会社サイトに取引先の社名を並べると、どんな会社と仕事をしてきたかが短時間で伝わります。ただ、以前に一度納品した相手を「現在の取引先」と見せると、読む人は今も継続して取引していると思うかもしれません。取引の事実と時点を確かめ、現在の関係と過去の実績を別の見出しで示すことが、掲載の出発点です。
「取引先」と「実績」で、伝える時点を分ける
取引先一覧は、現在も仕事の関係がある会社を紹介する欄として読まれやすいものです。一方、過去の実績は、その仕事をした当時の事実を残す欄です。掲載前に、継続中の契約や発注があるのか、単発の納品で終わったのかを営業・制作の記録から確かめます。数年前の取引でも価値のある実績はありますが、現在の提携先という見せ方に置き換える必要はありません。
「主要取引先」と書く場合は、どの期間と基準で選んだのかも社内で揃えます。社名を大きく並べた画面は、取引量や推薦まで示しているように受け取られることがあります。単に一度の発注があっただけなら、案件の内容と当時の担当範囲を説明する実績ページの方が正確です。共同開発や公式パートナーなどの言葉は、実際の関係と公開可能な名称が確認できた場合だけ使います。

社名より先に、取引記録と担当範囲を確認する
候補を集める際は、契約書、発注書、納品記録、営業担当の管理情報を見比べます。確認したいのは、正式な法人名、実際に取引した部署、仕事の内容、最後に仕事をした時期です。親会社の名前で紹介したいが、契約相手は別のグループ会社だったという場合は、公開する名称を契約先に確認します。売上や契約金額を公開する必要はなく、何を担当したかが伝わる粒度で足ります。
古い案件を実績として残すなら、当時の仕事だと分かる時期と担当範囲を添えます。その時点では扱っていた商品や設備が今は変わっている場合もあります。過去の案件写真を現在の対応力の証明として置く前に、現行の事業内容と矛盾しないか確かめてください。実績から現在の事業案内へつなぐときも、できる仕事の範囲は今の情報で説明します。
社名、ロゴ、案件内容は別々に公開範囲を聞く
取引の事実があっても、相手が社名を会社サイトに出したいとは限りません。契約上の秘密保持条件を確認したうえで、先方の窓口に社名、ロゴ、案件写真、担当した内容をそれぞれ載せてよいか確かめます。社名の許可があっても、ロゴや仕事の詳細まで自動的に含めません。掲載場所、文面、公開期間も共有し、回答を残しておくと更新時に迷いません。
公開の意思を確認する実例として、愛知労働局の賛同事業場一覧では、事業場名の公表に承諾を求め、回答がない場合は非公開として扱っています。この制度が一般の取引先掲載のルールになるわけではありませんが、実名を出す前に相手の意向を確認する方法の参考になります。許可を得られない案件は、社名を外したうえで業種や仕事の内容が特定につながらないかも見直します。

公開後も関係が変わったときに直せる形にする
公開後に取引が終わったり、相手の社名が変わったりすることがあります。取引先一覧と実績ページを別にしておけば、現在の一覧から外した後も、許可された過去の実績は時点を示して残せます。掲載をやめてほしいという連絡が来たときに対応できるよう、掲載の承認記録とサイト上の掲載箇所、更新担当を結び付けておきます。
Bämのコーポレートサイト制作では、事業内容、実績、仕事の進め方を相談前に分かる形へ整理し、実績を更新できる構成も検討します。取引先名を載せるかどうかは、数を増やすためではなく、読者が今相談できる仕事を判断できるかで決めます。確認できる取引記録と公開範囲に合わせて見出しと説明文を作れば、過去の仕事も今の会社の案内も正確に伝えられます。
参考資料
資料確認日:2026年9月26日。特定企業の取引記録や掲載許諾は未提示のため、本文に実名の取引事例は記載していません。