製造業のホームページを新しくしたいとき、同じくらいのページ数でも、制作会社によって見積もりの内容が違うことがあります。「加工のことを話せば文章にしてもらえるのか」「実績の写真を渡したら、どこまで載せてもらえるのか」。こうした点が分からないままでは、金額の差も判断しにくいですよね。

比べる前にそろえたいのは、原稿整理・加工実績の掲載・図面の受付・公開後の資料更新を、誰がどこまで行うかです。見積書に書かれていないところは確認し、各社の回答を同じ完成状態へ当てはめると、追加で頼みたい仕事と自社で準備するものが見えてきます。

東大阪市で加工相談を受ける機会を増やしたい方へ、二つの見積もり案を一枚の比較票へ整理する例をご紹介します。設備や技術の説明を、初めてお問い合わせくださる方の判断につなげるための確認です。

加工を探して訪れた方に、何を確かめてもらうかを決める

東大阪市が案内する「東大阪市技術交流プラザ」は、加工種別などから市内企業の技術を探すための入口です。市は、企業が画像や動画を使ってPRできることも説明しています(市内製造業検索サイトの紹介、2021年11月25日更新)。こうした紹介を見た方へ仕事を伝えるためにも、掲載できる写真と、それに添える技術説明の準備を見積もりへ含めて考えます。

そのための制作相談では、「きれいな会社案内がほしい」に加えて、「自社の担当した加工が分かる実績を読んでもらい、図面を送る前に相談を始められるようにしたい」と伝えてみましょう。実績の見せ方と受付の流れが分かると、制作会社も必要な原稿や機能を提案しやすくなります。

たとえば、設備名だけが並ぶ現在のページに実績の写真を足すだけでよいのか、材料や自社の担当工程まで聞き取って文章を作るのかでは、依頼する仕事が変わります。地域の企業紹介に掲載されている場合も、紹介先を増やすことと、自社ページで相談に必要な説明を整えることを、それぞれの作業として考えます。

最初から全事業を同じ深さで載せる必要はありません。今回はどの加工相談を受けやすくするかを決め、見積もりを依頼する各社へ同じ資料を渡します。未定の点があれば、社内で決める予定なのか、制作会社と一緒に整理したいのかも添えておきます。

二つの案を比べるために、実績2件と受付の希望をそろえる

ここからは、切削加工を行う会社の架空例です。手元には実績候補が3件あります。説明と写真の公開範囲を確認できたC01・C02の2件を今回掲載し、お客様への確認が済んでいないC03は後の候補とします。原稿はまだなく、営業と現場担当が、仕事の内容を説明できる状態です。

会社が希望する完成状態は、次の四つです。第一に、営業と現場への聞き取りから技術紹介と実績原稿を作ってもらうこと。第二に、実績の登録画面を用意するだけでなく、C01・C02を実際に読める状態まで登録してもらうことです。使用する写真は自社にある確認済み素材を渡します。

第三に、最初のフォームでは加工の概要と図面の有無を受け取り、担当者が確認してから図面の受渡し方法を案内すること。第四に、公開後は営業担当が承認済みの加工案内PDFを差し替えられるようにすることです。PDFの中の技術記述は現場が確認し、元の文書の編集は自社で行う前提にします。

この希望を共通メモにして、現在のホームページ、C01・C02の素材、配布中のPDF、今の相談受付の流れと一緒に渡します。新しい図面保管の仕組みや添付機能が必要か迷う場合は、基本案と追加案を分けて提案してもらうと、必要性を考えながら比較できます。

実績候補3件のうち、公開範囲を確認したC01・C02の2件を掲載し、確認待ちのC03を後の候補にする図

見積書の記載と、質問への回答を比較票に残す

届いたA案には「原稿支給・実績更新機能」、B案には「原稿整理・実績登録」と書かれていたとします。この時点で、A案には文章作成がない、B案ならすべて頼める、と決めず、共通メモを示して範囲を確かめます。補助的な原稿整理や登録件数が、提案書の別の場所に書かれている場合もあるためです。

次の比較票は、質問への回答まで得た状態の例です。最初の見積書に明記されていた内容と、追加で確認した内容を手元の票では区別し、回答日と資料名も添えます。未回答の欄は「未確認」のまま残し、費用が含まれると推測しないようにします。

