「前回と同じ商品を、今回は少し多めにお願いします」。長くお取引くださるお客様とのやり取りには、短い言葉で通じる良さがあります。再注文をウェブでも受け付けるときは、その気軽さを残しながら、数量やお届け先の違いを担当者へ伝えられるようにしたいところです。

再注文票は、前回の取引を探すための情報と、今回お願いしたい内容を分けると整理できます。前回の伝票番号を手掛かりにしても、今回の数量まで同じとは限りません。変わった点が分かり、変わらない点も確かめられる一枚を考えてみましょう。

お手元の伝票から、再注文へ進める案内にする

大阪市は2019年の地域紹介で、船場の衣料問屋や松屋町の玩具問屋の集積を取り上げています。衣料品などのお仕入れでは、前回の伝票が次の商品指定の手掛かりになる場面があります。大阪市「大阪市の特徴」

大阪市中央区に大阪本店を置く大西衣料の公式FAQでは、売場商品の追加注文で、伝票にある課番号と品番を伝えるよう案内しています。セット商品の注文では、カタログの番号や品名、単価、入り数を確認しています。自社でも、お客様がお持ちの紙のどこを見れば商品を指定できるか、普段のご案内を確かめてみてください。大西衣料「電話・FAXでのご注文について」

ウェブの入口には、「お取引のあるお客様の再注文」と「初めてのお取引について」を分けて置けます。再注文の案内には「お手元の納品書をご用意いただくと、品番を確認しやすくなります」と添えます。書類をお持ちでない方にも、商品について相談できる連絡先を示しましょう。

伝票を探すための番号と、商品を示す品番は別の項目です。社内では見慣れた番号でも、お客様には区別しにくいことがあります。自社の伝票の項目名に合わせた簡単な図を添えれば、「番号をご入力ください」という案内より準備しやすくなります。

「前回」は日付と伝票で、「今回」は商品ごとに残す

ここからは、無地ハンカチを扱う卸売会社の架空の記入例で考えます。お客様の得意先番号はEX-C017。8月20日の納品書EX-D0820-06を見ながら、同じ品番EX-K41・色C2の青いハンカチを追加で仕入れたい場面です。1袋10枚入りで、前回は2袋、今回は3袋を希望しています。

この場合、得意先番号はお取引先を、前回の伝票番号と日付は参照する取引を探す手掛かりになります。同じ日に伝票が複数ある場合や、同じ伝票に複数の商品が載る場合もあるため、伝票番号だけで今回の商品まで決めず、品番と色も一緒に残します。

一方、「いつもの店へ」という届け先は今回変わるかもしれません。この例では、前回のA店から登録済みのB店へ変更します。再注文票に前回の内容を写すだけでなく、数量と届け先について、今回の希望を選び直せる形にします。

前回2袋20枚から今回3袋30枚へ、届け先はA店からB店へ変わる再注文の図
同じ品番でも、今回の数量や届け先は別に確認します。

「変更点なし」という一つのチェックだけでは、何が同じかを受け取る側が判断する必要があります。「品番・色」「数量」「届け先」を分けて示せば、お客様も一項目ずつ見直せます。よく変わる点を選びやすくし、文章で全部説明し直す負担を減らします。

得意先番号や伝票番号が分からないときは、無理に数字を埋めてもらうより、登録している会社名・店名と連絡先、購入したおおよその時期を伺います。確認できるまでは、どの履歴を指すかを担当者が照合する相談として受け止めます。似た店名の履歴を推測で結び付けない運用も合わせて決めておきます。

再注文票には「今回の合計」を書けるようにする

「一袋増やしたい」というご希望だけを記録すると、今回一袋を新しく注文するのか、二袋から三袋へ増やすのかが分かりにくくなります。入力欄は「今回ご希望の数量(袋)」とし、今回の依頼全体で必要な数量を入れていただく案内にします。

以下は、前回の納品書と今回の再注文票を照合した記入例です。画面で前回の履歴を自動表示する場合は、お客様がご自身の履歴だけを確認できる会員機能などを前提にします。番号を入力するだけの一般公開フォームから、会社名や取引履歴を誰でも呼び出せる形にはしません。

項目 今回の再注文票
取引先 得意先番号EX-C017。会社名・店名と登録情報を照合
参照元 8月20日納品/伝票EX-D0820-06
商品 EX-K41/無地ハンカチ/色C2(青)。前回と同じ品番・色
数量 3袋。1袋10枚入りなので合計30枚。前回は2袋20枚
届け先 登録済みB店を希望。前回のA店から変更
ご相談 B店へ変更した場合の送料と、発送可能日を知りたい
連絡先 再注文の窓口へ登録しているメールアドレスで回答を希望

