施工実績に建物の完成写真を載せるときは、その写真が示す建物全体と、自社が担当した工事を分けて説明します。外観の写真に「商業施設新築工事」とだけ添えると、電気や配管の一部を担当した場合でも、建物全体を施工したように受け取られる可能性があります。
先に確認したいのは、誰から何を請け負い、現場ではどの工程を行ったかです。契約や施工の記録、現場担当者の説明を照合し、公開できる範囲で役割と仕事の内容を並べると、次の発注を考える方にも頼める範囲が伝わります。
工事全体の名称と、自社の仕事の名称を分ける
現場で使っていた工事名は、複数の会社が関わる工事全体を表していることがあります。その名称を見出しへ使う場合も、自社が受け持った工種や工程を近くに添えます。
実際の掲載例として、阪和総合防災の施工実績では、注文者、元請・下請の区分、工事名、工事区分などを分けて表示しています。工事の名前だけでなく、どの立場で何の工事に関わったかを区別する構成の参考になります。各案件の詳しい契約や施工体制まで、公開一覧から推測するものではありません。
自社の実績でも、「建物の種類」「担当工事」「工事全体での役割」を別の情報として整理します。すべてを一つの長い見出しへ詰め込む必要はありませんが、写真と見出しだけを見たときにも、担当範囲を広く受け取られない配置を考えます。
契約時の範囲と、実際に行った工程を照合する
文章を書く材料として、注文書や契約に付随する作業範囲、施工記録、工事担当者の説明を確認します。書類をそのまま公開するためではなく、自社の仕事を正確に言い表すためです。途中で範囲が変わった場合は、当初の見積りだけで判断せず、最終的に担当した内容を確かめます。
例えば、商業施設の新築現場で、電気設備会社からケーブルラックの設置を請け負った架空の会社を考えます。建物全体の電気工事には関わるものの、自社が行ったのは指定区画のラック設置で、配線や機器接続は他社の担当だったとします。
この場合、紹介の中心は「商業施設の電気設備工事」だけではなく、「指定区画のケーブルラック設置を担当」という説明です。現場の調整に参加したことと、工事全体を管理したことも分けます。どの会社と調整し、自社として何を決めたかを確認してから書きます。
施工管理、実施工、資材の手配、試験などは、それぞれ担当が異なる場合があります。「一式」「すべて対応」とまとめる前に、その現場でどこまで引き受けたかを聞き取ります。事業として対応できる工事の範囲と、一つの実績で実際に行った範囲も混ぜないようにします。
施工実績の短い紹介にも、役割と担当工程を残す
先ほどの架空例を、一覧に載せる短い紹介へまとめるなら、次のように整理できます。実在の工事や受注実績を示す記載ではありません。
- 見出し:商業施設新築に伴うケーブルラック設置。
- 当社の役割:電気設備工事の協力会社として参加。
- 担当範囲:指定区画のケーブルラック設置。配線・機器接続は担当範囲外。
- 写真の説明:建物全景。担当工事は建物内のケーブルラック設置。
「協力会社」という表現を使う場合も、それだけで仕事が分かるとは限りません。担当工種と工程を組にして記載します。公開する説明が元請・下請などの実際の役割と食い違わないかは、社内で契約を把握する方にも確認してもらいます。
担当外の工事をすべて列挙する必要はありません。ただし、全景写真や広い工事名から含まれていると誤解されやすい工程は、短く補足すると区切りが明確になります。自社の役割を小さく見せるためではなく、何を任せられる会社なのかを正しく伝えるための説明です。
写真に写っていることと、写真からは分からない仕事を区別する
建物の全景写真は、どのような現場へ関わったかを伝える資料になります。ただし、それだけで自社の施工箇所を示せるとは限りません。担当箇所が分かる写真を併用できるなら、その写真を主に使い、全景は現場の紹介として添える方法があります。
完成後に隠れる箇所であれば、同じ現場の施工中の写真を探します。その際は、工事が終わった写真と区別し、どの工程の記録かを書きます。他社が施工した周辺部分まで写っている場合は、自社の担当箇所を文章でも特定します。
写真が示さない仕事を、見た目から推測して加えることは避けます。完成状態が整っているからといって、試験や検査も自社が実施したとは限りません。書く場合は実施記録と担当者の説明で確かめます。また、写真に注記を付けることと、その写真を掲載してよいことの確認は別に行います。
名前を伏せる場合も、担当範囲は曖昧にしない
施設名や取引先名を公開できない場合は、建物用途や公開可能な地域などで紹介できるかを相談します。「商業施設」「大阪府内」などへ置き換えても、組合せや写真から現場が分かることがあるため、匿名表記なら自由に掲載できるとは考えません。
掲載の確認では、施設名、取引先名、写真、施工内容の説明をまとめて見てもらいます。関係者の名前を載せられない場合でも、自社の工種や役割まで不明なまま「大型案件に対応」とだけ書くと、発注を考える方が仕事の範囲を判断できません。公開できる範囲を確かめ、担当した工程を具体的に残すことを目指します。
最後に、一覧の見出し、写真の説明、詳細本文を通して読み、役割の記載が一致しているか確認します。詳細だけで下請の範囲を説明していても、一覧が建物全体の施工実績に見えるなら、入口の見せ方も修正します。
Bämの建設・設備工事のホームページ制作では、工種、担当工程、現場の写真を基に、依頼先を検討する方へ伝わる施工紹介を作ります。写真に写る建物の規模だけに頼らず、御社が担った仕事を確認して言葉にします。