これまでは図面を受け取って部品を加工する仕事が中心だったけれど、自社で企画した製品も販売するようになった。ホームページを作り直すとき、両方を「製品紹介」に並べてよいのか迷うことはありませんか。
先に決めたいのは、加工を依頼したい方が進む入口と、完成した自社製品を購入したい方が進む入口です。同じ工場で作っていても、見積もりに必要な情報と、購入前に確かめたい情報は違います。会社として共通する技術や姿勢は伝えながら、それぞれの目的に合う説明と連絡方法を用意します。
八尾市で町工場のホームページ制作・見直しを考えている方へ、加工受託と自社製品の二つを営む会社の例を使い、ページ構成、写真、問い合わせ、販売先への案内を整理する方法をご紹介します。
技術を知った方と、製品を気に入った方の次の行動を考える
八尾市の市の概要では、歯ブラシ、金属製品、電子機器など、多様なものづくりが紹介されています。また、令和7年度の公民連携の取組みには、近鉄八尾駅のギャラリーで、技術や製品、企業の取組みを紹介する案内があります。
このように、会社名や技術だけでなく、身近な製品から作り手を知るきっかけもあります。自社のホームページでは、加工方法に興味を持った方と、見かけた製品を探す方が、それぞれ必要な説明へ進めると親切です。地域の展示へ出ているかどうかは会社ごとに違うため、自社については実際の紹介先と問い合わせの内容から考えます。
ここからは、八尾市で薄板の切断・曲げ・穴加工を受ける工場A01の架空例です。図面をもとに部品の加工を相談できる事業と、自社企画のブックエンドBE01を販売する事業があります。ホームページには、曲げと穴加工を説明する自社製の加工見本S01の写真も載せる設定です。
S01は加工の相談に使う見本で、その形のまま購入する商品ではありません。一方、BE01はチャコール色のL字形ブックエンド二枚を一組として販売する製品です。個別の図面を送らず、仕様を確かめて販売ページから購入できます。この違いが、写真の一覧を見た段階から伝わるようにします。

事業別のサイト構成表を、一件ずつ埋める
先にページ数を決めるより、「何のために見に来るか」「何が分かれば次へ進めるか」を書き出します。A01なら、加工の依頼を検討する場面と、BE01を購入する場面を一つずつ選べば、必要な説明の違いを確認できます。
次の表は、制作会社へ渡す事業別のサイト構成表の記入例です。会社情報や工場紹介は共通にしつつ、利用目的、必要情報、販売・相談方法を分けています。
| 整理する項目 | A01の事業別サイト構成表・記入例 |
|---|---|
| 利用目的 | 加工受託:図面のある部品を作れるか、数量と希望時期を伝えて相談する。自社製品:BE01を掲載仕様のまま一組購入する。 |
| 必要情報 | 加工受託:材料・形状・担当する加工・相談後の確認。S01は加工見本と明記。自社製品:BE01の用途・寸法・色・二枚一組の内容・購入方法。 |
| 販売・相談方法 | 加工受託:「図面・条件から加工を相談する」へ。内容確認後に可否と見積もりを案内。自社製品:「BE01の販売ページへ」進み、価格・送料・発送条件を確認して注文する。 |
| 共通情報 | 運営会社A01、工場の所在地、ものづくりの考え方、確認済みの工程紹介は共通ページへ。相談条件や製品の仕様は、それぞれの詳細ページで管理する。 |
加工受託の内容は営業と加工担当、自社製品の内容は製品・販売担当が確認します。会社情報は総務や経営者が現行資料と照合します。加工担当が知っている技術だけで販売条件を決めたり、販売担当が工場の設備写真から受託できる範囲を推測したりしない進め方です。
会社によっては、自社製品を販売店で購入していただく場合もあります。その場合は購入先の名称と探し方に置き換えます。表を埋める目的は、すべてを自社サイトで完結させることではなく、普段の受注・販売に合う行き先を決めることです。
トップページには、二つの仕事が伝わる入口を置く
A01のトップページは、会社の短い紹介に続けて、「部品の加工を相談したい方へ」「自社製品をお探しの方へ」の二つを置く案にします。受託事業だけを大きく説明し、自社製品を最下部の小さなリンクにするより、どちらも会社の仕事だと最初に分かる構成です。
