
防災システムの訓練で、操作が途中で止まったり、説明を聞いてから先へ進めたりした場面は、製品を改善する手掛かりになります。導入事例にもその経緯があると、検討する方は、現場の声をどのように開発へ取り入れたかを読み取れます。
一つの操作課題について、訓練の記録、変更した点、変更後に確かめた結果を対応させます。改修を終えたことと、使いやすさを再確認したことを分けて伝えるのが、事例を整える出発点です。
「使いにくい」を、操作していた場面から書く
仙台市のBOSAI-TECH事業は、防災分野の製品・サービスの実証や社会実装を支援しています。実証の成果を企業サイトへ載せるときは、訓練全体の紹介から一歩進め、製品の改善に関わった場面を選びます。
まず観察メモや質問の記録から、誰が、何をしようとして、どこで手が止まったかを確かめます。「分かりにくかった」という感想に加え、探していた情報、実際に開いた画面、その後に必要だった説明を拾うと、変更の理由が具体的になります。
迷った原因は、画面の言葉や配置とは限りません。訓練の役割説明が届いていなかったのか、操作方法を見つけにくかったのかも記録と照合します。参加者の発言と、開発担当者が推定した原因を混ぜず、担当者が確かめた範囲で文章にします。

変更した点と、変更後の確認をつなげる
仙台BOSAI-TECHの2024年12月の支援事例には、DXアンテナが自治体へのヒアリングを経て製品を改良し、実証で評価と課題を確認した後、さらに改良を加えて実装へ進んだ経緯が紹介されています。意見を聞く、変更する、確かめるという段階を追って読める公開例です。
自社の事例でも、課題に対応した変更を説明します。画面の見出しを変えたのなら、利用者が探していた情報と、新しい見出しの関係を伝えます。手順や説明資料を変更した場合は、その資料も含めて紹介します。画面だけを並べるより、何のために変更したかが分かります。
変更前後の画面を載せるときは、訓練に使った版と改修後の版を確かめます。公開できる画面を選び、人物名、連絡先、施設の管理情報などを表示しない状態で用意します。説明用に再現した画面なら、実際の訓練画面と区別できる説明を添えます。
変更後に同じ操作を試した記録があれば、誰がどの条件で確認し、何が観察されたかを続けます。まだ再確認していない変更は、改修内容として紹介し、確認の予定が決まっている範囲を添えます。「変更したので迷わなくなった」と結果まで補う必要はありません。
確認した結果の隣に、残る条件を置く
2023年3月のキーボックス実証の紹介では、検証項目と結果に加え、費用の課題や、その後の開発予定も示されています。この時点の報告として、確認できたことと次に取り組むことを分けて読むことができます。

操作の事例にも、訓練時の参加者、利用機器、事前説明、支援者の有無など、結果の読み取りに必要な条件を添えます。初めて触れる方と、開発に関わった方の確認では、説明できる範囲が異なります。少人数の感想を、すべての利用者に共通する評価へ広げないようにします。
通信が使える会場で確認した操作から、通信が途絶えた状況での動作まで説明することもできません。別の条件での確認が必要なら、事例の末尾へ追いやらず、結果の近くに書きます。訓練で確認した操作性と、実災害時の効果は、それぞれの記録に基づいて説明します。
原稿にする前に、一つの課題について、観察メモ、対応する変更記録、再確認の結果をそろえます。足りない記録が分かれば、現時点で掲載する範囲も決められます。Bämのコーポレートサイト制作では、公開できる報告書や画面をもとに、検討する方が改善の経緯を追える事例構成を整理します。仙台市のホームページ制作・改善のご案内もご覧ください。
参考資料
- 仙台市:BOSAI-TECHイノベーション創出促進事業:2026年10月8日更新。地域の取り組みの背景。
- 仙台BOSAI-TECH:アイデア創出から事業化・社会実装までの支援事例:2024年12月10日付。意見交換、改良、実証、実装の経緯。
- 仙台BOSAI-TECH:IoT避難所キーボックス自動解錠システムによる避難者受け入れの検証:2023年3月20日付。結果と課題、今後の開発を示す例。
- Bäm:コーポレートサイト制作
資料確認日:2026年10月22日。本文は事例のまとめ方の提案です。自社の訓練記録や改修画面、改善効果は未提示のため、特定企業の操作課題や成果として記載していません。
