ホームページは制作会社が用意したサーバーで公開し、業務メールは別のサービスを使っている。こうした会社が保守の依頼先を変えるときは、メールまで一緒に移す必要があるかが気になります。

相談の出発点は、今のメールを使い続けたいという希望を伝えることです。そのうえで、ホームページの管理を任せる部分と、現在の契約を残す部分を分けます。契約先が違うという理由だけで、すべてをまとめたり、反対に何も変更できないと決めたりする必要はありません。

「メールは今のまま」の中身を伝える

同じメールアドレスを使うことと、同じメールサービスを使うことは別です。アドレスが変わらなくても、サービスを移せば過去のメールや社員の端末設定などを確認する仕事が生じます。保守の相談では、残したいものをもう少し具体的に伝えます。

例えば、卸売会社の架空例を考えます。ホームページは外部のウェブサーバーに置き、社員のメールは別契約の業務用サービスで使っています。営業担当者は過去のやり取りを検索し、代表窓口は複数人で確認しています。今回任せたいのは、ホームページの更新やバックアップで、メール環境を変えることではありません。

この場合は「メールアドレスを残したい」だけでなく、「現在のメール契約、保存済みのメール、共用の窓口、普段使う端末を継続したい」と伝えます。何を保ったうえで保守を引き継ぐかが分かると、依頼先も調べる範囲を絞れます。

ウェブとメールが、どこでつながっているかを調べる

別々のサービスを使っていても、同じ会社のドメインを利用していることがあります。このとき、ホームページやメールの行き先を指定するDNSの管理場所が、引き継ぎの接点になります。メールの契約先だけ分かっていても、必要な設定を誰が管理しているかまでは分からない場合があります。

Microsoftのドメインに関する案内でも、ウェブサイトを外部のホスティング事業者で用意し、メールと同じドメイン名へ接続する使い方が説明されています。ウェブとメールを別のサービスで運用する構成はありますが、自社がその構成かは現在の契約と設定で確かめます。

先ほどの会社なら、ウェブサーバー、業務メール、DNSを管理する窓口をそれぞれ確かめます。契約の請求先に加えて、設定変更を依頼できる担当者が分かると相談が進みます。分からない部分は、請求明細や以前の制作会社から届いた案内を手掛かりに調べてもらいます。

ホームページは新しい保守先、業務メールは現在の担当が管理し、共通するDNSの変更は担当間で調整する分担例
架空の分担例。DNSを誰が操作するかは、実際の管理場所と委託範囲に合わせて決めます。

保守の変更と、サーバー移転を分けて相談する

新しい保守先が今のサーバーに対応できるなら、公開場所を変えずに管理を引き継ぐ方法が候補になります。一方、現在の環境や契約条件によっては、ウェブサーバーの移転を含む提案になることもあります。どちらが可能かは、使っている仕組みと引き継げる権限を確認してから判断します。

見積りでは、日常の保守に加え、最初の調査や移転が必要かを聞きます。メールを現在のサービスに残す場合も、その利用料を誰が払い、誰がアカウントの追加や不具合へ対応するかを明らかにします。ウェブ保守の月額料金に、別契約のメール費用や端末設定まで含まれるとは限りません。

「保守先へ変更するため、今の契約はすべて解約してください」という進め方になっていないかも確かめます。古いウェブサーバーの契約にDNS管理などが付随していれば、ウェブの移転が終わっても、解約前に確認することが残ります。残す契約、終了する契約、確認が必要な契約を分け、終了日は依存する機能の確認後に決めます。

設定変更があるなら、メール側の確認担当を決める

ウェブサーバーの移転に伴って接続先を変える場合は、何を変更し、メールに必要な設定をどう維持するかを、作業する担当者同士で確認します。DNSの管理サービス自体を変えるなら、メールの受信先だけでなく、送信の認証などに使われている設定も確認対象になります。

Microsoftの同じ案内では、メールの配送先を指定するMXレコードを変えると、そのドメイン宛てメールの行き先が変わることを説明しています。これは利用者が自己判断で設定を書き換えるための話ではなく、ウェブの作業でもメール担当との調整が必要かを確かめる理由です。

作業前には、新しい保守先が変更内容を示し、現在のメール担当が影響する部分を確認する、といった分担を決めます。変更する時間、変更前の設定を残す方法、うまく動かなかった場合の連絡先と戻し方も、担当者が実行できる形にします。

変更前に残す契約と設定を確認し、作業時に担当を連携させ、変更後にウェブ表示とメール送受信を確認する流れ
ホームページの表示確認に加え、継続するメールの動作も確認して引き継ぎます。

変更後は、ホームページが表示されることと、業務メールを外部と送受信できることを、それぞれ確認します。架空例の共用窓口や、日常業務で使う代表的な端末も対象に含めます。ホームページに問い合わせフォームがあるなら、その通知が届くかも別に確認します。画面が見えただけで、メールまで問題なく使えているとは判断しません。

引き継いだ後、どこへ連絡するかを残す

保守が始まってから困らないよう、ウェブの修正、社員のメール追加、メールが届かない場合について、最初の相談先を短く残します。原因が分からない不具合を誰が受け付け、別の担当へ何を伝えるかまで相談しておくと、契約が分かれたままでも連絡を進めやすくなります。

Bämの保守・管理では、ホームページの修正、バックアップ、ドメイン・サーバーの管理、WordPressの更新対応を案内しています。別契約の業務メールをお使いの場合は、現在の利用状況と残したい環境をお聞かせください。管理を任せる部分、現行の担当に残す部分、引き継ぎ前に必要な確認と費用を整理してご案内します。

参考資料