催事でお客様と話していると、「次はネットでも買えますか」と聞かれることがあります。気に入ってくださった品を、出店日以外にも選べるようにしたい。そのためのECサイト制作は、会場に並べる商品をすべて登録するところから始めなくても大丈夫です。

先に整理したいのは、発送できる商品、その商品を一度に買える数、数に応じた送り方です。この三つが決まると、商品ページで伝える内容と、カートで計算する条件がつながります。催事での手渡しと同じ感覚で受注してから送料を調整する手間も減らせます。

枚方市で催事販売からネット販売へ進む方へ、布雑貨を扱うお店を例に、制作を依頼する前の整理をご紹介します。商品区分・受注方式・発送条件・登録担当を一枚にまとめ、写真や原稿の準備と、必要な機能を具体化していきます。

催事で知っていただいた品から、発送する商品を選ぶ

枚方宿には、手作り品を紹介する市があります。主催者は新ロゴの案内で、名称を「五六市」から「56市」へ変更すると知らせています。出店を通して品物を知っていただける地域では、会場での会話や反応が、ネット販売を考える手がかりになります。

ただ、会場で人気の品と、最初に発送しやすい品が同じとは限りません。手に取って形を確かめ、そのまま持ち帰れる立体作品もあります。配送時に形を保つ包み方や箱が決まっていなければ、まず紹介を続けながら、発送の準備を進める方法があります。

ここからは、布ポーチP02と立体の布リースW02を販売するお店の架空例です。P02は同じ仕様で作る定番品で、一点・二点の梱包を試して外寸と重さを確認した設定です。W02は催事での手渡しのみ。配送用の梱包はまだ確認できていません。

このお店の最初の通販商品はP02にします。W02も作風を伝える作品として紹介できますが、購入ボタンの代わりに「催事でお渡ししている作品です。現在、ネットからのご注文・発送は承っていません」と添えます。発送準備中という理由を「売り切れ」に置き換えず、今利用できる買い方を伝えます。

布ポーチP02はネットで注文を受け、布リースW02は催事での手渡しを紹介する商品区分の図

一点を送れることと、まとめ買いに対応できることを分ける

P02を一点、保護材と封筒に入れた外寸は32×23×2.5cm、重さは180gとします。日本郵便のゆうパケットでは、三辺の合計60cm以下、長辺34cm以内、厚さ3cm以内、重さ1kgまでが対象です。この一点の梱包は、寸法・重量の条件内に収まります。

同じ封筒に二点を入れると、外寸32×23×4.2cm、350gになりました。三辺の合計は59.2cmで、重さも1kg未満ですが、厚さが3cmを超えます。「小さなポーチだから二点も同じ送り方」とは判断できません。ここで比べるのは、裸の商品寸法ではなく、発送できる状態に包んだ荷物です。

二点の場合は、外寸24×18×8cm、400gの箱にまとめる設定にします。三辺の合計は50cmなので、ゆうパックの60サイズの寸法区分に入ります。実際に採用する際は、寸法だけでなく、配送中の保護、受け取り方、補償なども含めてお店で選びます。

三点以上の梱包は未確認のため、開店時のP02は一注文二点までにします。これはこの店の準備範囲であり、配送会社がポーチの購入数を二点に制限しているわけではありません。商品ページには上限を短く添え、カートも二点を超えて注文できない設定にそろえます。

数量で送る方法が変わると、送料の設定も必要になります。一点と二点それぞれについて、発送元、お届け先の範囲、使う梱包、現在の運賃、箱や封筒の費用を確認し、お客様に案内する送料を決めます。制作会社には、その確定した条件を渡します。

販売方法の制作要件票を、商品と画面が結び付く形にする

整理した内容は、商品一覧とは別に、販売方法のメモとして残すと相談に使いやすくなります。次の記入例では、「何を載せるか」だけでなく、「何が注文でき、どこで条件が変わるか」まで書いています。

整理する項目 販売方法の制作要件票・記入例
商品区分 P02は発送する定番の布ポーチ。W02は催事で手渡す布リースとして紹介し、ネット注文の対象から外す。
受注方式 P02は完成品の在庫販売。一注文二点まで。受注制作や発送未確認のW02との同時注文は受け付けない。
発送条件 P02一点は封筒でゆうパケット、二点は箱でゆうパック60サイズ。国内の確認済み配送範囲で開始し、数量・お届け先に合う送料を決済前に表示する。
在庫の扱い P02全体十点のうち、催事用六点・通販用四点を分けて保管。通販の初期在庫は四点。一注文の上限二点とは別に管理する。
登録担当 店主が商品仕様・販売可否・送料・在庫配分を確認。初期登録と動作設定は制作会社へ依頼し、公開後の販売数と在庫は店主が管理する。

「商品登録二点」と伝えるだけでは、P02もW02も購入できる画面になるかもしれません。この票なら、販売する商品と紹介だけの作品が分かれます。初期制作の見積りでも、商品ページの数と、注文を受ける商品数を分けて話せます。

在庫も、店全体の十点をそのまま通販へ登録しない形です。催事に持っていく六点と通販用四点を実物でも分けます。通販で二点売れたら通販分は残り二点。一方、催事で六点売れても、分けて保管した通販分が自動でゼロになる扱いにはしません。

催事用から通販用へ補充するときは、売れていない現物を確かめ、移す数を在庫メモへ記録してから通販の数を増やします。同じ一品を両方の販売枠へ数えなければ、最初は手動でも運用しやすくなります。自動連携を希望する場合は、利用する販売・在庫サービスと接続できるかを別に相談します。