この依頼は、過去に納品済みの商品をもう一度仕入れるものです。前回の2袋に1袋を足して過去の伝票を直すのではなく、今回3袋の新しい依頼として扱います。確認画面にも「今回3袋・計30枚」と表示すれば、増加分と合計の読み違いに気づきやすくなります。

複数の商品を頼む場合は、品番・色・数量を一行ずつ追加できる構成が考えられます。前回の伝票に五種類載っていても、今回必要なのが一種類なら、その一種類だけを今回の依頼へ入れます。「伝票と同じ」という言葉で、不要な商品まで一括で引き継がないようにします。

たとえば「同じハンカチを白で」と頼みたい場合は、品番が同じでも色C2をそのまま引き継がず、白に対応する色番号を確認します。色名しか分からない方には、その希望を担当者へ伝えられる欄を用意します。未確認の色番号をお客様に推測してもらうより、分かっている希望と確認が必要な項目を分けて受け取る方が、次の案内を組み立てやすくなります。

品番が同じでも、入り数や届け先は現在の情報と照合する

前回の伝票は役立つ資料ですが、今回の条件がすべて決まるわけではありません。受付担当者は、品番と色が現在も取り扱われているか、入り数に変更がないかを商品台帳で確認します。古い品番に後継品がある場合も、同じものとして置き換える前にお客様へ違いを伝えます。

たとえば、前回10枚入りだった商品が、現在は5枚入りへ変わっていたとします。このとき「3袋」をそのまま受け取ると15枚になります。まず「30枚をご希望でしょうか」と確認し、30枚なら現在の入り数では6袋になることを案内します。袋数と枚数が食い違うときに、どちらかを担当者の判断だけで優先しない形です。

届け先についても、B店の登録住所が現在の希望先と一致するかを確認します。「今回だけB店」と「今後の標準の届け先をB店へ変える」は分けて伺います。再注文で別の住所を入力しただけで、次回以降の登録先まで書き換わると、お客様の意図から離れてしまいます。

単価・送料・納期も、前回の数字を今回の確定値として見せる前に照合したい項目です。この記入例では、再注文票を受け取った後、担当者が現在の条件を確認して回答する流れにしています。会員画面で取引条件を確定して注文できる仕組みとは、ボタンや完了文の意味を合わせて使い分けます。

前回の伝票に別の商品も含まれていた場合は、伝票全体の送料や合計額を、今回の一商品だけの依頼へ写さないようにします。数量や配送先を変えたときに見直す条件を社内で決めておけば、画面に出す説明と担当者の回答をそろえられます。

入力中も、何を確認しているかが見える画面にする

再注文の画面は、「前回の伝票」「今回の商品と数量」「今回のお届け先」の順で区切ると、参照情報と依頼内容を見分けやすくなります。前回の数量を表示するなら「前回2袋」と明記し、今回の入力欄の初期値と混同しない配置にします。

W3C WAIのフォームの説明では、必須・任意や入力形式を伝えること、入力を始めると消える文字を項目名の代わりにしないことが示されています。再注文票でも「1袋10枚入り」は入力欄の外に残し、「数量3」を入力した後も単位を読めるようにします。W3C WAI「Form Instructions」

再注文の確認画面。EX-K41、今回3袋計30枚、届け先B店を示し、再注文の依頼を送るボタンを置く
送る直前にも、今回の数量とお届け先を見直せるようにします。

ボタンは、この例なら「再注文の依頼を送る」とできます。その近くに「在庫・送料・発送可能日を確認し、担当者からご連絡します」と添えれば、送った後に何を待てばよいかが伝わります。入力の控えを見られる場所と、連絡を受けるメールアドレスも最後に確認できるようにします。

送信後の訂正は、今回の受付番号へつなげる

新しい再注文を受け取ったら、今回の受付番号を案内します。この例ではEX-R0907-01です。前回の伝票番号EX-D0820-06は参照元として残し、送信後の問い合わせでは、今回の受付番号を使っていただきます。二つの番号の使い道を完了画面にも短く添えます。

担当者からの連絡も、「再注文の件です」だけで始めるより、「受付EX-R0907-01の、EX-K41・色C2を3袋、B店へお届けするご依頼についてご連絡します」と今回の内容を示すと、お客様がどの依頼の話かを確かめられます。その後に送料や発送可能日の回答、追加で伺いたいことを続けます。

もし送信後に「3袋ではなく2袋にしたい」と連絡があれば、今回は新たな再注文ではなく、EX-R0907-01の訂正希望です。元の依頼と結び付け、変更できる状態かを確かめてから結果を返します。訂正を受け取った時点と、訂正を反映できた時点を分けておくと、お客様にも状況を説明しやすくなります。