入口は「法人のお客様」「個人のお客様」という区分より、利用目的で分けると選びやすくなります。例えば、企業の担当者が事務所用にBE01を一組買いたいなら、進む先は自社製品です。会社名があるから加工の見積もりへ案内するのではなく、何をしたいかで選べる言葉にします。
加工受託の入口には「図面や条件をもとに、部品加工の可否・見積もりをご相談いただけます」と添えます。自社製品の入口には「工場で企画したブックエンドをご紹介します。仕様と使い方を確認して、販売ページへ進めます」と書けます。単に「詳しくはこちら」を二つ並べるより、移動した先が予測できます。
会社紹介、沿革、工場へのアクセスなどは、両方から読める共通の情報として残します。受託と自社製品を分けるために、同じ住所や会社概要を二つのサイトへ複製する必要があるとは限りません。まずは一つの会社サイトに二つの入口を設け、必要な詳細へ進む関係を考えます。
A01の構成案は、トップから「加工受託」「自社製品」「会社・工場紹介」「お問い合わせ」へ進み、自社製品からBE01の詳細と既存の販売ページへつなぐ形です。製品が増える見込みがあれば一覧と詳細を分けます。一製品だけの段階なら、一覧のためだけに空のページを増やさず、紹介ページ内に詳細をまとめる方法もあります。
加工見本と販売する製品を、写真の説明でも分ける
見た目のそろった写真を一覧にすると、S01もBE01も同じ商品のように見えることがあります。写真が金属製品だからという理由で一つの「製品一覧」へ入れる前に、その写真で何を伝えるかを決めます。加工見本、納入事例、自社製品では、説明する内容が異なります。
S01は加工受託のページへ置き、「曲げ・穴加工の見本」と写真の近くに添えます。相談できる材料や形状、確認する資料を説明し、「このような加工を相談する」へつなぎます。見本に購入ボタンを付けたり、販売価格の欄を0円で埋めたりする必要はありません。
BE01は自社製品のページへ置き、商品全体と使用場面を見せます。この例では、一枚の寸法は幅100mm・奥行120mm・高さ140mm、色はチャコール、L字形の二枚一組です。本を支える写真に撮影用の本を添える場合も、販売する内容が二枚のブックエンドだと本文と写真で確認できる形にします。

同じBE01の写真を技術紹介でも使いたい場合は、そちらでは自社製品を用いた加工の例だと説明します。BE01が作れることから、すべての材料・寸法・用途で同じ品質や費用を約束する文章へ広げないことも大切です。加工の条件は加工担当、販売するBE01の仕様は製品担当が確認します。
お取引先の部品写真を使う場合は、掲載できる写真と説明の範囲を確かめます。社名を隠しただけで自由に使えると判断せず、許可された内容で紹介します。まだ使える事例がなければ、A01のように公開できる自社の加工見本から説明を組み立てられます。
加工相談と、製品の購入・質問を別の流れにする
加工相談では、作りたい物、材料、数量、希望時期、図面の有無を分かる範囲で伝えていただきます。例えば「図面D01の取付金具を50個作りたい」という相談なら、営業と加工担当が条件を確認して回答します。50個という希望を受け付けることと、その数量・納期で製作を引き受けることは別です。
図面の受け渡し方法は、現在の仕事に合う方法を選びます。A01では初回フォームで図面の有無を伺い、担当者が返信で送付方法を案内する設定にします。加工相談を分けるために、初めから新しいファイル共有の仕組みまで作る必要があるかは、別に確認できます。
BE01を掲載仕様で購入する方は、製品詳細からBE01そのものの販売ページへ進みます。販売サイトのトップへ移して、もう一度商品を探していただく形になっていないかを見ます。販売先の画面でも同じ品番・色・二枚一組になっているかを確認し、価格や送料、発送の条件を読んで注文できるようにします。
購入前に使い方を質問したい方には、BE01の詳細に「この製品について質問する」という補助の入口を置けます。質問に進んだ方へ、部品の材質や図面の提出を一律に求めると、連絡しづらくなります。製品名と質問内容、返信先から受け付け、加工の見積もりとは別の案内文にします。
問い合わせフォームを一つにまとめる場合も、「加工の相談」「自社製品についての質問」を選べるようにします。BE01から移った際は製品名が引き継がれると便利です。製品への質問を送信しただけで注文になったり、加工相談への自動返信が「ご購入ありがとうございます」になったりしないよう、通知と返信文も合わせて確認します。

