ホームページ用の写真を整理していると、IMG_0001.jpgのような名前を見て、「このまま載せるとSEOに悪いのでは」と不安になることがあります。商品写真、施工事例、メニュー写真が増えるほど、何をどこに使う画像なのか分からなくなり、制作会社へ渡す前の整理にも時間がかかります。

先に結論を言うと、画像ファイル名は、Googleが画像の内容を理解するためのごく弱い手がかりにはなります。しかし、ファイル名だけを変えて検索順位が上がるとはいえません。新しくアップロードする画像なら、短く内容が分かる名前へ整える価値があります。一方、すでに公開している画像は、SEOだけを理由に一括改名しない方が安全です。

ファイル名を整える効果は、検索順位よりも、画像を探す、取り違えを防ぐ、差し替える、制作会社へ渡すといった日々の運用で説明しやすいものです。この記事では、新規画像の命名方法と、公開済み画像を変える前の確認を分け、最後にそのまま使える引き継ぎ表まで整理します。altの詳しい書き方、画像容量の減らし方、写真を使ってよいかの法律判断は、それぞれ別の話として扱います。

まず画像を3つの状態に分ける

同じファイル名でも、まだ公開していない画像と、公開中の画像では判断が違います。「名前が分かりにくいから変更する」と決める前に、次の3つへ分けます。

状態 基本の考え方 最初にすること
未公開の新規画像 アップロード前に命名ルールを適用しやすい 用途と内容が分かる短い名前を付ける
公開済みで継続使用する画像 SEOだけを理由に改名しない 現在URLと使用ページを記録する
差し替え・移転・誤記修正が必要な画像 実務上の変更理由がある 使用箇所と変更後の扱いを制作会社と確認する

パソコン内の元ファイル名を変えることと、ホームページで公開されている画像URLを変えることも別です。元ファイルを整理しても、公開ページが自動で変わるとは限りません。反対に、WordPressなどの更新システム(CMS)へ別名で再アップロードすると、新しいURLが作られ、古いページやバナーの参照先が残る場合があります。まず「どの状態の画像について、何を変えたいのか」を言葉にすると、不要な作業を減らせます。

画像ファイル名ができること・できないこと

Google Search Centralの画像SEOの公式案内は、ファイル名を画像の主題についての「ごく弱い手がかり」と説明し、一般的な名前より短く説明的な名前を勧めています。つまり、IMG_0001.jpgより、内容を推測できる名前の方が親切ではあるものの、それだけで検索評価が決まるわけではありません。

ファイル名で助けられること

  • 画像の内容を、人や検索システムが少し推測しやすくなる
  • フォルダや共有ストレージで目的の画像を探しやすくなる
  • 同じような写真の取り違えや、同名ファイルの上書きを減らせる
  • 制作会社へ渡すとき、掲載ページや表示順を伝えやすくなる
  • 公開後の差し替えや再利用で、元画像を見つけやすくなる

ファイル名だけではできないこと

  • 検索順位や画像検索からの流入を保証する
  • ページ本文、見出し、周辺の説明、alt(画像を利用できない場合に内容や目的を伝える代替テキスト)の役割を代わりに果たす
  • 画像の容量や縦横サイズを自動で適切にする
  • 写真の著作権、人物、ロゴなどの使用可否を判断する
  • 公開済み画像を一括改名する理由になる

「小さなSEO効果が積み重なる」「じわじわ順位へ効く」といった言い方も、ファイル名だけの効果を測定できなければ断定できません。検索向けの改善と、社内の画像管理を一つに混ぜず、何のための命名なのかを決めることが大切です。

新しい画像をアップロードする前の命名ルール

短く、内容が分かる語を選ぶ

ファイルを開かなくても、何の画像か大まかに分かる名前にします。商品なら商品名や種類、施工事例なら工事の種類や場所の大まかな区分、図解なら説明しているテーマが候補です。ただし、説明文のように長くしたり、検索されそうな語を並べたりする必要はありません。

