
サービス紹介のページだけを新しくしたいけれど、会社案内や過去のお知らせは当面そのまま残したい。部分改修では、新しくするページと古いページの見た目が違ってもよいのか迷うことがあります。
すべてのページを同じレイアウトにする必要はありません。ただし、ページを移るたびにメニューや相談方法を探し直す状態は避けたいところです。共通して使う操作と、ページごとに変えられる本文の見せ方を分け、改修の境目を決めます。
見た目の差より、移動したときの迷いを確かめる
古い会社案内は文章が中心で、新しいサービスページは写真を大きく使う。この違いだけで、部分改修が成り立たないわけではありません。読む目的に合わせて本文の配置が変わることは自然です。
一方、会社案内では上にあったメニューがサービスページでは見つからない、同じ相談先へのボタンがまったく違う名前になる、といった変化は操作に関わります。「別のサイトに移ったのか」「元の情報へどう戻るのか」と迷う箇所を先に見ます。
新しいページだけを単独で評価すると、この問題を見落としやすくなります。改修対象へ入る前のページと、その後に進むページを並べ、見た目の印象と操作の変化を分けて確認します。
共通メニューと、同じ機能の呼び方をそろえる
W3Cの一貫したナビゲーションの解説では、複数ページで繰り返す案内を同じ相対的な順序に保つことを説明しています。会社案内、事業紹介、相談と並ぶ共通メニューなら、新しいページだけで順番を入れ替えない、という考え方です。ページ内の追加案内まで禁止するものではありません。
また、同じ機能の識別を一貫させる解説もあります。同じ問い合わせ先へ進む共通ボタンは、ページごとに異なる機能のような呼び方にせず、何ができるかをそろえて伝えます。別の手続きへ進むボタンまで同じ名前にする必要はありません。
制作時には、ロゴから戻る先、共通メニューの項目と順序、スマートフォンのメニューの開閉、相談ボタンの行き先を一緒に確認します。色だけ合わせても、押した後の動きが違えば、操作の一貫性は保てません。
本文を変える範囲を、一つのページ例で決める
ここでは、会社案内を残し、サービス紹介だけを改修する架空の会社を考えます。会社案内の情報は現在も正しく、共通メニューと相談先は問題なく使えているとします。
この場合は、共通メニューと相談への案内を引き継ぎ、サービス紹介の本文で、見出しの整理、説明の順序、写真の配置、余白を変える方法があります。会社名や基本色のつながりを保ちながら、依頼できる仕事を読みやすくします。

図は配置の考え方を示すもので、そのまま実装する完成デザインではありません。実際には、新しい本文へ既存のメニューやボタンを組み合わせた見本を作り、写真だけが突出しないか、文字が読みやすいか、相談への案内が分かるかを見ます。
古いページの小さな文字や押しにくいボタンまで、新しいページへそっくり引き継ぐ必要はありません。残すべきなのは分かりやすい操作のつながりです。共通部分自体に問題があるなら、その部分を合わせて直す範囲も検討します。
一ページの改修でも、共通部分に手を入れるかを分ける
メニューや文字の設定が複数ページで共有されている場合、一ページのために変更したつもりでも、別のページに影響することがあります。反対に、新しいページ用に共通メニューを別途作ると、将来項目を変える際に二か所の更新が必要になる場合があります。
依頼時には、「サービス本文は改修する」「共通メニューは現状を使う」「相談先は変えない」といった範囲を示し、実際の仕組みで可能かを調べてもらいます。共通メニューの使いにくさが理由で改修するなら、本文だけの変更として扱わず、影響するページも含めた作業にします。
文字やボタンをどこまで共通化できるかは、現在の作り方によって異なります。見た目だけで実装の難易度を決めず、変更対象と確認対象を制作会社から説明してもらうと、部分改修の見積りを比べやすくなります。
新旧をまたいで、実際に読む順番で確認する
公開前は、新しいサービスページを眺めるだけでなく、古い会社案内からサービスへ移り、実績を見て、相談先へ進む流れを確認します。検索から新しいページへ直接入った場合も、会社情報やほかのサービスへ戻れるかを見ます。
スマートフォンでは、新旧それぞれのページでメニューを開閉し、項目名と順序、閉じ方が分かるかを確かめます。画面を広げた状態でも、共通ボタンの位置や本文の配置が不自然に変わらないかを確認します。キーボードで操作する場合の移動や、選択中の場所の分かりやすさも対象にします。
同じ「相談する」から進んだ先が旧デザインのフォームでも、会社名と相談の目的が分かり、戻り先や入力方法に迷わなければ、見た目の差だけで全面改修を決める必要はありません。ただし、フォーム自体に不具合があれば、デザイン共存とは別の問題として対応します。
共存する期間と、その間の更新方法も相談する
一部だけ直した状態を長く使うのか、順番にほかのページも直すのかで、残すルールが変わります。後から新しいページを追加する予定があるなら、どの文字・ボタン・メニューを使うかを決めておくと、新旧に加えて第三の作り方が増えることを避けやすくなります。
共通部分の修正が広い範囲へ及ぶなら、対象ページだけを直す案と、共通部分を先に整える案を比べます。古いという理由だけで全面刷新へ進めるのではなく、目的を満たせる範囲と、その後の更新負担で選びます。
Bämのリニューアルと部分改修の相談では、残せる内容や機能、変更がほかのページへ及ぶ範囲を分けて考えます。直したいページと当面残したいページの両方を伝え、新旧を行き来しても迷わない改修範囲を相談できます。
参考資料
- W3C:Understanding SC 3.2.3 Consistent Navigation
- W3C:Understanding SC 3.2.4 Consistent Identification
- Bäm:リニューアルか部分改修か
資料確認日:2026年9月21日。画面と会社の設定は説明用の仮例です。個別サイトのアクセシビリティ適合を判定する記事ではありません。
