コラムへのアクセスは増えているのに、仕事の問い合わせは増えない。そんなときは、記事の末尾に大きなボタンを足す前に、読者が何を知るために訪れ、読んだ後に何を判断できる状態になっているかを見直します。
調べ物が記事の中で完結すること自体は、悪い結果ではありません。確認したいのは、依頼を考える余地がある方に、自社へ頼める仕事と次に確かめる情報が伝わっているかです。よく読まれている記事を一つ選び、本文と案内先を続けて読んでみましょう。
読まれている理由と、受けたい仕事の接点を確かめる
最初に、記事が答えている問いを短く書き出します。「自分で作業する方法を知りたい」「商品の違いを理解したい」「外注する条件を調べたい」では、読後に必要な案内が変わります。問い合わせに近そうかという印象だけでなく、検索語の記録や本文の内容から考えます。
例えば、架空の印刷会社が「チラシに使う紙の厚さの選び方」を解説しているとします。紙の違いを知って学校の工作に使いたい人もいれば、配布するチラシの印刷を頼みたい人もいるでしょう。全員に見積りを求めるのではなく、印刷を依頼する場合に残る疑問へ答えを用意します。
一方、記事が自社では扱わない用途の調べ物だけを集めているなら、強い呼びかけを加えても仕事との接点は生まれません。その記事は役立つ解説として維持し、依頼につながるかの評価を別にする選択もあります。アクセス数の大きい順に、すべてを営業の入口へ変える必要はありません。
本文の答えを出した後に、依頼するときの疑問をつなぐ
印刷会社の例なら、紙の厚さの特徴を十分に説明したうえで、「配布方法に合わせた用紙を選べたが、この会社でその紙を使って印刷できるか」という次の疑問へつなげます。記事で説明すべき答えを出さずに、詳しくは問い合わせてくださいと締めると、読者は最初の疑問を解決できません。
案内文は、例えば「チラシ印刷で選べる用紙と、部数ごとの見積り方法をサービスページで案内しています」と具体化できます。これは説明用の仮例です。実際に用紙と見積り方法を掲載したページがある場合に、その内容へ合わせて使います。
単に「お気軽にお問い合わせください」と書くより、読む方が先へ進む理由を判断できます。本文の話と関係のない事業をまとめて紹介したり、各段落に同じ営業文を挟んだりすると、読みたい説明が途切れます。疑問への回答から依頼条件の確認へ移る箇所に、必要な案内を置くことを考えましょう。
リンクの言葉と、移動先の説明をそろえる
Googleのリンクに関する案内では、リンク文字は具体的で簡潔にし、前後の文脈や移動先と関連させることが勧められています。記事の最後に「こちら」とだけ置くより、「チラシ印刷の対応用紙と見積り方法」のように、先で分かる内容を示すほうが案内を理解しやすくなります。
言葉を直したら、実際にリンク先も確認します。用紙の選択肢を期待して開いたのに、会社の理念だけが並ぶトップページへ着くと、探し直しになります。必要なサービス説明へ直接案内し、移動先の見出しや冒頭でも、記事で読んでいた仕事とのつながりが分かるようにします。
印刷なら、対応できる仕様、用紙、注文や見積りの進め方など、実際に依頼を判断するための説明があるかを見ます。条件が案件によって変わるなら、固定の数字を作らず、何を確認して決めるかを示します。「用紙の説明を見る」という案内から、説明のない入力画面へ突然移すことは避けたいところです。
すでに具体的な依頼内容を決める記事であれば、サービスページを挟まず相談先へ進む案内が合う場合もあります。必ず同じページ順を通らせるのではなく、その時点でまだ分からないことが何かを基準に選びます。
「読まれた」と「先へ進んだ」を、計測できる範囲で分ける
ページの表示回数だけで、本文を理解したかまでは分かりません。Googleアナリティクスの拡張計測の説明でも、ページビューとスクロールは別のイベントです。スクロールの記録があっても、内容への納得や依頼意向を直接示すものではないため、記事の成果を一つの数値で決めないようにします。
見直した案内が使われているかを知りたい場合は、記事から対象サービスへ進んだ記録を確認します。内部リンクのクリックを数える設定があるか、ページ間の移動を確認できるかを担当者に確かめます。拡張計測の離脱クリックは別のサイトへ向かうリンクが対象なので、同一サイト内のボタンまで自動で数えられているとは考えません。
記録がなければ、リンク先と計測対象を決めてから観察を始めます。過去に数えていなかったクリックをゼロ件として扱うことはできません。また、サービスページの閲覧数が増えただけでは、その記事から進んだ増加かは分からないため、確認できた範囲を区別して残します。
修正後は、記事と相談内容の両方を見て判断する
まず一つの記事で、どの案内をどう変えたかと変更日を記録します。対象サービスへの移動、実際の相談の有無と内容を、同じ条件で追います。広告や紹介からの訪問が変わっていれば、記事の修正だけの効果とは断定せず、その変化も一緒に確認します。
案内先へ進む方が増えても、そこで依頼条件が分からなければ、次はサービス側の説明を直す段階です。逆に、記事の閲覧が少ないうちは、短期間で問い合わせがなかったことだけを理由に案内文を何度も変えず、判断できる記録を待つことも必要です。
Bämの問い合わせが来ないときの相談・サービス案内では、訪問の状況、頼める仕事の説明、連絡までのつながりを見て改善範囲を考えます。コラムのアクセス数だけを渡すより、対象記事と案内先、受けたい依頼をそろえると、どこに説明が足りないかを具体的に相談できます。