商品をたくさん載せているのに、お客様から「どこを見ればありますか」と聞かれる。問屋を営んでいる方にとって、豊富な品ぞろえを分かりやすく伝えることは、日々のご案内でも工夫が必要なところです。ホームページでも、初めて訪れる方が使い道や品番から探せる入口を用意してみませんか。

分類を見直すときは、使い道から候補を探す入口と、品番をご存じの方が直接探す入口を用意し、同じ商品情報へつなぐことから始めます。社内の呼び方をすべて捨てる必要はありません。お客様の言葉と対応させ、一覧で選ぶ項目と商品詳細で確認する項目を分けます。

松屋町の品ぞろえを、一つの長い一覧にしない

大阪市の2019年の地域紹介では、松屋町に玩具問屋が集積していることが説明されています。玩具や催し向けの商品を扱う問屋では、商品の名前をご存じの方だけでなく、イベントの準備を任された人にも届く案内が求められます。大阪市「大阪市の特徴」

松屋町住吉の玩具問屋・龍屋は、公式サイトで景品玩具、当てものくじ、光るおもちゃ、イベントなどを案内しています。商品ラインナップからカタログとECサイトへも進めます。品ぞろえが広いほど、初めての方にどこから見てもらうかが大切になります。玩具問屋・龍屋「商品ラインナップ」

このような品ぞろえを自社で扱う場合、「景品を用意したい」という相談と、「去年使った品番をもう一度見たい」という相談では、最初の画面が違います。前者へ品番順の一覧だけを出しても選びにくく、後者へイベントの紹介から読み始めてもらう必要もありません。訪れる方がどんな情報をお持ちかを考え、入口を分けてみましょう。

ここからは、玩具・イベント用品を扱う問屋の架空の整理例で考えます。実際の作業では、自社の商品台帳を手元に置き、営業担当が受けている質問と照らし合わせてみてください。

営業への一件の質問から、お客様の言葉を集める

分類名の会議を始める前に、最近の商品問い合わせをいくつか読みます。「何という商品か分からないが、すくう遊びで使うものを探している」「紙カタログの番号で探したが出てこない」のように、探したものと止まった場所が分かる記録を選びます。問い合わせた人の個人情報を分類表へ転記する必要はありません。

営業へ聞くのは「どんな分類がよいですか」だけではなく、何を尋ねられ、どの品番を案内し、どの言葉を説明し直したかです。たとえば業界内で使う「ポイ」という呼び方を知らないお客様なら、商品名を消すより、用途の入口や短い説明でつなぐ方がいつもお取引のあるお客様にも伝わります。

検索欄が既にある場合は、結果が出なかった言葉も確認します。ただし、検索された語がすべて採用すべき分類名になるわけではありません。自社が扱っていない商品、入力の誤り、古い品番を分けます。扱いのない品を検索結果へ無理に表示しても、探しやすさの改善にはなりません。

候補の分類名は、商品の担当者が読んだ場合と、商品に詳しくない社内の方が読んだ場合で試します。説明を聞かずに、何が並ぶ場所か想像できるかを見ます。「その他」「各種用品」「関連商材」のような広い名前へ商品が集中する場合は、そこへ入っている商品に共通する使い道を調べます。

分類対照表で、業界用語・用途・品番を結び付ける

分類対照表は、社内の商品名と、お客様が探すときの言葉を結び付ける表です。どこに掲載するかを品番ごとに決めておけば、新商品を追加するときも迷いにくくなります。商品詳細は品番ごとに一つ用意し、必要な入口から案内します。

社内の呼称・品番 用途と掲載先の記入例
すくい用ポイ
EX-P01
用途:すくい遊びの道具を用意する。入口「すくい遊びの道具」からEX-P01の商品詳細へ。
無地の景品袋
EX-B02
用途:景品を持ち帰ってもらう。入口「景品の持ち帰り袋」からEX-B02の商品詳細へ。
無地の抽選箱
EX-L03
用途:くじを引く場所を用意する。入口「抽選会の道具」からEX-L03の商品詳細へ。

ここで品番を入れるのは、似た名前の商品を区別するためです。「ポイ」だけで管理すると、形や仕様が異なる品を同じものとして扱う恐れがあります。商品詳細へ載せる正式名称や仕様は現行の商品資料で確認し、表に挙げた用途だけで適合性まで決めないようにします。

一つの商品を複数の使い道で紹介する場合も、商品説明そのものは増やさない方法が取れます。たとえば同じ景品袋を「催しの準備」と「持ち帰り用品」の両方から紹介し、どちらも同じEX-B02の詳細へ進めます。入口が二つあることと、別商品として二重に登録することは違います。