前回の納品書を参照して今回の再注文を受け付け、送信後の訂正は今回の受付番号へ結び付ける図
前回の伝票は商品を探す手掛かり、今回の受付番号は訂正や確認の手掛かりです。

ウェブ送信後、到着が気になって同じ内容をFAXで送ってくださる場合もあります。完了画面には、再送の前に受付番号を添えて確認できる窓口を示します。両方届いたときは、同じ依頼の送り直しか、別の追加注文かを確認してから処理します。お客様に再入力だけをお願いする案内にしないことが大切です。

再注文票の改善と、履歴を呼び出す仕組みを分ける

現在のフォームで品番・色・数量・届け先を受け取り、担当者が前回の伝票を調べられるなら、まずは項目名と案内文を整える方法があります。「数量」を「今回ご希望の数量(袋)」に変え、前回の伝票番号は参照元の欄へ分けます。確認画面と受付メールも同じ区分にすれば、今回の依頼と過去の取引を照合しやすくなります。

一方、商品を一行ずつ追加したい、袋数から合計枚数を表示したい場合は、入力欄や表示の仕組みも改修範囲です。この例なら「EX-K41・色C2、1袋10枚入り、今回3袋・計30枚」が、確認画面と受付側へ同じ内容で渡るかを確かめます。計算を入れる際は、入り数をどの情報から取得するかも決めます。前回の10枚入りを使い続ける仕組みにすると、現在の入り数が変わった場面を見落とすためです。

お客様が過去の注文を選んで呼び出す機能まで用意するなら、注文履歴が保存されている場所と、お客様ごとに表示できる範囲の確認が必要です。既存の受注システムから何を取り込むか、今回の数量と届け先をどこで選び直すかを、制作会社とシステムの管理担当へ相談します。現在の取引条件を画面へ反映して注文を確定するのか、担当者の回答を待つのかも含め、履歴表示の便利さと注文の確定条件を一緒に決めます。

依頼資料には、実際に使う伝票の項目が分かる見本、現在のフォームと受付メール、数量や届け先を変えた再注文の記入例を用意します。相談用の見本では、お客様の実名や住所を説明用の内容へ置き換えられます。「前回の納品書」「今回の再注文」「送信後の訂正」を一組にすると、どの番号を各画面に残したいかまで伝えられます。

受付番号については、フォームで発行するか、社内で受け付けた後に担当者が案内するかを確認します。制作担当へは、番号が発行される時点と、お客様へ伝える画面・メールを指定します。受付担当は訂正の連絡をどの依頼へ結び付けるか、出荷担当は変更を反映できる状態かを確かめる、という分担が考えられます。注文票の修正、履歴の連携、訂正を受ける画面を別々の作業として見積もりで確認すると、今回整えたい範囲を決めやすくなります。

再注文票の項目を直すところから始めるか、履歴の呼び出しや訂正の受付まで整えるか迷われたら、大阪市のホームページ制作・改善のご案内をご覧ください。伝票と一件の再注文の流れをもとに、必要な画面と依頼する作業を整理できます。

一件の再注文を、受け取る担当者まで通して確かめる

公開前は、この記入例を使って、お客様役の方と受付担当者で試してみます。伝票EX-D0820-06からEX-K41を指定し、3袋30枚・届け先B店の依頼を送ったときに、担当者が同じ内容を読めるか確認します。とくに、数量だけでなく単位と届け先が通知や受付記録に残るかを見ます。

次に、伝票番号が分からない場合と、現在の入り数が変わっている場合を試します。番号不明のまま相談へ進めるか、3袋と30枚が一致しないときに確認待ちとして扱えるかを確かめます。通常の一件が送れることに加え、前回の情報をそのまま使えない場面まで見ると、必要な案内を見つけられます。

最後に、送信後の数量訂正を試します。前回の納品書ではなく今回の受付番号へつながり、訂正前と訂正後の希望を追えることを確認します。お客様が迷った項目、担当者が聞き直した項目を記録し、同じ例でもう一度たどって直した言葉が伝わるか確かめましょう。

まずは、普段よく届く一件の再注文から始めてみましょう。前回の伝票を頼りにでき、今回変わる内容を自分で確認できる。そのつながりを整えることが、お客様とのいつものやり取りをウェブでも続ける土台になります。FAXとウェブの併用や受注システム全体の移行は、FAX注文をオンライン化するときの進め方で詳しくご紹介しています。

参考・出典

出典確認日:2026年9月7日。