単語は原則としてハイフンで区切る

複数の語を使うときは、linen-bag-front-01.jpgのようにハイフンで区切ると読みやすくなります。GoogleのURL構造の公式案内も、単語の区切りにはアンダースコアよりハイフンを推奨しています。すでに別の社内規則がある場合は、途中で混在させず、今後の新規画像から統一する方法もあります。

日本語・英語・ローマ字は運用しやすさでそろえる

日本語ファイル名がGoogleに認識されないわけではありません。対象者の言語をURLに使うこと自体は認められています。ただし、日本語などの文字は、共有先や管理画面で長い記号列へ変換して表示されることがあります。英語やローマ字にしただけでSEO上有利になるともいえません。

普段使うCMS、メールやチャットでの共有、外部システムとの連携、担当者が読めるかを基準に決めます。英語を使うなら、無理に難しい単語へ翻訳せず、チーム内で意味が通じる短い語にします。一つのサイト内で日本語、英語、ローマ字が無計画に混ざらないよう、今後の方針を一行でも記録しておくと引き継ぎやすくなります。

ID・連番は必要なときだけ付ける

同じ商品の正面、側面、利用場面を区別するなら、frontsidesceneや、0102の連番が役立ちます。商品IDや事例番号を使う場合は、社内の台帳と対応できるものにします。日付を使うときは、撮影日、公開予定日、更新日など意味を決めます。finalnew最新版は、次の修正が入ると意味が崩れるため避けます。

拡張子と実際の画像形式を合わせる

末尾が.jpgでも、実際のデータがPNGやWebPなら、管理や表示で問題になることがあります。名前の末尾だけを書き換えて形式を変えたことにはなりません。画像編集ソフトや書き出し機能で正しい形式にし、その形式と拡張子を合わせます。容量の目安や圧縮方法は、画像容量の記事で別に確認します。

公開不要な情報を名前へ入れない

スタッフ写真へフルネーム、施工写真へ顧客名や詳しい住所、社内資料へ管理用の秘密情報を入れると、画像URLから見える可能性があります。掲載ページで必要な情報と、社内だけで管理する情報を分けます。写真を使ってよいか未確認なら、ファイル名で「使用可」と決めつけず、引き継ぎ表の権利確認欄へ状態を残します。

用途別に見る「新規なら改善できる例」

ここで示すのはSEOの正解ではなく、制作と運用で迷いにくくする例です。公開済みのIMG_0001.jpgが直ちに問題という意味ではありません。新しくアップロードする前なら、次のように整えられます。

用途 入れる候補 入れない方がよい情報 分かりにくい例 新規なら改善できる例
商品写真 商品区分、色、向き、連番 根拠のない主観的な販促語 DSC0123.jpg linen-bag-natural-front-01.jpg
メニュー写真 料理名、用途、連番 頻繁に変わる価格 menu-new.jpg lunch-curry-main-01.jpg
施工事例 工事区分、大まかな地域、工程 顧客名、番地、不要な個人情報 after-final.jpg kitchen-renovation-after-01.jpg
スタッフ 役割、用途、連番 公開不要な氏名や社内番号 staff1.jpg staff-customer-support-01.jpg
図解 テーマ、図の役割、版番号 検索語の羅列 image-final2.png website-consultation-flow-v2.png

大切なのは、例をそのままコピーすることではありません。自社の商品ID、事例番号、ページ構成、更新の流れに合わせます。名前へ情報を詰め込みすぎるより、ファイル名は識別に必要な範囲へ絞り、詳しい説明や確認状況は引き継ぎ表に分ける方が管理しやすくなります。

ファイル名・alt・キャプション・容量は役割が違う

項目 主な役割 画面での見え方 注意
ファイル名 画像データの識別と管理 通常は本文に表示されない 検索にはごく弱い手がかり。altと完全一致させない
alt 画像が担う内容や目的の代替 画像を利用できない場合や読み上げで使われる キーワード欄ではない。装飾画像は空が適切な場合もある
キャプション 読者へ見せる補足 画像の近くへ表示される 必要な画像だけに使う
容量 読み込みや保管に関わるデータ量 数値自体は通常表示されない 命名とは別に圧縮やサイズを確認する

