最終確認:2026年9月5日

ホームページへ写真を載せる前は、撮影者・提供元、許された使い方、写っている人や物、確認記録の四つを写真ごとに確かめます。「無料素材」「自社で撮影」「撮影代を払った」という一言だけでは、ホームページ、SNS、広告、印刷物への利用や加工まで認められているとは限りません。

権利者や条件を確認できない写真は公開せず、確認できる写真へ替えるのが安全です。写真がまだそろっていなくても、必要な場面と確認項目を先に整理すれば、ホームページ制作の相談や構成づくりは進められます。

この記事は、日本の中小企業がホームページ制作・運用時に写真を確認する順番をまとめた一般的な情報です。個別の写真を利用できるか、権利侵害に当たるかを法律的に判断するものではありません。判断が難しい場合は、権利者、素材提供元、弁護士などへ確認してください。

まず写真の入手方法を4種類に分ける

最初の確認先は、写真をどこから入手したかで変わります。担当者の記憶だけに頼らず、写真ファイルと確認記録を一対一で結び付けます。

入手方法最初に確認すること残す記録
自社の人が撮影撮影者、人物への説明、背景の作品・ロゴ・個人情報撮影日、撮影者、同意内容、確認担当
カメラマンや制作会社へ依頼著作権の帰属、利用を許された媒体、加工、期間、第三者への提供契約書、見積条件、許諾メール、納品一覧
素材サイトから取得作品ごとの規約、商用利用、加工、クレジット、禁止用途素材ID、取得日、規約URL、領収書
検索・SNS・取引先から入手掲載元ではなく権利者と利用条件を確認できるか提供者、権利者、許された用途、確認日

Google画像検索やSNSは写真の出所を探す入口であり、転載の許可を示すものではありません。取引先から「使ってよい」と口頭で言われた場合も、その人が権利者か、ホームページ掲載や加工まで許せる立場かを確認します。

写真1点ごとの「権利確認台帳」を作る

画像フォルダーだけでは、半年後に誰が何を確認したか分からなくなります。表計算ソフトで構わないので、一つの写真を一行として管理します。ファイル名を途中で変える場合は、元ファイル名や素材IDも残します。

台帳の列記録する内容
画像の識別ファイル名、素材ID、掲載予定ページ
撮影者・提供元氏名、会社名、素材サイト名、連絡先
利用範囲ホームページ、ブログ、SNS、広告、印刷物、採用媒体
加工と表示トリミング、色調整、文字入れ、クレジット条件
人物・背景同意、ロゴ、作品、車両番号、画面内の情報
期間・終了条件期限、退職・契約終了時、取り下げ窓口
証拠契約、許諾メール、規約URL、取得日、領収書
確認確認者、確認日、次回確認日
日本の中小企業の経営者と担当者が写真一覧と利用確認表を照らし合わせる様子
写真と確認記録を一対一で管理すると、公開後の差し替えや再利用でも判断の根拠を探しやすくなります。写真は管理方法を説明するイメージです。

公開中の画像を定期的に確認する考え方は、ホームページ保守・運用で守る範囲にもつながります。台帳の更新担当と、画像を差し替える手順まで決めておきましょう。

撮影を依頼した写真は利用範囲まで決める

文化庁の著作権契約マニュアルでは、写真は原則として実際に撮影した人が著作者となり、撮影代を支払っただけで依頼者へ著作権が移るわけではないと説明されています。すべての権利を譲ってもらう必要があるとは限りませんが、自社が必要とする使い方は契約や許諾の範囲として明確にします。

撮影前に確認する8項目

  • ホームページ、ブログ、SNS、広告、印刷物のどこへ使うか
  • トリミング、色調整、文字入れ、縦横比変更ができるか
  • 利用期間、地域、回数に制限があるか
  • クレジット表記が必要か
  • 制作会社、印刷会社、広告会社へデータを渡せるか
  • 元データと補正済みデータのどちらを受け取るか
  • 被写体となる人や第三者の権利確認を誰が行うか
  • 契約にない用途へ広げるときの連絡先と追加条件

「ホームページ用」とだけ書くと、後から採用広告や会社案内へ使う際に迷います。将来使う可能性のある媒体まで話し、不要な範囲まで広げずに決めます。写真の著作権が誰にあるかという基本は、撮影者と依頼者の権利を整理した記事でも補足しています。

日本の小規模店舗で撮影者と事業者が撮影写真と利用範囲を確認する様子
撮影前に利用媒体、加工、人物、背景、データの受け渡しを確認すると、納品後の再利用で迷いにくくなります。写真は確認場面のイメージです。

フリー素材は「無料」ではなく利用条件で見る

フリー素材という言葉には、無料の独自規約、定額契約、Creative Commonsなど異なる条件が含まれます。まとめ記事の説明ではなく、実際に取得する素材のページと、その素材へ適用される規約を確認します。

表示確認の要点
商用利用可販売促進に使える意味でも、再配布、ロゴ利用、人物の扱い、加工などに別条件があり得る
CC0著作権に関する制約を広く外す仕組みだが、商標、プライバシー、肖像など別の権利まで自動で解決するものではない
CC BY 4.0適切なクレジット、ライセンスへのリンク、変更した場合の表示などが必要
CC BY-ND 4.0共有は認められるが、改変した素材を配布できない条件がある

Creative Commonsの案内にも、ライセンスだけで利用に必要なすべての許可が得られるとは限らず、肖像、プライバシー、人格に関する権利などが利用を制限する場合があると示されています。写真内の人物、ロゴ、商品、作品も別に確認します。