商品ページの説明と、カートの計算をそろえる

P02の商品ページには、現物の写真、素材、寸法、価格に加え、「一注文二点まで。一点はゆうパケット、二点はゆうパックでお送りします」と、購入数に関わる条件を置きます。詳しい配送案内へ移動しなくても、数量を選ぶ前に概要が分かる位置が適しています。

写真は、催事の売場全体と、今回注文するP02を区別して用意します。売場写真はお店の雰囲気に使い、商品ページはP02の全体、口を開けた状態、縫い目や厚みが分かる写真を中心にします。リースや撮影用の小物が一緒に写る場合も、届くものがポーチであることを説明とそろえます。

カートでは、P02を一点から二点へ増やした際、配送方法を箱での発送へ切り替えます。二点なのに安い方の送り方を選べる状態では、お店が注文後に差額を相談することになります。数量と配送先に応じた方法・送料・合計が、支払いを確定する前に読めるよう制作を依頼します。

P02一点は封筒、二点は箱とし、購入数に合わせて配送方法と送料を切り替える図

二点から一点へ戻したときも、配送方法と送料を計算し直します。お届け先を変えた場合は、その地域で注文できるかと送料を更新します。入力の途中で条件が変わったことを短い表示で伝えれば、お客様は今回の内容を確かめてから購入できます。

通販在庫が最後の一点になったときは、一注文の上限が二点でも、二点の注文は受けられません。数量欄は「お店で決めた上限」と「今販売できる在庫」の両方を満たす必要があります。在庫四点の開店時だけでなく、残り一点でも試すことを、設定の確認項目に加えます。

支払方法は、店主が確認しながら運用できるものを選びます。この例ではカード決済から始める方針とし、契約や手数料、入金の確認方法を調べてから採用します。会場で使う決済端末がある場合も、その契約をネット販売へ使えるとは限らないため、サービス側へ対応を確かめます。

制作会社には、決済が完了した注文を店主が見分けられることと、その注文の数量・配送方法を発送準備に使えることを依頼します。注文を受けた通知、支払い完了、発送済みの記録を分け、通知メールが届いただけで発送済みになるような混同を防ぎます。

文章で案内することと、仕組みで制御することを分けて依頼する

W02の「催事での手渡しのみ」という案内や、P02の商品説明は原稿の準備です。これに対し、W02をカートへ入れられないこと、P02の上限二点、数量による配送方法の切り替えは動作の設定です。文章を追加しただけでは、注文条件そのものが変わらない場合があります。

相談時は、使用する予定のネットショップサービスや、現在のサイトがあればURLを添えます。その仕組みで数量別の送料を設定できるか、追加機能が必要かを、制作会社に確認してもらいます。対応できると分かる前に、サービス名だけで制作範囲を決めなくてよいのです。

必要な資料は、P02とW02の写真・商品仕様、梱包後の寸法と重さの記録、配送範囲と送料、販売方法の制作要件票です。まだ決まっていない項目は、例えば「三点の梱包は試していないため、今回は二点まで」のように書きます。未決定の条件を、今回の受注範囲から外して説明できます。

店主が確認する内容と制作会社へ頼む作業も分けます。店主は現物・梱包・価格・販売可否を決め、制作会社はその情報をページ、数量欄、送料設定、管理画面へ反映します。商品撮影、初期登録、設定後の確認、公開後の商品追加を、どこまで依頼するか話し合います。

P02の全在庫十点を催事六点と通販四点に分け、通販の一注文上限二点を別の条件として扱う図

BämのECサイト制作では、商品登録・決済・送料・注文管理を整理し、商品数や配送条件、外部連携によって作業を検討します。この票を自店の販売画面へどう反映するか迷われたら、枚方市のホームページ制作・改善のご案内からご相談いただけます。実際の商品と販売方法が分かる資料をもとに、必要な画面と機能を一緒に整理できます。

一点・二点・注文対象外を、公開前に確かめる

制作後は、スマートフォンでP02を一点選び、封筒での配送方法と送料が出るかを見ます。次に二点へ増やし、箱の方法へ変わること、合計が更新されることを確認します。一点へ戻す操作も行い、二点用の送料だけが残らないかを照合します。

続いて三点を入力しようとしたとき、上限が分かる案内が出るかを試します。W02には購入ボタンがなく、紹介ページから誤って決済へ進めないかも確認します。お客様が受け取る注文内容と、店主の管理画面で見る商品・数量・発送方法が一致するところまで見ます。

公開後に梱包材を変えるときは、P02の一点と二点を包み直して確認します。厚みが増えれば、以前の方法を使えなくなる可能性があります。商品説明、送料設定、発送担当の手順を同じ条件へ直し、販売中の画面でも再度注文の流れを確かめます。

変更前に受けた注文は、その時点の商品数・送料・配送方法を注文記録で確認します。これからの注文に使う設定を直したことだけで、既に決済された注文へ新しい送料を当て直す運用にはしません。お約束した方法で送れない事情が生じた場合は、該当するお客様へ状況と対応案を伝え、確認してから進めます。

三点以上の販売やW02の発送を始める際も、先に包み方と送料を決めてから受注範囲を広げます。初めからすべてをそろえるより、お客様に案内できる条件と、お店で続けられる作業が対応していることが大切です。その形が決まれば、次に追加する商品や機能も選びやすくなります。

催事で出会ったお客様が、ご自宅からも安心して品物を選べるように。商品と梱包のメモから、最初のネット販売に必要なページと機能を考えます。

ネット販売の準備をBämに相談する

参考資料

確認日:2026年9月8日