二社からホームページの制作提案を受け取ると、一社はサービスを一ページにまとめ、もう一社は用途ごとにページを分けていることがあります。ページ数も見積金額も違うため、どちらが十分な提案なのか迷いやすい場面です。

比較の出発点は、同じ目的に対して、訪問者のどの疑問をどこで解決する案かを確かめることです。ページ名を横に並べるだけでなく、中に載せる説明と、読む人がたどる順序まで対応させると、構成の違いを判断できます。

両案が想定している相手と目的を揃える

まず、二社が同じ人に向けて提案しているかを確認します。既存のお客様が会社情報を調べるための構成と、初めての方が商品を選び見積りを相談するための構成では、必要な説明が変わります。

ここでは、包装資材会社が、商品に合う箱を相談したい新規のお客様を増やす架空例を考えます。相談前に知りたいのは、どの用途に対応するか、既製品と特注のどちらを選べるか、見積りに何が必要かです。

一方の提案が会社案内中心で、もう一方が用途別の商品相談を想定しているなら、そのまま価格を比べる前に目的を合わせます。「初めて箱を選ぶ方が、対応範囲を理解して相談できること」を共通条件として伝え、各案でどう実現するかを説明してもらいます。

ページ一覧に、読者の疑問を書き添える

次に、構成案の各ページで何を説明する予定かを確認します。「商品紹介」という名前だけでは、商品写真を並べるのか、用途・寸法・材質の選び方まで載せるのかが分かりません。

架空のA案は、商品紹介の一ページに既製品と特注の説明をまとめる構成です。B案は、発送用・店頭販売用などの用途ページと、特注の相談ページを分ける構成とします。比較するときは、次のように疑問を基準に並べます。

読者の疑問 A案の掲載場所 B案の掲載場所
発送する商品に合う箱はあるか 商品紹介内の用途・寸法の説明 発送用の用途ページ
特注できる条件は何か 商品紹介内の特注の説明 特注の相談ページ
見積り前に何を用意するか お問い合わせ前の案内 特注の相談ページと相談入口
構成比較の架空例です。実際には、各社が提案した掲載内容を確認して埋めます。

この表が埋まれば、A案は情報が足りないのではなく、同じページの中にまとめていると分かるかもしれません。逆に、B案はページ名が細かく分かれていても、それぞれで何を説明するかは未定ということもあります。記載がない項目は「含まれない」と決めつけず、確認事項として残します。

合う箱、特注、見積り準備という疑問を、各社の構成案の掲載場所と照合する図
同じ疑問への答えが、両案のどこにあるかを探します。

まとめる案と分ける案の理由を聞く

一ページにまとめる案では、関連する情報を続けて読めるか、途中で必要な箇所を見つけられるかを見ます。商品全体を比べながら特注の相談へ進めるなら、まとまっていることが役立つ場合があります。

ただし、単に長くつなぐだけでは、目的の説明を探しにくくなります。W3C WAIの見出しの解説でも、見出しはページの内容構造を伝え、ページ内の移動にも役立つとされています。一ページ案を比べる際も、用途や特注条件をどの見出しで区切るかを確認します。

用途別に分ける案では、それぞれのページに固有の説明があるかを見ます。発送用なら配送時の保護、店頭販売用なら見せ方や陳列など、選ぶときの条件が異なるなら分ける理由になります。同じ商品写真と同じ文章を名前だけ変えて置く案なら、分けることで読者に何が増えるかを尋ねます。

ページ数が多いだけで検索に強くなる、少ないだけで分かりやすくなるとは判断しません。各ページを独立させる理由と、読者に必要な説明の量を合わせて確認します。

一つの相談場面で、入口からたどってもらう

構成図を眺めるだけでは違いが分かりにくい場合、同じ場面で各案を説明してもらいます。例えば「今の商品に合う発送用の箱が分からず、特注も含めて相談したい」という訪問者なら、どこから入り、何を読み、どの相談先へ進むのかをたどります。

A案では商品紹介の見出しを順に読むのか、B案では発送用ページから特注へ移るのかを確認します。途中で説明が途切れる、同じ内容を何度も読む、相談前に必要な条件が見つからないといった違いが、修正を依頼する材料になります。

この段階で完成デザインを作り込む必要はありません。ページ名と主要な見出し、関連ページへの案内が分かる資料があれば、読む流れを比較できます。

一ページ案は見出しで必要情報が見つかるか、用途別案は違いを説明できるか、両案は相談へ進めるかを確認する図
ページの多さではなく、分け方の理由と情報を探す流れで比べます。

不足を補った構成で、制作範囲を確かめる

比較で必要な説明が増えたら、その内容を入れた場合の制作範囲を確認します。A案の一ページを長くするのか、別ページを追加するのか。B案では各用途の原稿や写真を誰が用意するのか。構成の修正が見積りや準備にどう影響するかを聞きます。

公開後に商品や用途が増える予定なら、どこへ追加し、誰が更新する想定かも確認すると、今の構成を選ぶ材料になります。他社の案からページ名だけを足し合わせるより、自社の読者に必要な説明を残し、その説明を作り維持できる案を選びます。

Bämの相見積りで依頼内容を決めるためのご相談では、目的と掲載内容、準備の分担を確認し、Bämへ任せたい制作範囲を整理します。他社の未記載条件は推測せず、各社へ同じ疑問を確認できる形にすると、構成の違いと必要な費用を結び付けて比べられます。

参考資料