比較項目 回答で分かった違いと、そろえる条件
原稿整理 A案:完成原稿の支給が前提。取材からの作成は別途。
B案:営業・現場への聞き取りと、技術紹介・実績2件の初稿作成を含む。
共通条件:同じ対象者・資料から初稿を作り、技術内容は自社で確認。
実績掲載 A案:登録画面の制作を含み、初期登録は自社。
B案:登録画面と初期2件の登録を含む。
共通条件:C01・C02の原稿と写真を登録し、一覧・詳細から相談へ進める状態。
図面受付 A案:概要と図面の有無を受けるフォーム。図面は担当者の案内後に受渡し。
B案:提案は添付機能付き。保管・閲覧・削除の担当範囲は未確認。
共通条件:まず概要を受ける案で比較し、添付機能は必要性を確認する追加案へ。
資料更新 A案:公開後の差替えは都度依頼する案。
B案:営業がPDFを差し替える欄と操作説明を含む。PDF内の編集は自社。
共通条件:承認済みPDFの差替えと表示確認を自社で行えること。

A案とB案では、制作費の中に入っている仕事と、公開前後に自社で行う仕事が違います。これを見つけるのが比較票の役割です。確認した結果、初期登録を自社で進められるなら、その方法を選んでも構いません。その場合は共通条件も変更し、両案とも同じ件数を自社で登録する前提へそろえます。

別の案に合わせて一方の良さを消す必要はありません。公開までに欠かせない条件を共通にし、追加の取材や撮影、図面受付の機能などは、追加で依頼した場合の内容と費用として比べます。基本案と追加案が分かれていれば、今の体制で使えるものを選びやすくなります。

原稿作成と実績登録は、同じ2件を使って確認する

この例では、A案へ原稿作成とC01・C02の初期登録を加えた場合の見積もりをお願いします。依頼文は「実績ページもお願いします」だけにせず、「営業と現場の説明から、公開できる2件の初稿を作り、写真とともに登録するところまで」と伝えます。

聞き取りでは、完成品のどこを自社が加工したか、支給された材料があるか、確認できる品質項目は何かを整理します。制作会社が読みやすい文章にする仕事と、現場が内容の正しさを確かめる仕事を分けておくと、見積もりに含める範囲も明確になります。写真を支給する場合は、選定・トリミング・明るさの調整まで含むかを確かめます。

登録件数は、素材の数と分けて数えます。C01の写真が3枚あっても実績は1件です。一方、同じ加工分類にC01・C02の2件を載せるなら、実績詳細は2件あります。共通のデザインを一つ作る費用と、二つの内容を登録する作業を区別してもらいます。

C03は公開範囲が決まるまで掲載しません。後から追加する場合に、自社で登録できるか、追加の原稿作成や写真調整を依頼すると何が必要かも聞いておきます。未確認の3件目まで初期登録数に含めると、素材を用意する予定と公開日が合わなくなることがあります。

原稿の確認回数は、数字だけで比べず、初稿を確認する場面と、画面へ入れた後の確認がどう組まれているかを見ます。たとえばC01の担当工程が誤って伝わっていた場合の訂正と、新しい実績を一件追加する依頼は、同じ修正とは限りません。変更内容を示して、追加費用になる境界を確かめます。

図面を受ける機能は、受取り後の仕事まで含めて比べる

「問い合わせフォームあり」という記載だけでは、図面をどう受け取るかまでは分かりません。この例のA案は、初回に概要と図面の有無を入力し、担当者が返信する方式です。共通条件では、図面がある方も、まだ用意していない方も、相談を始められることを確かめます。

B案の添付機能は、受付時に図面を送れる便利さがあります。ただし、誰がファイルを見られ、どこに保管され、いつ整理するかが未確認なら、そのまま完成条件へ入れることはできません。図面をメールへ添付して通知するのか、別の場所へ保存して担当者が開くのかによっても、確認する内容が変わります。

制作会社へは「添付できる形式と容量」「担当者への届き方」「閲覧できる人」「保管と削除を行う人」「送れない場合の案内」を尋ねます。必要な運用が決まったら、設定、動作確認、操作説明、継続利用料を含めた追加案として確認します。送信画面ができることと、自社が受け取った図面を管理できることを一緒に見ます。

