
卸売サイトで円と外貨の金額を並べると、取引先は両方の通貨でそのまま発注できると思うかもしれません。実際には、契約や請求で使う通貨は一つに決まっていて、もう一方は比較のための換算額という場合があります。価格欄ではまずどの通貨の金額が取引条件で、どれが参考表示かを明示します。取引先ごとに条件が異なるなら、共通の商品ページで確定額のように見せず、見積りで決まる項目を示します。
取引通貨を価格欄の主役にする
商品ページを作る前に、契約、見積書、請求書で使う通貨を担当者と確認します。例えば円で請求する取引なら、円の金額を「取引通貨」として先に示し、外貨額には「参考換算」と付けます。両方を同じ大きさで並べるだけでは、どちらを支払うのかが伝わりません。外貨で実際に請求する取引先もいるなら、対象と選択条件を分けて設計します。
ジェトロの貿易・投資相談Q&Aでも、契約通貨や価格は取引条件として明記する項目です。この資料が個々の卸売サイトの表示を決めるわけではありません。現行の契約と帳票に合わせて、サイト上の「取引通貨」が何を指すかをそろえます。

参考換算には、基準と更新時点を添える
参考額を出すなら、どの通貨を基準に換算したか、どの時点のレートか、いつ表示を更新するかを価格の近くに置きます。更新されない換算額だけが商品一覧や検索結果に残ると、詳細ページの金額と食い違います。商品一覧、詳細、見積り画面で同じ表示元を参照し、古い額が残らないようにします。
日本銀行の説明では、為替相場は通貨間の交換比率であり、市場での取引と対顧客取引の相場は同じとは限りません。公表相場で計算した参考額を、実際の請求額や決済時の換算額として保証する表現は避けます。レートの出所を示す場合も、それが見積りや決済に使われるかは別に説明します。
金額が確定する段階を発注導線に置く
商品ページの価格が確定価格なのか、取引先向けの概算なのかを明確にします。見積りで通貨・単価が決まるなら、「参考換算であり、見積書の取引通貨と金額を確認してください」と価格欄と見積りボタンの近くに置きます。注文画面で確定するなら、最終確認画面に支払通貨、金額、別途費用の扱いをまとめます。サイト内の参考額から確定額へ変わる時点を、取引先が追えるようにします。
決済サービスを利用する場合も、画面に見える通貨と事業者が受け取る通貨は区別が必要です。Stripeの通貨に関する資料は、顧客への請求通貨と事業者の受取通貨を別の概念として説明しています。これは実装例であり、特定のサービスや換算方式をこのサイトへ採用すべきという意味ではありません。

帳票まで同じ言葉で確かめる
商品ページだけで検収を終えず、見積書、注文確認、請求書まで一件の取引を通して読みます。通貨記号だけでは同じ記号を使う通貨があるため、必要に応じて通貨コードや名称を添えます。端数処理、送料、税、銀行手数料などが変わる取引では、参考換算額に含む範囲も確認します。サイト制作側だけで決めず、営業・経理・取引実務の担当者と文言を合わせます。
Bämの卸売・商社向けホームページ制作では、商品情報と取引までの導線の整理を相談できます。価格表示の改修では、まず実際の見積書と請求書を基に取引通貨を確かめ、参考換算をどこにどう添えるかを決めます。
参考資料
- ジェトロ:輸入における価格および取引条件の決定方法
- 日本銀行:為替相場とは何ですか?
- Stripe Documentation:Supported currencies
- Bäm:卸売・商社のホームページ制作
資料確認日:2026年9月26日。対象会社の契約、適用レート、決済方法は未提示のため、取引通貨と価格確定条件は個別に確認が必要です。
