工芸品の写真を見た海外のお客様から、「この商品を送ってもらえますか」と相談が届いた。うれしい一方で、大きさや付属品をどこまで説明すればよいか、外国語の案内を作る前に迷うこともあるのではないでしょうか。

まず用意したいのは、一商品について「何が届くか」と「どのように相談できるか」が分かる情報です。品番、寸法、素材、同梱物を確かめたうえで、発送先を確認する方法と返信できる言語を添えます。日本語の情報がそろうと、翻訳を依頼する方にも、店頭で案内する方にも同じ内容を渡せます。

ここでは、手ぬぐいの記入例を使い、商品情報を一枚にまとめて外国語のページへ載せる手順をご紹介します。海外販売の仕組みを一度にそろえるより、最初に相談を受けたい一品から、説明と受付方法を整えてみましょう。

産地の紹介に、届く一品の情報を添える

堺市は英語の「Traditional Industries」で、刃物、注染・和晒、線香などを紹介しています。産地の背景に関心を持った方が商品を探すとき、各店のページには、その一品を選ぶための情報が必要になります。

たとえば、手ぬぐいを初めて知る方には、柄の美しさに加え、薄い布なのか、何枚で一組なのか、額に入った状態で届くのかが気になるかもしれません。店頭なら実物を広げて伝えられることを、写真と短い説明で補う考え方です。

サントリーホールのオンラインショップでは、にじゆらとの手ぬぐいの英語の商品ページに、製法の紹介だけでなく素材、寸法、原産国を項目ごとに載せています。外国語でも、一つずつ確かめられる形が参考になります。このページが英語で読めることから、特定の国への発送可否まで判断するわけではありません。

ご自身の商品でも、産地や製法の話と、一品の仕様を別々に準備します。「堺の品」「手仕事の品」という紹介だけで、材質、製造場所、付属品がすべて決まるわけではありません。製造元や仕入れ資料で確認できた情報を、その商品に結び付けて残します。

最初に、現物と商品台帳を一緒に見る

以下は、注染手ぬぐい「緑の格子・EX-TN01」を扱う店の架空例です。寸法、同梱物、対応言語、受付の流れも説明用の条件として示します。実際に使う際は、ご自身の商品と販売体制に合わせて置き換えてください。

この店では、手ぬぐいを広げた状態の寸法が幅約35cm、長さ約90cm。素材は綿100%で、販売単位は一枚です。日本語と英語を併記したお手入れカード一枚を添えます。写真に使う額や飾り棒は商品に含めません。

最初の作業は、説明を書き足すことより、現物と台帳に違いがないかを見ることです。同じ柄でも、小さなハンカチや別素材の商品があれば、品番で分けます。写真を選ぶ際も、似た柄の別サイズを流用せず、説明する品番の現物と照合します。

寸法には、測った対象を添えます。広げた布の大きさと、折り畳んだ袋の大きさは、お客様が使う場面も違います。商品の寸法は使い方を考えるため、梱包後の寸法や重量は発送を調べるために必要です。二つを同じ「サイズ」欄へまとめないようにします。

広げた手ぬぐいの幅約35cmと長さ約90cm、同梱するお手入れカード一枚、含まない額を示す図
寸法は広げた布の値。同梱物は、撮影用の小物と分けて示します。

単位を換算して載せる場合も、基準にした値を残します。幅約35cmと長さ約90cmをインチで併記するなら、約13.8×35.4インチです。概寸を小数点以下の細かな値へ変えても、製品自体の精度が上がるわけではないため、どちらにも「約」に当たる表現を添えます。

また、布の寸法を一枚測っただけで、全商品が必ず同じ寸法だとは決めません。商品として案内する値と個体差の扱いは、製造元の情報を確認します。翻訳する方へは数値だけを渡さず、「広げた状態」「幅と長さ」「概寸」という条件も一緒に伝えます。

商品情報の原票を、一品分だけ記入する

現物、台帳、製造元への確認内容を、商品ページの原稿になる一枚へまとめます。ここでいう原票は、特別な書式ではありません。店舗と翻訳担当が、同じ品番のどの情報を使うか確かめられる記録です。EX-TN01なら、次のように書けます。

項目 EX-TN01の記入例
品番 EX-TN01/緑の格子。注染手ぬぐい。販売単位は一枚。
寸法 広げた状態で幅約35cm×長さ約90cm。袋や箱の寸法ではない。
素材 綿100%。原産国は日本。製造元に確認した表示を使用する。
同梱 手ぬぐい一枚、お手入れカード一枚(日英併記)。額と飾り棒は含まない。
特徴 短辺の両端は縫わない仕上げ。洗濯時の注意と、ほつれへの対応をカードとページに記載する。
発送 海外への発送は個別確認。相談時に品番・数量・お届け先の国や地域を伺い、確認後に条件を案内する。
言語 日本語・英語のメール相談に対応。英語の電話応対は扱っていない。海外注文は相談後に見積りを案内する。