共通で伝える技術と、事業ごとの条件を整理する
受託と自社製品を分けても、作り手の姿まで別々にする必要はありません。A01では、工場の役割、仕事への考え方、公開できる工程写真を会社・工場紹介へまとめます。加工を依頼する方には製作体制を、BE01を購入する方にはどのような会社が作っているかを知る材料になります。
ただし、同じ「品質」という見出しでも、説明する範囲を確かめます。受託品の検査項目は図面や個別の依頼条件で決まる一方、BE01には自社製品としての確認項目があります。工場の共通姿勢を示す文章と、個別の検査条件や製品の使い方を分けると、片方の条件をもう片方へ当てはめる誤解を減らせます。
更新する資料も分けます。受託できる加工が変わったときは加工受託の説明と相談フォームを、BE01の仕様や購入先が変わったときは製品詳細と販売先を確認します。会社住所の変更は共通の会社情報へ反映します。担当者が別々でも、どの情報を誰が確かめるかが決まっていれば、更新を引き継ぎやすくなります。
構成・原稿・写真・受付の四つに分けて制作を相談する
制作会社には、「受託と自社製品を載せたい」から一歩進めて、事業別のサイト構成表を見せます。A01なら「トップに加工相談と自社製品の入口を置く。S01は加工見本として受託ページへ、BE01は商品詳細から既存の販売ページへ。会社・工場紹介は共通にする」と伝えられます。
原稿の仕事は、加工の相談条件、見本の説明、BE01の用途・仕様、ボタンの言葉を整えることです。写真はS01の加工箇所、BE01の全体と使用場面、共通の工場紹介を分けて準備します。撮影済みの素材がどの説明に使えるか、撮り直しが必要かを確認してから、撮影を依頼する範囲を決めます。
機能の仕事は、製品が増えたときの追加方法、見本と販売品の分類、問い合わせの選択欄、通知内容、販売ページへのリンクを扱えるようにすることです。A01は既存の販売ページを利用するため、今回の会社サイト制作と、新しい決済や受注管理の導入を同じ作業として扱わず、必要性を確認します。
相談時にそろえる資料は、加工の相談例、自社製品の仕様書と販売先、公開できる写真、現在のページURL、各内容を確認する担当です。すべてを完成原稿にする必要はありません。「加工は誰が答えるか」「製品の仕様と販売条件は誰が決めるか」が分かれば、取材と確認の予定を立てられます。
Bämのコーポレートサイト制作では、お話や資料からページ構成と原稿、更新機能を整理します。受託と自社製品を一つの会社サイトでどう見せるか迷われたら、八尾市のホームページ制作・改善のご案内からご相談いただけます。二つの仕事の構成表をもとに、今回整えるページと、販売側で確認する作業を一緒に考えられます。
加工依頼と製品購入の二通りで、公開前にたどる
確認する一人目は、図面D01の金具を50個相談したい担当者です。トップから加工受託へ進み、S01が販売品ではなく加工見本だと分かるか、相談する内容を用意できるかを見ます。二人目は、BE01を一組買いたい方です。製品名から直接詳細を開き、二枚一組の仕様と購入先を確かめられるかを見ます。
企業の担当者がBE01を買う場合も試します。「法人」という理由で加工の問い合わせへ戻されなければ、目的別に分けた入口が役立っています。製品の質問だけを送りたい場合は、会社が管理するテスト用情報で、製品名・質問・通知先・受付返信を照合します。購入手続きまで試す際は、販売担当とテストの方法を決めて行います。
公開後は、加工の相談と製品への質問、販売ページへの移動を分けて振り返ります。販売ページを開いた数だけで購入数とは判断せず、注文は販売側の記録で確認します。どこで迷ったかが分かれば、製品写真を増やすべきか、相談の言葉を直すべきかも考えやすくなります。
加工の仕事も、自社製品の魅力も伝わるホームページへ。今ある会社案内と製品資料から、それぞれのお客様が進みやすい構成を考えます。
参考資料
- 八尾市:八尾市の概要(2025年4月22日更新)
- 八尾市:企業等との公民連携の取組み事例・令和7年度(2026年4月9日更新)
- Bäm:コーポレートサイト制作
確認日:2026年9月8日