
Webサイト戦略を立てる最初の仕事は、制作前に「誰が、何を確かめ、どんな行動を取れるサイトにするか」を一枚にまとめることです。目的だけを「集客」と書いても、必要なページや測り方は決まりません。目的、相手、判断材料、必要なページ、次の行動、確認方法の6項目を埋め、今回は何を作るか、何を後に回すかまで決めます。
この記事は、これからサイトを作る、または改修する中小企業の担当者向けです。目的の種類とKGI・KPIの考え方は別記事で詳しく扱っています。ここでは、社内と制作会社が同じ内容を見て判断できる計画書の作り方に絞ります。
まず、今ある事実を集める
最初に確認するのは、業界全体の流行より自社に寄せられた質問です。問い合わせメール、電話で聞かれたこと、営業担当が繰り返し説明している条件、採用面談で確認される点を集めます。既存サイトがあれば、今のページと問い合わせ先も見ます。現状の数字が取れないなら、推定の訪問数や成約率を埋めずに「未計測」と記録します。
競合サイトは、掲載する情報の抜けを見つける参考にとどめます。他社の強みや言葉を写しても、自社の顧客が判断したいことは分かりません。自社の提供範囲、対応できないこと、相談から提供までの実際の流れを担当者へ確かめてください。Googleも、検索順位のために話題を増やすより、読者に役立つ独自情報や実際の経験を示せるかを重視するよう案内しています(Google検索セントラル「有用で信頼性の高いコンテンツ」)。
6項目を一枚の戦略メモにする
次の6項目は、立派な企画書よりも先に必要な判断です。最初の会議で仮に埋め、確認が必要な部分には担当者と期限を書き添えます。採用と新規相談の両方を扱う場合も、今回の制作で優先する目的を一つ選び、他の目的を消さずに次段階へ置きます。

| 決めること | 書き込む問い |
|---|---|
| 目的 | 今回、相談・応募・購入など何を優先するか |
| 相手 | 誰が、どの場面で、何に迷っているか |
| 判断材料 | 提供内容、条件、事例、担当者、流れのうち何が必要か |
| 必要なページ | 判断材料をどこへ置き、既存ページを使えるか |
| 次の行動 | 読後に電話、フォーム、見積依頼など何へ進むか |
| 確認方法 | 担当者が何を記録し、いつ見直すか |
たとえば「中小企業向けの保守サービスを案内する」という仮の計画なら、対象は更新担当者、主な迷いは「どこまで任せられるか」、必要なページは対応範囲と相談の流れ、次の行動は相談内容の送信、と書けます。これは記入例であり、特定の事業者の成果やBämの実績ではありません。料金や対応条件は、実際の提供内容を確認してから記載します。
ページの役割を決めてから制作範囲を選ぶ
6項目を埋めたら、サイトのページを「見つける」「比較する」「安心して相談する」に分けます。会社情報は実在性を確かめる場所、サービスページは依頼できる内容と条件を比較する場所、問い合わせページは次の行動を迷わず取る場所、といった具合です。一つのページへ説明を詰め込む前に、読み手が次にどのページへ進むかを線で結びます。
既存サイトなら、使えるページを先に残します。古い情報の修正で足りるもの、説明の順番を変えるもの、新しく必要なものを分けると、制作範囲を決めやすくなります。最初から動画、会員機能、多数の記事を要件へ足す必要はありません。自社の目的に必要な材料と、実際に維持できる運用体制から優先します。費用との釣り合いを考えるときは、Webサイトの費用対効果を考える記事を補助資料として使えます。
社内と制作会社の確認点をそろえる
制作中の手戻りは、デザインの好みより「誰が何を確定するか」が曖昧なときに起こりがちです。事業内容や提供条件の正本を持つ人、原稿と写真を用意する人、最終確認をする人、公開後に更新する人を決めます。外部へ制作を頼む場合も、社内しか知り得ない顧客の質問や提供上の制約は社内で確認します。
初回打ち合わせでは、戦略メモとともに、既存ページ、残すURL、必要な素材、確認者、希望時期を渡すと話が具体的になります。何をどの順番で決めるかは、Bämの制作の流れでも確認できます。会社案内を中心に整える場合は、コーポレートサイト制作の内容も参考にしてください。提供範囲や契約条件は各サービスページの現行記載で確認します。
公開前に「読んだ後の操作」を試す
完成画面では、社内の担当者ではなく、初めて訪れた人の順番で読みます。トップや検索から入ったページで必要な説明が見つかるか、サービスの条件へ進めるか、スマートフォンで問い合わせ先を開けるかを確かめます。フォームを使うなら、テスト環境で入力、確認、送信後の案内、受信側の扱いを検証します。公開時の動作確認は受信担当と方法を決めて実施します。
公開日だけを完了条件にしないことも大切です。更新する担当と確認日を決め、古くなる情報を列挙します。たとえば営業時間、担当窓口、サービス範囲、採用条件などは、変更が起きたときに直せるようにしておきます。
公開後は、数値と現場の質問を分けて見る
公開後の見直しでは、「検索で見つかったか」「サイト上の次の行動が起きたか」「実際にどんな相談が来たか」を混同しません。Search Consoleの検索パフォーマンスでは、検索結果の表示回数やクリック、ページや検索語を確認できますが、問い合わせ件数そのものを示すものではありません(Search Consoleヘルプ「検索パフォーマンス レポート」)。
問い合わせなどの行動をGA4で見る場合は、必要なイベントが正しく設定・検証されているか確かめます。Googleは問い合わせ送信に使える推奨イベントとしてgenerate_leadを示していますが、自動で全サイトに導入されるものではありません(Googleアナリティクス ヘルプ「推奨イベント」)。電話や対面で受けた相談は担当者の記録と合わせて見ます。数字が少ない時期は、増減だけで結論を出さず、何を変えたかと顧客の質問を残してください。

次の見直しでは、検索で見つかっても相談へ進みにくいページ、相談で同じ質問が続くページなどを一つ選び、説明や導線を直します。変更日と理由を残し、同じ条件で後日確認します。閲覧数や順位の改善、売上増加は作業だけで保証できません。
一枚のメモから始める
Webサイト戦略は、難しい用語を増やすより、制作前に確認できる事実と決めるべきことをそろえるための道具です。まずは6項目を埋め、未確認の条件を担当者へ戻し、今回作るページを絞ってください。既存サイトを見ながら目的と制作範囲を整理したい場合は、Bämの無料相談で現状を伺います。
参考資料
- Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」(2026年9月24日確認)
- Search Consoleヘルプ「検索パフォーマンス レポート(検索結果)」(2026年9月24日確認)
- Googleアナリティクス ヘルプ「推奨イベント」(2026年9月24日確認)
