中小企業の集客は、SNSか自社サイトのどちらか一つを選ぶのではなく、SNSを「知ってもらう入口」、自社サイトを「比較・判断に必要な情報」、問い合わせを「次の行動」として役割分担すると整理しやすくなります。先に相談・応募・購入などの目的を一つ決め、その目的に必要な情報だけを各媒体へ置きます。

毎日投稿することや、すべてのSNSを始めることが目的ではありません。この記事では、少人数の会社でも続けられるように、媒体の選び方、情報の置き場所、担当の分け方、30日ごとの確認方法まで順に説明します。個別の集客手段を探す場合は、マーケティングの記事案内もご覧ください。

最初に決めるのは媒体ではなく、集客の目的

「Instagramを始めたい」「ブログを増やしたい」と媒体から考えると、何を伝えればよいか決められず、更新が止まりやすくなります。まず、今後3か月で増やしたい行動を一つ選びます。問い合わせ、見積もり依頼、来店予約、採用応募、資料請求など、実際に受け付けられる行動にします。

決めること確認する質問記録する内容
対象今、誰のどんな困りごとに応えたいか業種や役職だけでなく、相談前の状況
行動読んだ人に次に何をしてほしいか相談、予約、応募、購入など一つ
判断材料行動前に何が分かれば安心できるか対応範囲、進め方、条件、よくある疑問
受付体制連絡が来たとき誰がどう返すか担当、返信期限、引き継ぎ方法

目的が二つ以上ある場合は、対象と案内先を分けます。採用応募と商品購入を同じ投稿で同時に求めると、読み手が次の行動を選びにくくなるためです。

SNS・自社サイト・相談窓口の役割を分ける

SNSは短い発信や日々の様子を通じて、会社を知るきっかけをつくるのに向いています。自社サイトは、サービスの内容や条件、判断の理由を整理して残す場所です。相談窓口は、読み手が自分の状況を伝え、次の確認へ進む場所です。三つを別々に運用せず、一つの質問に対する流れとしてつなぎます。

SNSで知ってもらい、自社サイトでサービスを比較し、相談や予約へ進む三段階の流れ
SNSは入口、自社サイトは判断材料、相談窓口は次の行動と役割を分け、同じテーマでつなぎます。
場所主な役割載せる内容次につなぐ先
SNS知るきっかけ、日々の接点現場の様子、よくある疑問への短い回答、新しい案内詳しく説明した自社サイトのページ
自社サイト理解、比較、信頼の確認対応範囲、選び方、進め方、公開できる事実、よくある質問相談、予約、応募、購入の窓口
相談窓口個別状況の確認必要な入力項目、返信の目安、準備するもの打ち合わせや見積もりなど次の手順

SNSとホームページの優先順位をもう少し具体的に比べたい場合は、SNSとホームページの役割比較も参考になります。

自社サイトには、判断に必要な情報を蓄える

SNSの投稿は流れていくため、費用の考え方、対応範囲、仕事の進め方など、繰り返し確認される情報は自社サイトへまとめます。投稿のたびに説明を一から作り直さず、詳しい内容は同じ正本ページへ案内できる状態にします。

  • 誰のどのような困りごとに対応するサービスか
  • 対応できる範囲と、別途確認が必要な範囲
  • 相談から開始、確認、公開・納品までの進め方
  • 費用が変わる条件、期間、依頼前に用意するもの
  • よくある質問と、個別相談が必要になる条件

Googleは、検索順位のためだけに量産した文章ではなく、想定する読者に役立ち、読み終えた人が目的を達成するために十分な情報を重視する考え方を示しています。詳しくはGoogle検索セントラルのユーザーを第一に考えたコンテンツの作成で確認できます。記事数を目標にせず、自社で確かめられる判断や経験を加えることが大切です。

SNSでは、一つの話題から詳しいページへ案内する

一つのサービスについて、SNS用とホームページ用に別々の企画を毎回考える必要はありません。お客様から繰り返し聞かれる質問を一つ選び、自社サイトで詳しく回答し、その中から要点、図、確認項目をSNSで分けて紹介します。

  1. 相談時によく聞かれる質問を一つ選ぶ
  2. 自社サイトで、結論、理由、条件、次の行動まで説明する
  3. SNSでは結論や確認項目を短く紹介する
  4. 投稿から、対応する自社サイトのページへ案内する
  5. 実際の質問を受けて、正本ページを見直す