素材や製造場所は、雰囲気を表す言葉から推測しません。「天然素材」「日本らしい柄」という文章があっても、繊維の組成や原産国の確認にはなりません。台帳に綿100%とあるか、表示の根拠を商品担当者と確かめてから原票へ移します。

同梱物は、現物を一度並べて撮影しておくと照合しやすくなります。手ぬぐい一枚とカード一枚であれば、その組み合わせが分かる写真を用意します。額装した使用例も見せたい場合は、その写真の近くに額を含まないことを添え、届く内容を紹介する写真へ戻れるようにします。

原票の余白には、仕様を確認した日と、確認した方も残しておきます。翻訳文だけが手元にあって内容に迷ったとき、製造元へ尋ね直す項目と、店で決めた受付条件を見分けられます。お客様に見せる商品情報と、社内で確認を引き継ぐ記録を使い分ける形です。

手ぬぐいならではの扱い方も、購入前に伝える

初めて手ぬぐいを使う方には、端が縫われていない状態が、仕上げの特徴なのか判断しにくいことがあります。EX-TN01では、短辺の両端を縫わない仕上げであることを、端の写真と一緒に伝えます。柄の紹介だけでは分からない部分を、使う方の疑問に沿って補います。

にじゆらの「てぬぐいのこと」には、洗濯、陰干し、洗濯後の縮み、端のほつれに関する案内があります。こうした項目は、ご自身が扱う手ぬぐいの説明を確認する際の手掛かりになります。別の商品へ、そのまま同じ取扱方法を写すのではなく、製造元の案内と照らして整えましょう。

原票では、「手洗いできます」だけで終えず、色移りや洗い方で先に伝えること、困った場合の相談先まで確認します。長いお手入れ説明は別の案内へまとめても、購入前に知っていただきたい注意は商品ページにも残します。届いてから初めて読めるカードだけに集めないことが目安です。

翻訳後は、「含まない」「一緒に洗わない」のような否定が抜けていないかを重点的に見ます。やわらかい語調へ整える場合も、禁止なのか推奨なのかという意味まで変えないよう、商品を担当する方と翻訳を確認する方で読み合わせます。

読める言語と、注文を受けられる範囲を分ける

商品案内が英語で読めても、英語の電話相談や、すべての国への発送に対応できるとは限りません。ページの言語、返信できる言語、商品を送れる地域は別々の情報です。いずれも「海外対応」の一言へまとめず、お客様が次に選ぶ方法として示します。

EX-TN01の店では、英語のメール相談を受け、発送はその都度確認します。「海外発送できます。お問い合わせください」という案内を、次のように具体化できます。「海外へのお届けをご希望の方は、品番・数量・お届け先の国や地域をメールでお知らせください。発送の可否と費用を確認し、日本語または英語でご案内します」。

英語で短く添えるなら、“For overseas delivery enquiries, please email the item number, quantity and destination country or region. We will check shipping availability and costs before sending a quote.”という書き方ができます。発送を約束する文にせず、確認してから見積りを案内する順序を伝えています。

この段階のボタンは「海外へのお届けを相談する」とし、通常の購入ボタンとは役割を分けます。問い合わせ後の画面や自動返信にも、相談を受け付けたことと、これから発送条件を確認することを案内します。申込み直後に「ご注文が確定しました」と表示されると、本文で説明した流れと食い違ってしまいます。

英語のメール相談、発送先の個別確認、見積り案内の順に進む海外相談のページ例
相談を送る入口と、注文を確定する手続きを区別します。

発送先を調べる際は、国名だけで回答が決まると思い込まず、商品、数量、利用する配送方法を組み合わせて確認します。日本郵便も国・地域別の差出可否を案内し、送達条件は国際郵便条件表で確認するよう示しています。過去に送れた経験だけで、今回も同じ条件と案内しないようにします。

送料や支払方法、返品などの条件を案内する時点も、原票へ残します。この例では、海外相談の入口で一律の料金を約束せず、お届け先を確認した後に見積りを用意します。お客様が支払いへ進む前に、商品代と送料、その他の負担の扱い、返品の条件を確認できる案内へつなぎます。

