
建設会社のホームページに「電気工事」「管工事」「内装工事」と並んでいても、初めて見る発注担当者には、自社の建物で相談したい仕事に対応しているか分からないことがあります。同じ工種でも、対象の設備や建物、新設か改修か、自社が担当する工程によって頼める仕事は変わるためです。
工種名は残し、その下に対象の建物・設備と、どの段階から何を担当するかを添えます。会社ができることを広く見せるより、発注者が自分の案件との接点を確かめられる説明にすることが、事業ページを見直す出発点です。
工種名の下に、対象と作業が分かる一文を置く
工種名は、工事に詳しい方が探すときの手がかりになります。その名称をすべて柔らかい表現へ置き換える必要はありません。「電気工事」という見出しの下に、建物と設備、実際に行う作業を短く示します。
たとえば、京成電設工業の事業内容では、一般電気・通信設備の説明で対象となる施設を示し、電灯設備の項目には商業施設や事務所の照明設備工事などを挙げています。また、設計支援・施工・保守を分けて説明しています。設備の分類と、仕事を担う段階の両方が分かる掲載例です。
自社のページにも、まず「どの建物の、どの設備に、何をするか」を一文加えてみます。対象を広く列挙するより、今受けている仕事や、相談を増やしたい分野を現場担当者と確認して具体化します。他社の事業紹介を、そのまま自社の対応範囲にすることはできません。
「電気工事一式」を、事務所の照明更新の説明へ変える
ここでは、事務所の照明更新を行う架空の電気工事会社を例にします。発注者側で用意された設計図書に基づいて施工し、工事日程は建物側と相談する会社という設定です。実在のサービスや実績ではありません。
元の説明が「電気工事一式。幅広い現場に対応します」だけなら、照明の交換を相談できるか、設計から任せられるかが読み取れません。次のように、対象と担当工程が見える文章へ変えます。
事務所の照明設備の更新工事を行っています。ご支給の設計図書に基づく施工を担当し、既存設備や作業できる時間帯を確認したうえで、工事の進め方をご相談します。設計からのご依頼は、対応方法を個別に確認します。
この例では「事務所」「照明設備」「更新」「設計図書に基づく施工」が、相談できる仕事の手がかりになります。設計も自社で担当する会社なら、その事実に合わせて書き換えます。図面がない段階から相談を受けるのか、仕様が決まってから施工を受けるのかでも、冒頭に置く説明は変わります。
営業が普段使っている「一式」という言葉を残す場合にも、何を含むかを説明します。照明工事の相談を受けることと、建物の電気設備全体を設計・更新することが、同じ範囲に見えないようにします。
工程の名前ではなく、自社が引き受ける範囲を確かめる
「調査・設計・施工・保守」と並べる前に、最近の案件で何を担当したかを確認します。打ち合わせに参加したことだけで、設計全体を受け持ったと表現してよいとは限りません。施工図の作成や現場での調整も、どの仕事を指すかを社内でそろえてから原稿にします。
発注者との窓口を自社が持つのか、元請会社から特定の工事を受けるのかも、相談先を選ぶうえで関係します。両方の依頼を受けているなら、設備管理者からの更新相談と、元請会社からの施工相談を、同じ長い説明に詰め込まず短く分ける方法があります。
協力会社と進める仕事は、窓口として取りまとめる範囲と自社で施工する範囲を区別します。協力体制があること自体を弱点のように扱う必要はありませんが、すべて自社の担当者が施工するように見える表現は実態と照合します。
新設と改修では、発注者が確かめたい条件が違う
設備名が同じでも、新築時の設置と、使い続けている建物の更新では相談の前提が異なります。先ほどの照明更新の例では、作業できる時間帯や既存設備の状態が、進め方を検討する材料になります。
そのため、事業説明に「営業中の建物も対応」と書くなら、何を相談して決めるのかまで添えます。実際には作業範囲や休業日を調整するのに、「営業を止めずに工事できます」と一律に約束する文章へ広げないようにします。夜間・休日対応も、常時受ける体制なのか、案件ごとの相談なのかを確認します。
すべての条件を長い一覧にする必要はありません。自社への相談でよく認識がずれる点を選び、該当する工事の説明の近くに置きます。専門的な工法を発注者に選んでもらうより、用途や現状を伝えれば相談を始められる案内が役立つ場合もあります。
施工例は、建物の写真と担当した工事を結び付ける
事業説明の近くには、その範囲が分かる施工例を置きます。完成した建物の全景だけを載せると、建物全体を手掛けたように見えることがあります。写真のそばで、建物の用途、担当した設備、工事内容を短く説明します。
照明設備の更新を担当した例なら、その範囲が分かる写真や説明を選びます。施設名を公開できない場合も、公開してよい建物用途や作業内容を確認して記載できます。写真だけで判断できない担当範囲を、キャプションが補う形です。
昔の施工例と現在の受注体制が違う場合は、過去に実施した仕事と、今相談を受けている範囲を混ぜないようにします。許可・資格の掲載情報も会社側で確かめ、事業説明の代わりとして番号だけを並べるのではなく、会社情報として確認できる位置へ整理します。
工事を頼む側の言葉で、事業ページを読み直す
原稿ができたら、「自社の建物や設備が対象か」「どの段階から相談できるか」「この会社が何を担当するか」が読み取れるかを確かめます。社内で通じる工種名を探せることと、初めての担当者が頼める仕事を理解できることの両方を目指します。
Bämの建設・設備工事のホームページ制作では、工種一覧や会社案内、施工写真をもとに、対象の建物・設備と担当工程を伺い、事業紹介の原稿と画面へ整理します。現場の仕事の範囲を確認しながら、発注者が相談先を選びやすいページをつくります。
参考資料
資料確認日:2026年9月21日。事務所の照明更新の説明文は書き方を示す仮例です。実際の対応範囲に合わせて確認・修正します。