広告で新しい人へ届ける場合は、先に案内先のページと受付体制を整えます。媒体選びは中小企業のWeb広告を選ぶ判断ガイドで確認できます。

少人数でも続くように、三つの担当を決める

一人が企画、執筆、確認、公開、返信をすべて抱えると、通常業務が忙しい時に止まります。専任者を三人置くという意味ではなく、同じ人が兼ねてもよいので、責任の境目を決めます。

役割担当すること止まりやすい点先に決めること
情報を持つ人現場の質問、変更、事実を出す忙しくて材料が集まらない月1回、15分で話す時間を決める
確認する人事実、表現、公開範囲を確かめる確認期限がなく滞留する確認項目と返答日を決める
公開する人文章、画像、リンクを整えて公開する媒体ごとに作り直す正本ページと紹介投稿をセットにする

社内で記事更新まで担えない場合は、すべてを丸投げするのではなく、素材収集、構成、執筆、入稿、分析のどこを任せるかを分けます。外部依頼の考え方はブログ代行の費用と依頼範囲で整理しています。

広告・依頼投稿・口コミは、関係が分かる形で伝える

広告費や商品提供などを伴う投稿は、読み手が通常の感想と誤解しないよう、事業者との関係を分かる形で示します。消費者庁は、事業者の表示であることを判別しにくい表示を景品表示法上の不当表示として指定し、2023年10月1日から施行しています。詳細は消費者庁の景品表示法とステルスマーケティングに関する案内を確認してください。

お客様の声や口コミを紹介するときも、許可を得た範囲、誰の言葉か、編集の有無を確認し、実際より良く見せるための創作は行いません。口コミ運用はGoogle口コミの集め方・返信・管理で詳しく説明しています。

30日ごとに、入口・判断・行動を分けて確認する

フォロワー数やページ閲覧数だけで良し悪しを決めません。入口、判断、行動を分けて記録し、どこで止まっているかを見ます。Search ConsoleではGoogle検索での表示回数、クリック数、平均掲載順位、クリック率などを確認できますが、相談件数とは別の指標です。定義はGoogle Search Consoleヘルプの表示回数、掲載順位、クリック数とはで確認できます。

段階確認する事実見直す例
入口SNSの投稿反応、検索での表示、紹介元対象と話題がずれていないか
判断読まれたページ、よく見られた質問、離脱箇所必要な条件や説明が不足していないか
行動相談、予約、応募、購入の件数と内容窓口が見つかるか、入力項目が多すぎないか
対応返信までの時間、よくある追加質問ページへ戻せる説明や社内手順がないか

Search Consoleやアクセス解析の数字が取得できない期間は、推測で成果を補いません。相談時に「何を見て知ったか」を任意で聞き、記録できる事実から改善します。

質問選び、記事作成、SNSと自社サイトへの公開、反応確認、改善を月ごとに繰り返す流れ
質問を一つ選び、作る、つなぐ、確認する、改善するという小さな循環を月ごとに続けます。

最初の90日は、三つの段階で始める

期間行うこと完了の目安
1〜30日目的、対象、正本ページ、相談窓口を整える誰に何を伝え、どこへ案内するか説明できる
31〜60日一つの質問から記事とSNS投稿を作り、案内先をつなぐ投稿から対応する詳しいページへ移動できる
61〜90日入口、判断、行動の事実を確認し、続ける内容を選ぶ続ける、直す、止める理由を記録できる

動画が本当に必要か迷う場合はホームページに動画を使う判断基準を確認してください。媒体を増やす前に、今ある情報で不足している説明を特定します。

公開前チェックリスト

  • 増やしたい行動を一つ決めた
  • SNS、自社サイト、相談窓口の役割を分けた
  • SNSの投稿から対応する詳しいページへ移動できる
  • 対応範囲、条件、進め方、よくある質問を自社サイトに置いた
  • 情報を出す人、確認する人、公開する人を決めた
  • 広告や依頼投稿は、関係が分かる表示にした
  • 30日後に入口、判断、行動を分けて確認する日を決めた

Bämに相談できること

Bämでは、媒体を増やす前に、会社が誰へ何を伝えるか、自社サイトに残す判断材料は何か、相談までどうつなぐかを一緒に整理します。検索で見つけてもらう情報と公開後の改善を相談したい方はSEO・集客支援をご覧ください。現在のホームページや発信内容を見ながら話したい場合は、Bämへの相談窓口からご連絡ください。

参考資料