商談では興味を持ってもらえたのに、「社内で検討します」から話が進まない。サービスのサイトに機能や特徴を載せていても、担当者が上司や別の部署へ説明する材料が足りていないことがあります。

導入の検討を助けるには、利用する人が知りたい仕事の変化、導入担当者が確認する準備、決裁者が判断する費用と根拠を分けて整理します。社内で共有されたページを、商談に参加していない人が読んでも判断できるかが、掲載内容を考える基準になります。

最初の担当者だけが知っている前提を補う

営業担当から説明を受けた人は、サービスが役立つ場面や、対象外の仕事を理解しているかもしれません。しかし、転送されたURLだけを開く上司には、その前提がありません。「業務を効率化します」という説明だけでは、何を変えるための導入なのかが伝わりにくくなります。

たとえば、社内の備品貸出を管理する架空のサービスを考えます。導入を提案する総務担当者は、紙の記録から現在の貸出先を探す手間を減らしたいとします。サイトには「備品管理」という機能名だけでなく、誰が貸出を登録し、利用状況をどこで確認できるかを示します。

「総務だけで入力するのか、借りる社員も操作するのか」が分かると、現場は運用を想像できます。今の仕事がどう変わるかと、導入しても残る仕事を一緒に説明することで、便利そうという印象から、自社で使えそうかという検討へ進めます。

利用部門には、変わる作業と効果の根拠を示す

利用する人が確かめたいのは、機能の数より、日々の仕事で使えるかです。先ほどの例なら、貸出の登録画面、返却を記録する場面、現在の貸出状況を確認する場面を説明します。どの情報を入力すれば何が分かるかが見えると、実際の業務と照らせます。

効果を数字で示す場合は、その数字がどの事例の、どんな条件によるものかを添えます。測定した期間や対象業務が異なる結果を、すべての利用企業が得られる効果として書かないようにします。実測がない場合は、削減率を補うより、探す場所が一つになるなど、確認できる運用の変化を説明します。

導入を検討する会社が自社の現状を比べられるように、「現在はどこに記録し、誰が確認していますか」といった確認の視点を添える方法もあります。提供側が一律の効果を決めるのではなく、利用企業が課題に合うかを考える材料にします。

利用部門は仕事の変化、導入担当は準備と運用、決裁者は費用と根拠を確認する役割別の情報配置
同じサービスでも、検討する役割によって確かめたいことが変わります。

導入担当者には、社内で必要になる準備を見せる

導入担当者は、契約すればすぐ使えるか、社内の誰に協力を求めるかを確認します。備品貸出の例なら、今の台帳の整理、登録する備品の選定、管理者の決定、利用者への案内などが準備の候補です。実際に必要な作業を、提供側が担当するものと利用企業が用意するものに分けます。

既存データを移す場合も、「移行できます」だけでなく、対応するデータの形や、事前に確認する内容への案内が必要です。個別確認が必要なものは、その旨と確認先を示します。詳しい技術資料をすべて冒頭へ置くより、導入の概要から必要な条件へ進める形が読みやすくなります。

情報管理の担当者が関わるなら、権限、扱うデータ、利用環境などを確認できる資料への入口も用意します。公開できない詳細まで無理に掲載する必要はありませんが、問い合わせれば何を確認できるかは分かるようにします。通常の準備だけでなく、利用開始後に誰が管理するかも、社内で相談する材料になります。

決裁者には、費用と判断の前提を一緒に渡す

月額料金だけでは、最初に必要な予算や、追加支援を頼む場合の費用を判断できないことがあります。利用人数や対象範囲など、価格が変わる条件を明らかにし、個別見積りの部分はどの条件を確認して算出するかを説明します。

サイボウズのkintoneの料金ページでは、コースやオプション、見積りへの案内に加え、上司への提案に使える資料を掲載しています。料金を知るだけで終わらず、社内で説明する段階へつなぐ掲載例として参考になります。本記事では同サービスの金額や効果を、自社サービスの基準として使うものではありません。

社内共有用の要約を用意するなら、「解決したい課題」「対象業務と利用者」「期待する変化と根拠」「導入準備」「費用の条件」「確認が残ること」をまとめます。提供会社が説明できる事実と、導入企業が決める内容を区別すると、担当者が社内の事情を補って使いやすくなります。

提供側の対応範囲と根拠、導入企業が決める対象と担当者、双方で確認する費用と準備を分ける共有用要約
未確認のことを隠さず、次に誰と何を決めるかまで見える説明にします。

商談に参加していない人へ、ページだけで伝わるか確かめる

掲載前には、サービスを詳しく知らない社内の人に、想定する検討役としてページを読んでもらいます。「便利そうでしたか」ではなく、「利用者側で準備することは何ですか」「どこまでの費用が分かりましたか」と聞くと、説明が足りない箇所を見つけられます。

必要な情報を一つの長いページに詰め込むことが目的ではありません。概要から、利用場面、導入の流れ、料金、詳しい資料へ進めれば、関係者は自分の確認箇所を選べます。条件が書かれた箇所を共有しやすい見出しやリンクを用意し、資料にもサービス名と更新日を残すと、何を見て判断したかが揃います。

BämのIT・法人向けサービスのホームページ制作では、営業資料とお話から、利用する方にも社内で説明する方にも選ぶ理由が伝わる原稿や図を整えます。商談後によく聞かれる質問を持ち寄ると、社内検討で不足している情報から見直せます。

参考資料