介護事業所のホームページには、ご本人やご家族だけでなく、働く場所を探している方も訪れます。利用案内と採用情報を一つのページへ足し続けると、サービスの説明の途中に求人が入り、見学のボタンもどちらの申込みか分かりにくくなることがあります。
同じサイトで案内するなら、支援の考え方や事業所の基本情報は共有し、利用するための条件と、働くための条件を別のページにまとめます。さらに、各ページの最後まで目的を保ち、利用相談と採用の窓口へそれぞれ案内します。
共通に伝えるのは、どんな支援を大切にしているか
利用案内と採用情報を分けても、事業所の紹介を二つ作り直す必要はありません。運営する法人、所在地、提供しているサービス、支援で大切にしている考え方は、どちらからも確認できる基本情報です。
例えば、「一人ひとりの過ごし方を大切にする」という方針を掲げる、架空の通所介護事業所を考えます。事業所紹介では、活動への参加を一律に決めず、その日の希望を聞いて過ごし方を相談するという、普段の関わり方を説明します。実際の事業所では、現場で行っていることを確認して書きます。
その方針を、利用案内では「どのように一日を過ごせるか」へつなげ、採用情報では「職員が希望をどう聞き、ほかの職員と共有するか」へつなげます。理念の文章を丸ごと二か所へ置くより、それぞれの判断に必要な具体的な説明を加えると、同じ方針が違う場面で伝わります。
利用案内と採用情報には、それぞれ独立した入口を作る
トップページでは事業所の概要を伝えたうえで、「サービスの利用案内」と「採用情報」を選べるようにします。メニューにも同じ名前を使い、求人を探すために利用案内の最後まで読まなければならない構成を避けます。
架空の通所介護事業所なら、利用案内には、提供するサービス、対象や地域、利用する日の流れ、費用の確認方法、相談の手順をまとめます。ご本人やご家族が、何を相談できる事業所かを確かめるためのページです。個別の利用可否を、ホームページの説明だけで確定する案内にはしません。
採用情報には、職種ごとの仕事、勤務する事業所、勤務時間などの募集条件、職場を知る方法、応募の手順をまとめます。「職員紹介」だけで終わらず、募集している仕事と現在の条件を確認できる場所へつなげます。

サービスや募集職種が少ないうちは、大きなサイトにする必要はありません。共通の事業所紹介、利用案内、採用情報を基本に、詳しい条件が増えた部分を個別ページへ分ける構成から考えられます。ページ数より、目的に合う説明へ進めることを優先します。
「見学する」の前に、何の見学かを示す
介護事業所では、利用を検討する方も、就職を考える方も見学を希望することがあります。「見学はこちら」という同じ言葉だけでは、進んだ先でどんな説明を受けられるかが分かりません。
利用案内の近くには「利用を検討する方の見学・相談」、採用情報には「就職を考える方の職場見学」のように、目的を含めた名前を付けます。実際に受け付けている内容に合わせ、見学と応募を別に受け付けるなら、その違いも説明します。
公開されている例として、ケアホームちどりの職場見学ページでは、採用向けの見学申込みであることを示し、施設利用を検討する方には別のお問い合わせ先を案内しています。同じ施設への見学でも、目的を先に示す参考になります。
電話番号が共通の場合も、番号を二つ用意しなければ分けられないわけではありません。それぞれの案内に、電話で伝えてほしい用件や受付の担当を添えます。問い合わせ画面を共用する場合は、利用相談か採用に関する連絡かを選べるようにし、利用相談の方へ応募用の情報を求めない形にします。
写真と一日の紹介は、何を知りたい場面かで使い分ける
同じ事業所の写真でも、利用を考える方と働く方では、確かめたい内容が異なります。利用案内では、どんな空間で過ごし、どのような関わりがあるか。採用情報では、職員がどんな仕事をし、誰と協力しているかが説明の中心になります。
架空例の活動時間を紹介するなら、利用案内には「希望を聞きながら活動を選ぶ」という過ごし方を、採用情報には「活動の準備や声掛け、職員同士の情報共有」という仕事を記します。利用者の一日と職員の勤務の流れを同じ表で済ませず、誰の一日を示しているかを見出しで分かるようにします。

掲載する写真は、写っている方や利用場面について、使用するページを含めた掲載範囲を確認します。利用案内で使っている写真を採用ページにも広げる場合は、すでに載っているからと判断せず、今回の使い方まで確認します。使える写真がなければ、許可された室内写真や、職員が説明する写真から構成を考えられます。
利用相談と応募の二つの道筋を、別々にたどる
ページができたら、トップページから利用内容を調べて見学・相談へ進む流れと、仕事内容を調べて募集条件・応募へ進む流れを、それぞれスマートフォンで確認します。途中で目的の違う窓口へ移っていないか、戻って探し直す場所がないかを見るためです。
検索から採用ページへ直接入る方もいます。そのページだけを読んでも、どの事業所の、どの仕事の案内かが分かるようにします。複数事業所を運営している場合は、利用案内と募集条件の双方で対象の事業所名を示し、共通の説明と拠点ごとの差を区別します。
募集を終えたときは採用側の状態を直し、利用相談を受け付けていることまで終了したように見せないことも必要です。反対に、利用に関する案内の変更を、求人条件の変更と混同しないようにします。共通の事業所情報と、それぞれの条件を分けておくと、直す場所も判断しやすくなります。
Bämの介護・福祉のホームページ制作では、現在の案内や職員のお話から、支援の説明と利用・見学・採用の入口を整理します。事業所で確認した内容をもとに、同じサイトでも目的に合う情報へ進める構成と原稿を作ります。