催しの準備と持ち帰り用品の二つの入口から、同じ景品袋EX-B02の商品詳細へ進む図
入口が違っても、同じ商品の情報へつなぎます。

担当者の管理用には、表へ確認日と商品台帳の参照先を加えられます。掲載先を「ホームページ」とだけ書かず、分類の入口と商品詳細の両方が分かるようにします。分類名を変えた際、どの商品を付け替えるのか追える記録になります。

「分類」「絞り込み」「品番検索」の仕事を分ける

分類は、探す商品の大きなまとまりを選ぶための入口です。絞り込みは、その中から必要な条件に合う候補を減らすものです。品番検索は、目当ての商品を識別できる番号から探す方法です。この三つを同じメニューの中へ詰め込むと、項目が増えるたびに見通しが悪くなります。

「景品の持ち帰り袋」なら、まずその用途の一覧へ進み、袋の寸法や持ち手の有無など、実際の選定に必要な条件で候補を絞る構成が考えられます。色を比較する前に袋へ入るかを確認するお客様が多いなら、寸法を見つけやすくします。何を優先するかは商品特性と問い合わせの内容で決めます。

「青い袋」「赤い袋」「小さい袋」「大きい袋」をそれぞれ独立した分類にすると、同じ商品の所属を多数管理することになります。寸法や色を商品ごとの属性として持たせられる仕組みなら、分類を増やす代わりに絞り込みへ使えます。現在のサイトで実現できるかは、商品管理の形式を制作担当と確認します。

条件を細かく用意しても、商品情報の入力がそろっていなければ正しく絞れません。一部の袋だけ幅をミリで入力し、別の商品をセンチのまま入れると、比較しにくくなります。実装前に単位と記入方法を決め、不明の値をゼロとして扱わず、未確認の商品を誰が確認するかを残します。

用途の一覧から商品詳細へ進んだら、対象年齢、材質、使用上の注意も確認できるようにします。「子ども向け景品」のような大きなくくりだけでは、お客様が必要とする条件を確かめられません。商品ごとの説明は、メーカーの現行資料や表示に合わせてそろえておきます。

品番をご存じの方は、短い経路で商品へ案内する

すでにお取引のある方や、営業から紹介を受けた方は、商品名より品番を持っている場合があります。一覧の最上部などに品番を入力できる場所を置き、紙カタログにある表記で見つかるかを試します。正式な品番がEX-B02なら、ハイフンの有無や全角・半角の違いでどう検索されるかを確認対象にできます。

表記をそろえて探せるようにする場合も、似た番号を無条件に同じ品とみなす処理は避けます。EX-B02とEX-B20は別の商品かもしれません。入力された文字に完全に一致するもの、表記を整えると一致するもの、似た候補として示すものを分け、商品名と画像を見て選べるようにします。

旧品番の問い合わせがあるなら、新旧の対応を商品担当へ確認します。単なる番号変更なのか、仕様の違う後継品なのかで案内が変わります。同じ商品だと確認できないときは、旧品番から新商品へ自動で飛ばすのではなく、旧品の状態と候補品の相違点を確認できる画面にします。

用途から探す入口と品番検索を分けた商品カタログの画面例
使い道から探す人と、品番をご存じの方の入口を用意します。

検索結果がないときは、「該当商品なし」だけで終えず、表記の確認や商品相談へ進める案内を置きます。例文は「品番を確認できませんでした。カタログの発行時期や商品名が分かる場合は、商品相談へお知らせください」です。未掲載の商品があるなら、その範囲に合う案内にし、必ず取り扱いがあるようには答えません。

商品詳細へ着いた後も、同じ条件で探し直せるようにする

商品一覧のカードには、見分けるための画像、商品名、品番をそろえます。色柄が複数ある写真を使う場合、その画像が一つの品番に対応するのか、シリーズの見本なのかも示します。分類の写真は商品の種類を伝えるもの、詳細の写真は選んだ商品を確かめるものとして使い分けます。

リンクの文も、どこへ進むか分かる表現にします。Googleは、リンク先の内容に関連した具体的で簡潔なテキストを推奨しています。これを商品案内へ使うなら、「詳しくはこちら」を多数並べるより、「景品の持ち帰り袋を見る」「EX-B02の寸法を確認する」のように、前後の文に合う言葉を選べます。Google検索セントラル「リンクに関するベストプラクティス」

詳細から一覧へ戻ったときは、直前の分類や絞り込みを確認できるかも試します。袋の寸法で絞った後、一商品を見るたびに全商品へ戻されると、同じ操作をやり直すことになります。条件の保持が難しい仕組みなら、少なくとも今いる分類へ戻るリンクを置き、戻った先が分かるようにします。

