
ホームページを見て「古くなった」と感じたとき、すぐに全面リニューアルを決める前に、気になる場所と理由を分けてみましょう。色や写真の印象が今の会社に合わないこと、掲載情報が現状と違うこと、スマートフォンで操作しにくいことでは、必要な修正が異なります。
最初にしたいのは、サイト全体へ点数を付けることではありません。「このページの、この部分で、何が気になるか」を具体的にして、依頼や相談を妨げている箇所から直す範囲を考えることです。
「写真が古い」は、写り方と内容を分けて見る
例えば、架空の設備会社のトップページに、以前の作業場の写真が大きく載っているとします。写真の色味が暗いだけなのか、今は使っていない設備が写っているのかで、改善の目的が変わります。
暗いものの現在の仕事を正しく表しているなら、撮り直しや見せ方の調整を検討できます。一方、廃止した設備を現役のように紹介しているなら、色を明るくしても内容の問題は残ります。現状の写真へ変更し、その設備を前提にした説明も合わせて見直します。
反対に、沿革で創業当時の作業場を紹介している写真なら、古いこと自体が掲載する理由になります。現在の設備と混同しない説明を添えて残せます。同じ写真でも、何を伝える場所で使っているかによって、差し替える判断は変わります。
印象、事実、操作の三つで困りごとを書き直す
「全体的に古い」という感想を、まず次のように言い換えてみます。これは改修の規格や採点表ではなく、制作会社へ状況を伝えるための整理例です。
- 印象の違和感:写真の雰囲気や配色が、今の会社として見せたい姿と合わない。
- 事実との不一致:終了したサービス、以前の担当者、古い料金や所在地が現在の情報として載っている。
- 操作の支障:スマートフォンで文字が重なる、メニューを開けない、ボタンを押しても目的の場所へ進まない。
一つの箇所が複数に当てはまっても構いません。たとえば、古い料金表が画像で掲載され、スマートフォンでは文字も読めないなら、金額の更新と表示方法の変更の両方が必要です。無理に一つの分類へ決めるより、残っている問題を落とさず伝えます。
一方、「青色が古く感じる」のような意見だけでは、操作に支障があるとは言えません。希望する印象と、文字が読みにくいなどの具体的な支障を分ければ、色の変更を相談しながら、必要な修正を先に進められます。
見た目の感想から、実際に使った結果へ進む
トップページの写真だけを眺めていると、見た目の好みへ話が寄りやすくなります。自社へ依頼する方のつもりで、仕事内容を探し、条件を読み、相談先へ進んでみます。その途中で止まった場所を記録すると、改修すべき点が具体的になります。
先ほどの設備会社なら、「点検できる設備を調べ、相談に必要な資料を確かめる」という目的でページをたどります。途中でサービス名の意味が分からなければ説明の問題、リンクを押せなければ操作の問題として確認できます。情報へたどり着けるのに、今の事業の印象と違う場合は、その違和感を別に相談します。
W3C WAIのアクセシビリティの初期確認でも、文字の拡大、コントラスト、キーボード操作、フォームなどを確認対象に挙げています。新しい見た目かどうかと、使えるかどうかは別に確かめる必要があります。この初期確認だけで、アクセシビリティ全体を評価できるわけではない点も同資料で説明されています。
操作の問題を見つけたら、使った端末と、問題が起きたページのURL、試した操作を残します。「スマホ対応が古い」よりも、「このページでメニューを開くと本文が隠れ、閉じる操作ができない」と伝えた方が、制作担当者が確認する状態をそろえやすくなります。
先に直すのは、誤った判断や行き止まりにつながる箇所
改修候補が出そろったら、好き嫌いの強さだけで順番を決めず、利用する方と会社の仕事にどう影響するかを見ます。現在と違う対応条件を読んで依頼してしまう、必要な案内へ進めない、といった問題は、全体のデザイン案が決まる前でも修正を相談できます。
架空の設備会社で、旧設備の写真、終了した緊急対応の説明、好みに合わない背景色が見つかったとします。まず緊急対応の案内を現状へそろえ、旧設備をいまも使っていると誤解させる掲載を修正します。背景色は、読みにくさがあるか、印象の希望だけかを確かめてから、他のデザイン変更と合わせて検討できます。
写真一枚の問題でも、トップページ、設備紹介、営業用の案内など複数箇所で使っていることがあります。逆に、サイト全体が古く感じても、必要な情報は正しく、操作にも支障がなく、写真と余白の調整が主な作業になる場合があります。見た目の印象の大きさと、実際の改修範囲を同じものとして扱わないことが大切です。
改修範囲は、直したい場所と共有部分の両方から決める
部分的に直せるかどうかは、変更する内容と今の仕組みによります。一つのサービス説明だけが古いなら、その文章や写真から検討できます。複数ページに共通するメニューや表示方法に問題があるなら、共通部分の改修と、それが及ぶページの確認が必要です。
また、現在の事業を説明するにはページの分け方そのものが合わない、日々の更新が今の方法では続けられない場合は、構成や管理方法まで見直す理由になります。制作から何年たったかだけでは、この違いを判断できません。
相談時には、気になる画面と現在の正しい資料を用意し、「残したい内容」「現状と違う情報」「使って困った操作」を伝えます。新しいデザインの参考も役立ちますが、先に困りごとを共有すると、写真や文章を生かす方法と、作り直す必要がある箇所を比較できます。
Bämのリニューアルか部分改修かの相談では、内容と仕組みを分け、変更が他のページや今後の更新に及ぶ範囲も確認します。「古く感じるけれど、全部を変えるべきか分からない」という段階から、具体的な画面を見ながら直す順序を整理します。