英語の電話応対を扱っていないなら、電話番号の近くからメール相談へ案内します。返信まで日数がかかる場合は、実際に守れる目安と休業日の扱いも添えます。窓口の数を増やすことより、選んだ方法で相談を続けられることが大切です。

商品ページだけでなく、相談の入口も見積もりに含める

制作を相談するときは、EX-TN01の原票を実際の商品で一枚作り、現在のページと並べます。既存の外国語ページへ寸法・素材・同梱物を追記できるなら、翻訳原稿と写真の差し替えから始められます。外国語ページを新しく用意する場合は、商品本文だけでなく、写真の説明、海外相談の入口、受付後に届く案内まで、翻訳する範囲へ含めるかを確かめましょう。

画面の改修では、「日本語のEX-TN01から英語へ切り替えても、同じ商品を見たい」と伝えます。英語のトップページへ戻される構成では、せっかく見つけた柄を探し直すことになります。同じ品番のページ同士をつなぐことと、言語が変わっても布一枚・カード一枚・額なしの説明を読めることを、確認範囲にします。写真内に日本語が入っている場合は、その説明を画像の外へ置くか、言語ごとの画像も用意するかを決めます。

相談フォームがあるなら、海外のお客様が入力できるかも見ます。この例で最初に伺うのは品番・数量・お届け先の国や地域です。日本の郵便番号や都道府県を必須にしたままでは、発送先を相談する段階で進めなくなる場合があります。今の欄を調整するか、海外相談用の入口を設けるかを確認し、英語の相談内容が対応する担当者へ届くところまで依頼範囲を分けます。

発送を個別に確認するEX-TN01は、英語版の公開だけで海外向けの購入を受ける設定へ切り替えません。既存の通販に案内を加える場合も、未確認の国を選んだときに、そのまま支払いへ進むのか、相談へ案内するのかを確認します。商品を読む言語の追加と、海外送料・決済を扱う販売機能の追加は、別の作業として見積もりを確認できます。

相談資料には、確認済みの原票、品番と役割が分かる写真、日英のお手入れカード、現在のフォームと受付メールをそろえます。商品担当は仕様と同梱物、翻訳を確認する方は数量・単位・否定の意味、受付担当は返信言語と発送確認の案内を見ます。原票の変更を受け取り、各言語のページへ反映する方も決めておきましょう。原稿だけの翻訳、商品ページの追加、言語切替、相談欄と返信文の修正を分けると、一品から始めるために必要な作業を相談できます。

一商品の外国語説明から用意するか、海外相談の入力欄や受付後の案内まで整えるか迷われたら、堺市のホームページ制作・改善のご案内をご覧ください。商品情報の原票と現在の受付方法をもとに、翻訳する内容と画面の改修範囲を一緒に整理できます。

翻訳へ渡すのは、文章だけでなく品番と写真も

原票が整ったら、品番、確認済みの日本語、対応する写真を一緒に渡します。EX-TN01の翻訳を頼むときに、別品番の写真だけが添付されていれば、文章の意味が正しくても、違う商品を説明するページになりかねません。同じ品番でそろった一組を作ります。

写真にも、全体、端の仕上げ、同梱物といった役割を書き添えます。たとえば、寸法を載せる写真は広げた状態、同梱物を載せる写真は布とカードの組み合わせです。外国語の短い説明を付ける際も、何を見せる写真かが分かれば、必要な言葉を選びやすくなります。

EX-TN01の確認済み原票と写真を基に、日本語ページと英語ページへ同じ商品情報を反映する図
どの言語でも、同じ品番の原票と写真を参照します。

公開前には、翻訳を見る方に「何枚届くか」「広げるとどのくらいか」「額は付くか」「海外への発送は確定しているか」を答えてもらいます。流暢な文章になっているかだけでなく、商品を選ぶための答えが日本語の原票と一致するかを確かめる方法です。

スマートフォンでも、品番から仕様、発送相談の案内までを続けて読んでみます。画像の中だけに書いた寸法や、画面の下へ離れた付属品の説明があれば、商品名の近くへ文字でも置きます。言語を切り替えた後、同じ品番へ戻れるかも確認します。

同梱カードを変更するときは、日本語の原票を更新し、英語ページと出荷時の同梱物も照合します。「英語版のカードを付ける」と案内したまま日本語のカードだけを送ることがないよう、変更した項目に印を付け、確認が済んだ言語から反映状況を残します。

商品説明を整えるときは、まず一品の現物を机に広げ、届くものと受付方法を一つずつ言葉にしてみてください。産地の魅力を感じたお客様が、ご自身で使う場面を想像し、必要な相談へ進める案内になります。

参考資料

出典確認日:2026年9月7日。