商品を見つけた方には、価格や注文数量をどこで確認するかも案内します。会員向け価格ならログイン先、個別見積りなら相談先へつなぎます。商品を見つけた後の行き先が分かれば、「この品をどう仕入れるのか」という次の迷いにも対応できます。

分類の修正と検索機能の追加を分けて相談する

分類対照表をホームページへ反映する前に、今の仕組みで変えられる部分を確かめます。商品の詳細が品番ごとに一つあり、用途の一覧からリンクを追加できるなら、分類名と一覧の説明を直すところから進められます。EX-B02の袋を二つの用途から紹介するために、同じ商品を新たに登録する必要はありません。現在の分類と変更後の分類を並べて、どの商品の入口が変わるかを制作担当と共有します。

品番を入力しても出てこない場合は、まず現在の検索が品番欄を調べているかを確認します。検索対象の調整で対応できることもあれば、新しい検索機能が必要なこともあります。寸法で絞る場合は、幅などをそろえて登録する項目と、条件を選ぶ画面の両方が必要です。「絞り込みを付けたい」という依頼に、既存商品の寸法を確認して入力する作業も含むかを添えると、準備の分担がはっきりします。

相談用の資料は、対照表の三商品から用意できます。EX-P01・EX-B02・EX-L03の現在の掲載URL、正式名称、品番、画像、変更したい用途の入口を一組にします。袋の寸法で探す機能を検討するなら、商品資料の寸法と単位も添えます。旧品番の対応が分からないものは確認待ちとして残し、制作会社に似た番号から推測してもらう必要はありません。

同じ袋を用途別の別ページへ登録済みなら、残す商品詳細と、そこへつなぐ入口を先に決めます。紙カタログや営業資料から見られているページもあるため、古いページをすぐ削除せず、現在のリンクの扱いを改修の相談に含めます。別のECサイトへ案内している場合は、会社サイトの分類を直す作業と、EC側の検索・商品登録を直す作業を分け、誰が変更できるかを確認します。

依頼する範囲は、用途の一覧、商品詳細の整理、品番検索、必要な絞り込み、既存情報の移し替えのうち、今回どこまで進めるかで決まります。商品担当が用途と品番・寸法を確認し、更新する方が登録、制作担当が画面と検索の動きを整える分担が考えられます。新商品を一件追加して、二つの用途と品番検索から同じ詳細へ着くところまで一緒に確認すると、公開後の更新も続けやすくなります。

分類名を整えるだけで足りるか、商品登録や検索の仕組みも変えるかを相談したい方は、大阪市のホームページ制作・改善のご案内をご覧ください。分類対照表と今の商品ページをもとに、必要な画面と作業範囲を整理できます。

三つの探し方で試し、迷った分類だけを直す

公開前に、用途だけ分かる方、品番をお持ちの方、旧品番だけ分かる方を想定し、同じカタログで探してみます。実在の取引先へ試してもらえない場合も、社内で商品の場所を知らない人に協力してもらえます。担当者が途中で正解を教えず、どの分類を選び、何を入力したかを記録します。

用途しか分からない場合は用途一覧、品番がある場合は品番検索、旧品番の場合は新旧の対応を確認する図
探せない理由に合わせて、確認する場所を変えます。

点検で「景品の持ち帰り袋を探す人が、抽選会の道具へ入った」と記録したなら、分類名だけでなく、それぞれの一覧に付けた短い説明を読みます。催しの種類と商品の役割が混ざっていないかが確認点です。必要なら入口名を整理し、同じ条件で再び袋へたどり着けるかを試します。

「EX-B02を入力したが見つからない」場合は、分類全体を変更する前に、商品登録、品番欄、検索対象、表記の違いを確かめます。用途で迷った問題と、番号を検索できない問題では、直す場所が違います。操作にかかった時間を測る場合も、手慣れた担当者の一回の速さだけで改善を判断しません。

最初から全商品を再分類せず、問い合わせが多く、資料がそろっている商品群で対照表を作ります。試した人が選んだ分類、検索語、表示結果、止まった箇所を残し、修正後に同じ探し方で確認します。うまく案内できた分け方を、別の商品群でも使えるか検討する順序です。

商品を追加するときは、今ある用途の分類でご案内できるか、絞り込みや品番検索で見つかるかを確かめます。分類を増やすか迷ったときも、お客様がどこで探しにくくなるかを確認すると、判断しやすくなります。お客様の言葉と品番を結び付ける表を保つことが、商品数が増えても探せるカタログの土台になります。

参考・出典

出典確認日:2026年9月7日。