
採用サイトに応募書類の記入例があると、応募者は何を用意すればよいか分かりやすくなります。ただし、見本に載った項目を「必ず提出する情報」と受け取ることもあります。まず選考に必要な内容と、求めない情報を人事で分けること。そのうえで、公開する見本は実在の応募者の書類を転用せず、架空の内容から作ります。
見本を作る前に、提出項目を人事と確認する
募集職種ごとに、履歴書、職務経歴書、作品例など何を提出してもらうかを確認します。職務経験や資格を尋ねるなら、その仕事の選考でなぜ必要かを人事担当に説明してもらいます。応募時には不要で、面談や採用後に確認できる項目まで、見本に「記入欄」として加えないようにします。募集要項、応募フォーム、書類見本で必要な項目が一致しているかも見ます。
厚生労働省の公正な採用選考の案内は、本籍や出生地、家族に関すること、思想・信条など、適性・能力と関係のない事項を応募用紙等で把握することに注意を促しています。大阪労働局の応募書類の案内も、独自のエントリーシートに就職差別につながるおそれのある項目を含めないよう示しています。見本だけその欄を空白にしても、実際の提出用紙に欄があれば説明はそろいません。

実在の応募書類を塗りつぶして見本にしない
公開用には、空の様式から新しい見本を作ります。氏名や連絡先だけを伏せた実際の応募書類でも、勤務先、時期、資格の組合せ、写真、手書きの筆跡から本人が分かることがあります。社内の過去の応募書類を制作会社へ渡して加工する前提にせず、「応募者A(架空)」「担当した仕事の例」のように、誰の経歴でもない内容を用意します。
見本に「記入例」「架空の内容」と書き、実際の応募では何を記入・添付するかを近くに示します。必須と任意も分けます。たとえば資格を持たない人も応募できる募集なら、資格欄の例があるだけで応募不可と思わせないようにします。特定の職種で必要な資格があるなら、その条件を募集要項にも明記します。架空の書類は、職種と応募段階が実際の案内に合っているか、人事が確認します。
画像やPDFの中にも、余計な情報を残さない
見本を画像やPDFとして配布するなら、画面で読める部分だけでなく、元ファイルの別ページ、コメント、ファイル名なども確認します。作業用の書類をそのまま書き出すと、公開したくない内容が残ることがあります。応募者の実データをテストへ使わず、公開用ファイルを最終版として開き直して確かめます。
スマートフォンでも、見本が縮小されて読めないなら、要点を画像の外の本文にも書きます。「この職種では何を提出し、どの欄は任意か」を文章で読めれば、見本画像を拡大しなくても応募準備ができます。書類見本と応募フォームの内容が変わったときは、両方を同時に更新する担当を決めておきます。

応募前の迷いに答える見本にする
見本の役割は、個人情報を詳しく書かせることではなく、応募者が必要な資料を判断できるようにすることです。人事が確認済みの提出項目がなければ、「履歴書一式が必須」などと決めつけず、まず募集職種と選考段階を確認します。職種ごとに書類が違うなら、共通の見本一枚で済ませず、差が分かる案内にします。
求人ページの閲覧と応募を扱う記事は応募までの全体を、工場見学と正式応募を分ける記事は応募段階を扱います。本稿は公開する書類見本の中身です。Bämの求人・採用サイト制作では、人事が確定した提出内容を募集要項と応募案内へ整理します。
参考資料
資料確認日:2026年9月26日。個別企業で人事が確認した提出項目は未提示のため、本文の記入例は特定の募集で必須となる項目を示していません。