HTML Standardでは、altは単なる画像の説明欄ではなく、画像が使えない場合にも文脈を成立させる代替内容として扱われます。複雑な図や表の全情報を短いaltへ詰め込むのも適切ではありません。本記事の2点の説明画像は、同じ内容を近くの本文とHTML表でも読めるようにします。ファイル名の命名方法や公開済み画像を変更するかの判断は本稿で扱い、alt属性の記事では、画像の目的と掲載文脈に応じた代替テキストの書き方を扱います。本稿ではaltの具体的な書き方へは踏み込みません。

公開済み画像のファイル名を変える前の確認

公開済み画像は、名前だけを見て変更を決めません。同じ画像が記事、一覧、トップページ、バナーなど複数箇所で使われていることがあります。外部サイトやSNSから画像URLが参照されている場合もあります。変更方法はWordPressなどのCMS、サーバー、画像を複数拠点から配信するサービス(CDN)、テーマの作りによって違うため、「必ず旧画像を削除する」「必ず転送する」と一律には決められません。

未公開なら内容が分かる名前を付ける。公開済みでSEOだけが変更理由なら維持する。差し替え、移転、誤記修正などの理由がある場合は、使用箇所と変更後の扱いを確認して判断する
画像の状態と変更理由を分ける判断フロー
  1. 変更の目的を書く。SEOだけなのか、誤記修正、差し替え、サイト移転、管理整理なのかを分けます。
  2. ファイル名を変えずに解決できないか考える。今後の新規画像だけルールを適用する、社内の管理表だけ整える、掲載ページを整理する方法もあります。
  3. 現在の画像URLと使用箇所を確認する。本文、一覧、バナー、古いページ、SNS共有など、分かる範囲を記録します。
  4. 変更後の扱いを制作環境に合わせて決める。旧ファイルを残すか、参照先を差し替えるか、転送を検討するかを制作会社と確認します。
  5. 公開後に表示を確認する。PCとスマートフォン、一覧と詳細、変更前に使っていたページを確認し、画像欠損や古い参照がないか見ます。

変更理由が「SEOに良さそうだから」だけで、現在の使用箇所も分からない場合は、いったん維持するのが現実的です。差し替えや移転が必要でも、いきなり全画像を変えず、重要な1点で戻し方と確認方法を試してから範囲を広げます。Googleは、大規模サイトのクロール効率の文脈で、同じ画像を複数ページから使う場合は同じURLを一貫して参照するよう案内しています。これは、小規模サイトを含むすべての既存画像をSEO目的で一括改名すべきという根拠ではありません。

制作会社へ渡す画像引き継ぎ表

画像が多いときは、ファイル名だけの一覧より、掲載先と判断状況を一緒に渡せる表が役立ちます。この表はSEO管理表ではありません。依頼者が決めること、制作会社と相談して決めること、まだ分からないことを分けるための資料です。

画像ごとに管理番号、掲載予定と役割、状態、元画像または現URL、候補名、変更判断、依頼者の確認事項、制作会社への相談事項を記録した表
「未定」「相談したい」も記録できる画像引き継ぎ表の例
管理番号 掲載予定・役割 状態 元画像・現URL 候補名 変更判断 依頼者が確認 制作会社へ相談
P-01 商品ページ/正面写真 新規 共有フォルダA linen-bag-front-01.jpg 命名して追加 商品名、色、掲載可否 表示サイズ、alt、容量
W-03 トップ/事例紹介 公開済み 現在URLを記入 未定 維持を第一候補 写真の継続使用 他ページの使用箇所
S-02 会社案内/スタッフ 差し替え 旧画像と新画像の保管場所 相談したい 要確認 本人同意、公開範囲 差し替え方法、旧画像の扱い

