SaaSの料金ページで月額を大きく表示していても、検討する方が自社の費用を見通せるとは限りません。一人あたりなのか、一社あたりなのか。設定を頼む費用は別なのか。安く見えるプランが、自社の人数や契約期間でも使えるのか。数字の周りにある条件が分からないと、比較が止まってしまいます。
料金ページを作るときは、利用人数や使用量、初期設定、追加支援、契約期間をプランごとにそろえます。すべてを一つの金額に含める必要はありません。どこまでが表示価格に含まれ、何によって費用が変わるかを、価格と一緒に読めるようにします。
月額のすぐ近くに、数える単位と契約の前提を書く
まず確かめたいのは、料金を計算する単位です。一人ごとの課金、一つの契約で一定人数まで使える方式、利用量に応じて変わる方式では、同じ月額表示でも意味が違います。「月額」の下に、誰が何をどれだけ使ったときの金額かを示します。
人数で変わるなら、最低契約人数、追加できる単位、閲覧だけの利用者を数えるかも、実際の料金体系に合わせて説明します。容量や処理件数に上限があるなら、超過後に追加料金が発生するのか、上位プランへの変更が必要なのかを案内します。
kintoneの公式料金ページでは、コースごとの料金と最小ユーザー数、機能やサポートの違いを並べ、月額・年額の契約についても説明しています。ここで参考にするのは、金額を成立させる条件を同じ場所で比較できる見せ方です。他社の人数条件を、自社のサービスに当てはめるものではありません。
税を含むかどうかも、価格の近くに表示します。年間料金を月あたりに換算して示す場合は、月単位で契約・支払いができる価格と混同されないよう、年間契約であることと支払う総額を併記します。
利用料と、使い始めるための作業を分ける
「初期費用なし」と書く場合は、何の初期費用が不要なのかを確認します。サービスのアカウント発行は無料でも、既存データの整理・移行や、運用に合わせた設定を依頼すると費用がかかるなら、その仕事は別に案内する必要があります。
ここでは、社内の申請を扱う架空のSaaSを例に考えます。標準の申請ひな型を使い、購入した会社が自分で設定するプランと、提供会社が設定を支援するプランがあるとします。両方に同じ申請機能があっても、導入時に任せられる仕事は違います。
料金表では「導入サポート:あり」だけで済ませず、「設定手順の案内」「初回の設定相談」「申請経路の設定代行」のように、実際に含む仕事を示します。相談に答えることと、作業を代わりに行うことを区別すると、利用料にどこまで含まれるかを説明しやすくなります。

導入支援が任意なら、自社で進める場合と依頼する場合の違いを示します。特定プランで必須の設定費があるなら、選んだ後で初めて分かる形にせず、そのプランの料金と同じ場所から確認できるようにします。
プラン比較は、同じ質問へ答える行をそろえる
料金表の行は、機能の有無だけでなく、費用の前提を比較するためにも使えます。項目が片方にしかないと、「含まれない」のか「書かれていないだけ」なのかが分かりません。各プランで同じ順番に答えを置きます。
以下は、料金ページを作る際の項目案です。すべてを入れる決まりではなく、自社で費用や選択に影響するものを選びます。
| そろえる項目 | 各プランで書くこと |
|---|---|
| 利用料の単位 | 人数・契約・使用量のどれで計算し、最低条件は何か |
| 含まれる機能と上限 | 選択に影響する機能、人数・容量・件数などの範囲 |
| 導入時の費用 | 初期設定やデータ移行が必要か、誰が行うか |
| 利用中の支援 | 問い合わせ対応と、別料金の作業・個別相談の範囲 |
| 契約と支払い | 契約期間、請求の単位、変更・終了時の確認先 |
架空の申請SaaSなら、設定を自社で行うプランには「手順書を見ながら自社で設定」、支援を受けるプランには「担当者との相談で初期設定を進める」と書けます。提供会社がすべて代行するのでなければ、「設定不要」と言い換えないようにします。
追加の支援が個別見積りの場合は、空欄や小さな記号だけにせず、「既存データの整理・移行は内容を確認して見積り」のように記します。比較表を読んだ時点で、何がまだ金額に含まれていないかを判断できる状態にします。
契約期間と、人数を変えるときの条件も見える場所へ
契約期間と請求の頻度は、必ずしも同じではありません。年単位の契約を月ごとに支払う方式なら、「月払い」だけで月単位の解約ができるように見せないことが大切です。価格欄に契約期間を添え、詳しい更新や終了の手順へ案内します。
利用人数の追加・削減、プランの変更がいつ反映されるかも、導入後の費用に関わります。即時に変えられるものと、次の契約更新で変えるものを、自社の規定に沿って説明します。細かな条件が多い場合でも、重要な前提まで規約の奥に置かず、料金ページで要点を伝えます。

個別見積りに進む前に、何を聞くかを伝える
導入する部署や必要な支援によって費用が変わるサービスでは、料金をすべて公開することが難しい場合もあります。その場合も「お問い合わせください」だけで終えず、見積りの判断に使う条件を説明できます。
例えば、利用人数、使いたい業務、移したいデータの有無、依頼したい設定作業などです。まだ決まっていない項目も相談できるなら、そのことを添えます。見積り前に何を整理しておくと話が進むかが分かれば、料金ページから相談へつながります。
公開前には、料金を決める担当者と支援を行う担当者に同じ表を見てもらいます。価格の計算と、実際に提供する仕事の範囲が合っているかを確認するためです。プランを変えた際は、営業資料や申込み画面にも同じ条件が反映されているかを確かめます。
BämのIT・BtoBサービスのホームページ制作では、御社のサービス資料や商談での説明から、機能・支援・費用の条件を原稿と表へ整理します。SaaSの仕様と料金を御社に確認いただきながら、導入を検討する方が比較しやすい紹介ページを作ります。