にします。計測がない場合も、過去の離脱率を推測で埋めず、これから調べる準備と画面点検を進められます。

気になる段階に合わせて、スマートフォンで試す

たとえば、スマートフォンでは入力開始の記録があるのに、受付完了が少ない傾向が見えたとします。それは「スマートフォンの操作を確認したい」という手がかりであり、原因が項目数だと分かったわけではありません。

実機でサービスページからフォームへ進み、初めて相談する人が持っている情報で入力してみます。社内担当者が正解を知っている状態では、分かりにくさを通り過ぎてしまうためです。たとえば、まだ利用日が決まっていない相談なのに日付を必ず選ばせる欄では、操作の不具合がなくても迷いが生まれます。

入力中は、キーボードで説明や次の欄が隠れないか、必須か任意かを判断できるか、入力例を見直せるかを確かめます。「入力が面倒だった」とまとめるより、「日付が未定のときに何を選べばよいか分からなかった」と記録する方が、修正案につながります。

正常な入力だけでなく、未入力の必須欄や形式の違う入力でエラーになった場合も確認します。どの欄をどう直すかが見え、入力済みの文章を失わずに戻れるでしょうか。画面の上部にエラーが出ていても、スマートフォンの表示位置によって気づけないことがあります。

止まった場面を、修正候補へ変える

架空の清掃サービスのフォームで、希望日時が未定のため入力を止めた場面を考えます。この場合、最初から全項目を減らすより、未定の相談を受けられるかを運営側へ確認し、選択肢や説明を補う方法を検討できます。

一方、メールアドレスの入力エラーが表示されても、直す場所に気づけなかったなら、エラー文と表示位置が修正候補です。問題の種類を分けると、質問内容を変えるべきか、画面の動きを直すべきかを相談できます。

日時未定で迷う場合は選択肢や説明を、エラーに気づかない場合は表示位置を、完了しても記録がない場合は計測を確認する例
操作で見つかった事実に合わせて、直す候補を選びます。

点検で使う内容はテスト用にし、実際に送信する前に受付担当者へ知らせます。記録には、対象URL、端末、操作、起きたこと、期待した動きを残します。入力内容そのものを大量に集めるより、止まった場所と理由を説明できる記録が役立ちます。

一度の点検で、利用者全体の理由まで決めない

自分たちのテストで迷う場所が見つかっても、実際の利用者が全員そこでやめているとは言えません。逆に、担当者が問題なく送れたことだけで、入力中の負担がないとも言い切れません。計測の傾向と操作で見つかった事実を合わせて、確かめるべき仮説として扱います。

修正後は同じ場面を試し、見つけた問題が解消したかを確認します。その後、同じ条件で入力開始から完了への動きを見ます。少数の増減だけで成果を断定せず、計測方法や訪問者の変化も確かめながら判断します。

Bämの問い合わせ改善の相談では、現在のページと利用できるデータを見ながら、連絡までのどこを直すかを整理します。「フォームが悪そう」という段階からでも、数字で分かることと実際の操作で確かめたいことを分けて考えられます。

参考資料