実際の表には、表示順、ファイル名確定欄、権利確認状況、備考も追加できます。権利確認は「確認済み」「未確認」「相談したい」という進捗を記録する欄であり、表だけで使用可能と法律判断するものではありません。詳しい確認は写真の著作権の記事へ分けます。

すべての欄を埋めてから相談する必要はありません。ただし、使用候補の画像、掲載したいページ、新規か公開済みか、現在分かる権利確認の状態は、分かる範囲で用意します。決まっていない欄を空白にせず、「未定」「相談したい」と書けば、相談時に何を決める必要があるか見えます。

画像ファイル名とSEOのよくある質問

画像ファイル名はSEOに効きますか

画像内容を理解するごく弱い手がかりにはなりますが、ファイル名だけで順位上昇を保証できません。新規画像を短く説明的な名前にしつつ、ページ内容、周辺本文、alt、画像品質、表示速度を別々に整えます。

IMG_0001.jpgのままでは問題ですか

内容を推測しにくく、管理や受け渡しで迷いやすい名前です。未公開の新規画像なら整えやすい一方、公開済みなら、その名前だけを理由に急いで変更する必要はありません。

すでに公開した画像は改名した方がよいですか

SEOだけが理由なら一括改名を勧めません。差し替え、移転、誤記修正など実務上の理由がある場合に、現在URLと使用箇所、変更後の扱い、戻し方を確認して判断します。

ハイフンとアンダースコアはどちらがよいですか

新しく決めるなら、単語の区切りは原則ハイフンにします。既存画像をすべて変更して統一するという意味ではありません。今後追加する画像からそろえる方法もあります。

日本語・英語・ローマ字のどれがよいですか

英語やローマ字が必ずSEO上有利とはいえません。CMSや外部システム、共有時の見え方、担当者の読みやすさを基準にし、サイト内で方針をそろえます。

ファイル名とaltは同じ内容でよいですか

完全一致させるルールにはしません。ファイル名はデータの識別、altは画像が担う内容や目的の代替です。画像の使われ方によっては空のaltが適切な場合もあります。

商品名や地域名は必ず入れるべきですか

画像の識別に必要なときだけ使います。すべての画像へ同じ商品名や地域名を繰り返すと、長く分かりにくくなります。公開不要な顧客名や詳しい住所は入れません。

リニューアル時に全画像を改名する必要がありますか

必要ありません。再利用する画像、新しく用意する画像、差し替える画像を分けます。変更の必要がある画像から、使用箇所と移行方法を確認して進めます。

制作会社へ画像を渡すとき、何を決めておけばよいですか

現在のサイトURL、新規制作かリニューアルか、画像のおおよその点数、保管場所、新規と公開済みの混在、掲載したいページ、権利確認状況、決定済みと未定を伝えられると整理しやすくなります。ファイル名、alt、容量を誰が決めるかも確認します。

まとめ:改名より先に、画像の状態と役割を整理する

画像ファイル名は、検索システムにとってごく弱い手がかりであり、順位を変える魔法ではありません。未公開の新規画像は短く説明的な名前へ整え、公開済み画像はSEOだけを理由に一括改名しない。変更が必要なら、目的、現在URL、使用箇所、制作環境、公開後確認の順に考えます。

相談前には、画像を新規・継続・差し替えへ分け、掲載予定ページ、保管場所、権利確認の状態、決まっていることと未定事項を引き継ぎ表に残します。全部を決め切るのではなく、どこを依頼者が決め、どこを制作会社と相談するかを見えるようにすることが大切です。

Bämでは、画像名だけの一括変更ではなく、どの画像をどのページで使うか、新規と既存をどう分けるか、変更範囲と優先順位をどう決めるかといった整理から相談したい方を想定しています。画像点数や現在の保管状況が分かる範囲であれば、未定事項を分けるところから始められます。実際の画像整理、alt、圧縮、差し替え等の対応範囲は相談時に確認します。

ホームページ制作の相談内容を整理して送る