ロゴへ使う素材は独自性や利用制限の問題が増えます。検討している場合は、フリー素材のイラストをロゴに使う前の確認事項も確認してください。

人物写真は掲載先と取り下げ方法まで説明する

自分で撮影した写真でも、写っている人に関する確認は別です。文化庁は他人の顔が写る写真をみだりに使うと肖像に関する問題になり得ると案内しています。個人情報保護委員会の通則編でも、顔画像などを含む個人に関する情報が個人情報に該当し得ることが示されています。

法律上の評価を一律に決めるのではなく、実務では撮影前または公開前に次を説明し、本人の意思を記録します。

  • 掲載するホームページとページ
  • 氏名、肩書、コメントを一緒に出すか
  • SNS、広告、採用媒体、印刷物へも使うか
  • 掲載予定期間と、退職・契約終了後の扱い
  • 取り下げを希望するときの連絡先と対応方法

お客様の写真や声を掲載する場合は、説明した範囲を広げないことが大切です。詳しくは、お客様の写真をホームページへ載せる前の確認をご覧ください。

背景の作品・ロゴ・個人情報を見落とさない

店舗や工場の写真には、ポスター、イラスト、テレビ画面、他社ロゴ、キャラクター商品、車両番号、伝票、顧客名が見える画面などが入ることがあります。主役だけでなく四隅と反射も確認します。

著作物が小さく付随して写る場合には、著作権法上の「写り込み」に関する例外が適用されることがあります。ただし文化庁は、付随性、軽微性、正当な範囲などにより個別具体に判断されると説明しています。「背景なら全部大丈夫」と決めず、構図を変える、対象を外す、ぼかす、権利者へ確認する、別の写真へ替える順で安全な方法を選びます。

公開前の9項目チェック

確認項目確認できた証拠
撮影者・制作者・提供元が分かる氏名、会社名、素材サイト名、素材ID
ホームページ利用が認められている契約、規約、許諾メール
商用利用と加工条件を確認した適用規約、ライセンス名と版
クレジット条件を満たした表示名、リンク、配置場所
人物へ掲載範囲を説明した同意内容、掲載先、連絡先
背景の作品・ロゴを確認した許諾、構図変更、ぼかし、差し替え
個人情報や機密情報が写っていない画面、伝票、名札、車両番号の確認
画像の品質と説明が適切alt、説明文、表示サイズ、スマホ確認
確認時点の記録を保存した確認者、確認日、元URL、領収書

権利確認だけでなく、表示崩れ、古い人物・設備、誤解を招く説明も公開前に見ます。ページ全体の確認は、今あるホームページの問題点を調べる手順と組み合わせると抜けを減らせます。

公開後も写真と記録を一緒に管理する

公開したら終わりではありません。担当者の退職、店舗の改装、商品仕様の変更、掲載期間の終了、本人からの連絡などで差し替えが必要になります。少なくともページURL、画像ファイル、確認記録、差し替え担当を結び付け、半年または年1回など自社で続けられる間隔で確認します。

素材サイトの規約ページが変わることもあるため、取得時に適用された条件を確認できるURL、素材ID、日付、購入記録を保存します。画面保存だけでなく、検索できる文字情報としても残すと引き継ぎやすくなります。

問題の連絡を受けたときの初動

権利者や写っている人から連絡を受けたときは、感情的に反論したり、記録を消して終わりにしたりせず、次の順で事実を整理します。

  1. 対象の画像、ページURL、連絡内容、受信日時を保存する
  2. 公開範囲を確認し、必要なら画像を非表示または差し替える
  3. 契約、許諾、規約、素材ID、取得日を集める
  4. 権利者または素材提供元へ、事実と希望する対応を確認する
  5. 金銭、責任、紛争の判断が必要なら弁護士などへ相談する

一般的な請求額や他社例だけで、自社の責任や支払額を決めないでください。事情と契約が異なるため、個別の資料をそろえて判断します。

写真がそろう前にホームページ制作を相談してよい

相談前に全写真を用意する必要はありません。先にページの役割と伝えたい内容を決め、写真を次の三つへ分けると準備しやすくなります。

  • 公開前に必ず撮影・確認する写真
  • 仮画像や図で構成を確認し、後から差し替える写真
  • なくても内容が伝わるため、無理に追加しない写真

Bämでは、会社らしさが伝わる場面と必要な確認事項を整理しながら進めます。制作範囲はコーポレートサイト制作の内容で確認できます。写真の準備や現在の素材に不安がある場合は、ホームページ制作について相談するから、分かる範囲をお知らせください。

よくある質問

無料素材なら会社のホームページへ自由に使えますか?

無料で入手できることと、用途の制限がないことは別です。作品ごとの規約、商用利用、加工、クレジット、人物やロゴ、禁止用途を確認してください。

Google画像検索やSNSで見つけた写真は使えますか?

表示されたこと自体は転載許可ではありません。撮影者・権利者と、ホームページへ使える条件を確認できなければ使用しない方が安全です。

撮影代を払えば著作権は会社のものになりますか?

支払いだけで自動的に依頼者へ著作権が移るとは限りません。著作権の帰属、利用許諾または譲渡、使う媒体、加工、クレジット、第三者へのデータ提供を契約で確認します。

自分で撮った店内写真なら問題ありませんか?

撮影者が自社の人でも、人物、ポスター、ロゴ、商品、車両番号、顧客情報など別の権利や情報が写ることがあります。公開前に写真全体と反射部分まで確認します。

まとめ

ホームページの写真は、見た目より先に「誰の写真か」「どこまで使えるか」「誰や何が写っているか」「確認記録があるか」を見ます。写真1点ごとの台帳があれば、公開前の確認、別媒体への再利用、公開後の差し替えを同じ基準で進められます。

分からない項目を無理に推測せず、権利者・提供元へ確認するか、確認できる写真へ替えてください。個別の紛争や契約判断が必要な場合は、資料をそろえて弁護士などの専門家へ相談します。

参考資料