ECサイトをつくるとき、購入前に会員登録を必須にするか、登録しなくても買えるようにするかで迷うことがあります。会員が増えれば再購入につながりそうですが、初めての買い物で登録まで求められることを負担に感じる方もいます。
決める順番は、購入後に会員へ何を提供するかを考え、そのために購入前の登録が必要かを確かめることです。会員機能を用意することと、すべての注文で登録を必須にすることは、分けて検討できます。一般のお客様向けに商品を都度販売する通販を中心に、判断の仕方を説明します。
会員になると何が便利になるかを、先に決める
「顧客情報を管理したい」という店側の理由だけでは、購入する方に登録の利点が伝わりません。過去に買った商品を確かめる、届け先を保存する、会員向けの特典を利用するなど、実際に提供する便利さから考えます。
例えば、同じ日用品を繰り返し買う通販なら、購入履歴から前回の商品を探せることが役立ちます。一方、初めて贈り物を一度だけ買う方にとっては、会員機能を使う予定がまだなく、注文を終えることが優先かもしれません。同じ店でも、買い方によって感じる利点は違います。
まだ導入していないポイントや再注文機能を、会員になる利点として先に書くことは避けます。「購入履歴を確認できる」と「同じ内容をそのまま再注文できる」も別の機能です。現在使える内容と、これから追加したい内容を分けると、登録を勧める説明が具体的になります。
登録時の手間は、パスワードの設定だけではありません。メールでの確認、追加項目の入力、既存アカウントへのログインなど、採用する仕組みによって変わります。登録方法の名前ではなく、初めて訪れた方が実際に何をするかを画面で確かめます。
ゲスト購入を用意しても、会員の入口は残せる
ゲスト購入は、ショップの会員アカウントをつくらずに注文する方法です。配送先や連絡先など、その注文に必要な情報は入力します。「登録不要」を「氏名や住所を入力しなくても届く」という説明にしないよう、購入に必要な入力と会員登録のための操作を区別します。
会員登録を任意にできる仕組みなら、初めての方にはゲスト購入、会員にはログインという入口を用意できます。登録を希望する方への案内も、利用できる機能を添えて設けます。どちらかを選ぶ画面で、ゲスト購入の入口が長い会員案内の下に隠れていないかを確認します。

購入後に会員登録を案内する方法もあります。ただし、後から登録すれば今回の注文が必ず購入履歴へ入るとは限りません。利用する仕組みの対応、メールアドレスの確認方法、過去の注文を結び付ける条件を確かめてから案内します。注文が見えない状態で「履歴から確認できます」と伝えると、問い合わせにつながります。
会員数を増やすために、買い物を終えるまでの途中で同じ勧誘を何度も挟む必要はありません。登録の利点と選択肢を分かる場所に置き、今回の注文を進めたい方が次の入力へ進めるようにします。
登録を必須にするなら、販売上の理由を確かめる
すべての通販でゲスト購入が適するわけではありません。承認された取引先だけが注文できる卸売や、契約内容を継続して管理する販売では、購入者のアカウントと注文を結び付ける必要があります。定期購入なども、使うサービスや追加機能がアカウントを前提にしている場合があります。
その場合は、「会員限定です」とだけ書くより、何を確認して登録し、いつ購入できるようになるかを伝えます。申請後に店側の確認があるなら、登録フォームを送信してもすぐには注文できないことを先に説明します。一般向けの都度購入と取引先向けの販売が同居する店では、対象を分けて案内する方法も検討します。
一方、「常連のお客様が多いから」という理由だけでは、初めての方まで登録必須にする必要があるかは決まりません。常連の方に便利な会員機能を提供しながら、新しい方にはゲスト購入を残せるかを確かめます。購入前に登録を求める理由が説明できると、必要な機能や見積りの範囲も整理しやすくなります。
利用する仕組みで、選べる範囲を確認する
会員登録を任意にする、注文の途中で登録する、購入後に登録を案内する、といった選択肢は、ECの仕組みや設定によって異なります。画面の文章だけを変えても、購入処理が登録必須のままならゲスト購入はできません。
例えば、WooCommerceの公式資料には、ゲスト購入の有効化とアカウント作成の設定が分かれて説明されています。Shopifyの公式資料でも、購入前のアカウントへのサインインを必須にする設定が案内されています。こうした対応を確認したうえで、使っている版、追加機能、購入画面で実際にどう動くかを試します。
決済サービス側のアカウントと、ショップの会員アカウントも同じとは限りません。いつもの決済方法で支払えても、ショップの購入履歴へ入る条件は別に確認します。登録方式を変えるときは、選べる支払い方法や、決済後に戻る画面まで含めて見ると、案内だけでは分からない違いを確かめられます。
制作を依頼するときは、「会員機能あり」と一括りにせず、ゲスト注文、ログイン、履歴表示、保存した届け先、購入後の登録、過去注文の扱いのうち何が必要かを伝えます。標準でできることと追加対応が必要なことを分けて見積もってもらえます。
注文後の確認方法まで試して、方式を決める
ゲスト購入を用意する場合も、注文番号や確認メールから購入内容を確かめられるか、配送状況をどこで確認するか、問い合わせるときに何を伝えるかを決めます。会員ページがない方へ「マイページをご覧ください」と一律に案内しないよう、購入後の説明も合わせます。

テストでは、初めてゲストで買う場合と、会員がログインして買う場合を分けます。入力した情報が注文へ正しく渡るか、確認メールと履歴の説明が合うかを確かめます。購入後の登録を案内するなら、その手順でも実際に履歴がどう見えるかを確認します。
公開後は、登録を増やせたかだけで判断せず、注文まで進めたか、ログインや注文確認で困った相談があるかも見ます。ゲスト購入を付ければ売上が必ず増える、登録必須なら再購入が増えるとは言い切れません。提供する便利さと購入時の操作が、自店のお客様に合っているかを見直します。
Bämの通販・ECサイト制作では、商品と売り方、受注後の仕事を伺い、必要な画面と機能を考えます。会員登録の扱いも、初回の買い物から再購入までの流れを確認し、利用する仕組みの対応範囲と合わせて整理できます。