
これまでとは違う分野の工事も受けたい。ホームページへ案内を追加しようとしたとき、新分野の施工写真がまだなく、何を根拠に紹介すればよいか迷うことがあります。
既存の実績は、過去に担当した仕事と、新しい工事にも関わる経験を説明する材料として使えます。ただし、その写真を新分野の施工実績に置き換えることはできません。何を経験してきたかと、現在どこまで相談を受けられるかを分けて書くと、発注者が依頼の接点を考えやすくなります。
建物の写真より、自社が担当した工程を確かめる
最初に、既存実績の工事名、対象設備、自社が担当した工程を確認します。大きな建物の工事に関わっていても、一部の配管を担当したのか、設備全体を設計・施工したのかで、説明できる経験は違います。
ダイダンの施工実績では、建物名に加えて、電気設備工事、空調設備工事、給排水衛生設備工事などの区分を示しています。建物の用途だけでなく、どの種類の工事を手掛けたかが分かる掲載例です。自社の紹介でも、写真と工事の担当範囲をそろえることが出発点になります。
現場を知る担当者へは、「新しい分野にも使える実績はあるか」と大きく聞くより、「この現場で何を調査したか」「どの工程を自社で行ったか」「他社と何を調整したか」と分けて確かめます。掲載できる写真と記録を見ながら聞くと、抽象的な強みを具体的な仕事へ直せます。
既存の工事から、新分野との接点を取り出す
ここでは、店舗の給排水配管の改修を行ってきた架空の設備会社が、店舗の空調更新についても相談を受け始める例を考えます。特定企業の施工能力を示す事例ではありません。
既存の配管改修で、営業中の店舗の作業区画を分け、搬入の時間を店側と調整した経験があるとします。この事実は、使われている建物で工事を進める際の調整経験として説明できます。新しい案内には、どのように営業への影響を確認してきたかを、担当工程の範囲で書けます。
一方、その経験だけで、空調機器の選定や設置、試運転まで自社が行えるとは言えません。異なる設備には別の確認や体制が必要になるため、共通する経験を示す部分と、新分野で現在対応できる仕事を示す部分を分けます。
「店舗工事の経験が豊富なので、空調もすべて任せられます」とまとめると、既存実績が証明していない仕事まで広がります。「給排水配管の改修で、営業中の作業区画や搬入時間の調整を担当しました」と書けば、まず裏付けのある経験を伝えられます。
新分野の案内は、今の体制に合わせて続ける
先ほどの会社が、新たに空調更新の相談窓口を設け、専門の協力会社と役割を決めて対応する設定なら、その体制を説明します。自社が現地の状況整理と工程調整を担い、機器の選定や施工については案件ごとに担当範囲を確認する、といった説明です。実際の原稿は、工事責任者が確かめた分担に合わせます。
紹介文は、例えば次のように組み立てられます。これは説明用の仮例です。
店舗の給排水配管改修では、営業中の作業区画や搬入時間を店舗側と調整してきました。今後は店舗の空調更新についても相談を受け付けます。既存設備と営業予定を確認し、当社と協力会社の担当範囲、工事の進め方を整理してご案内します。
この書き方なら、過去の配管工事を空調工事の実績にせず、経験と新しい受付範囲をつなげられます。ただし、相談を受ける体制そのものが未確定なら、先に分担や対応条件を決めます。「ご相談ください」という一文だけで、まだ受けられない仕事まで広く案内しないことが大切です。
写真の見出しを変えて、新分野の施工例にしない
既存の施工写真を新しい案内ページから紹介する場合も、元の工事内容が分かる名称を残します。配管改修の写真なら、「営業中の店舗で行った配管改修の例」と示し、新分野との関係は本文で説明します。
空調更新の見出しの直下に写真だけを置くと、その工事の完成写真と受け取られる可能性があります。「関連する施工経験」という区切りを設け、写真のそばにも工事内容と担当範囲を添えると、読み手が区別できます。詳しい既存実績へリンクする方法でも構いません。
これから行う工事の説明に図やイメージ画像を使うなら、施工済みの写真とは分けて表示します。協力会社の実績を紹介する場合も、自社が施工したものとして扱わず、誰の実績か、どの役割を説明するために掲載するかを明確にします。写真や工事情報を公開してよい範囲も、関係者に確認します。
発注者が次に相談するための条件を添える
新分野では、過去の写真の枚数を増やすより、どの案件を相談できるかが分かる説明が必要です。対象となる建物や設備、改修か新設か、現地の何を確認してから対応を決めるかを示します。実績がある範囲と同じ条件で受けられるとは限らないため、案内を使い回さず確かめます。
問い合わせ時には、現場の地域、現在の設備、希望する工事、営業や稼働を止められる時間など、最初の相談に必要な情報を案内できます。詳しい工法や施工可否をホームページで確定するのではなく、次の確認へ進むための説明にします。
新分野で実際の工事を終え、掲載できる情報がそろったら、その実績を追加します。自社の担当工程と確認できた内容を記し、相談開始時の案内から、施工事実を伴う紹介へ更新していきます。最初から実績が多いように見せる必要はありません。
資料を並べて、説明できる根拠を選ぶ
制作会社へ相談するときは、既存工事の記録と、新分野で受けたい仕事を分けて持ち寄ると話が進みます。過去の写真だけを渡すより、そこから何を伝えられるか、現在の体制について誰に確認するかが明確になります。
Bämの建設・設備工事のホームページ制作では、工種一覧や施工写真、現場のお話から、担当する仕事と相談の進め方を原稿へ整理します。新分野の案内でも、確認できる施工経験を生かしながら、現在の対応範囲が伝わるページを考えられます。
参考資料
- ダイダン株式会社:施工実績(工事区分を伴う実績の掲載例)
- Bäm:建設・設備工事のホームページ制作
資料確認日:2026年9月21日。設備会社の展開例と紹介文は説明用の仮例です。実際に受けられる工事や担当範囲は、会社の体制と個別の条件に合わせて確認します。