この会社では、まず担当者が概要を確認する受付を希望しているため、B案にも添付機能を使わない基本案を依頼します。機能を外せば必ずその分だけ値下がりするとは限りません。変更後の作業内容と費用を改めて提示してもらい、A案と比べられる状態にします。

図面を受け取るフォームから、その場で加工費や納期を確定する機能までは、この共通条件に含めません。自動計算を希望する場合は、計算できる条件や担当者が確認する範囲を別に整理します。画面の機能名が似ていても、今回求める「相談の受付」とは完成状態が異なるためです。

加工概要と図面の有無を受けて担当者が受渡しを案内する基本案と、管理範囲を確認して検討する添付の追加案を分けた図

PDFの差替えと、資料そのものの編集を分けておく

公開後の資料更新は、「更新できる」という返答の中身を確かめます。B案に含まれるのは、営業担当が承認済みPDFを選び、ページ上の資料名とリンクを更新する欄と、その操作説明です。PDFの文章や図を編集する仕事は、この例では自社に残ります。

A案では制作会社へ都度差替えを依頼するため、自社で更新する希望を伝え、更新欄と操作説明を追加した場合を見積もってもらいます。自社更新に変えても、内容の確認は必要です。現場で資料を承認し、営業が差し替え、公開先からファイルを開いて確認する分担を、両案へ同じように伝えます。

操作説明を受けたという記録だけでなく、営業担当が一つの資料を差し替え、正しいファイルが開くことを確かめるところまで依頼に含めると、公開後の仕事を具体的に想像できます。通常ページの説明や資料名も同時に直せるか、操作が分からない場合の相談先も確認します。

もし今後、PDFの原稿編集も外注したいなら、ページの更新費とは別に、編集する内容、元データ、確認する方を伝えて見積もりを取ります。差替えを自社で行うことが、自動的に保守やサーバー管理まで自社で行う意味にはならない点も、担当表に残しておきます。

同じ条件へ見積もり直し、公開後の負担まで確かめる

比較票をもとに、A案には原稿作成・実績2件の初期登録・PDF更新欄と操作説明を加えた案をお願いします。B案には、初回に添付を使わない受付へそろえた基本案と、必要な管理条件を含む添付の追加案を分けてもらいます。確認した内容が、改訂された見積書や提案書にも反映されているかを見ます。

A案には原稿・初期2件・更新操作を追加し、B案は受付条件を合わせ、同じ完成条件で見積もり直す図

ここで初期費用、公開後に続く費用、自社の作業を並べます。継続費用は同じ期間で確認し、月額と年額、別途の利用料が混ざっていないかを見ます。原稿や登録を追加した後の金額が分かるまでは、元の総額からどちらがお得かを決めることはできません。

自社の作業も、担当者が実際に時間を取れるかで確かめます。この例では、営業と現場が聞き取りと原稿確認に参加し、C01・C02の素材を渡し、公開前には営業がPDF更新を試します。依頼を増やしても、技術内容の確認や掲載判断まで手放せるわけではありません。制作会社が求める返答日と、現場が確認できる日を合わせて予定を組みます。

Bämのコーポレートサイト制作では、取材する人数、原稿の量、更新機能などで作業量が変わることを案内しています。資料からの原稿整理や公開前確認も含め、ページ構成・制作内容・総額・予定を契約前に確認する方針です。図面受付やPDF更新についても、現状を伝えたうえで必要な範囲をご相談いただけます。

各案の違いを自社だけで整理しにくいときは、東大阪市のホームページ制作・改善のご案内をご覧ください。現在のページ、公開できる実績の素材、今の図面受付と資料更新の流れをもとに、原稿・登録・機能・公開後の担当を具体化できます。

依頼先を決める前に、完成時に一緒に見るものもそろえておきます。実績2件の本文と写真が確認した範囲になっているか、一覧から実績詳細と相談先へ進めるか、図面の有無を変えて入力しても担当者へ必要な情報が届くか、営業が承認済みPDFを更新できるか。この確認を各社の提案へ当てはめます。

大切な項目に未確認が残る場合は、回答を待ってから比較票を更新します。両案が希望する完成状態を満たしたら、改訂後の費用と自社の確認時間、公開後の支援を見ながら選びます。機能やページの数を増やすことより、相談を受けるために必要な仕事が、無理なく進められる内容になっていることを確かめてみてください。

参考資料