
原稿の図表には結論や条件が書いてあるのに、本文は「下の図を参照」とだけ記されていることがあります。画像が読み込まれない、文字が小さくて見えない、音声で読むといった場面では、読者が肝心な説明を受け取れません。図表が答えている問いを本文にも書き、図の形で伝える部分と代替文の役割を分けると、内容を失わずに読みやすくできます。
まず図表の「結論」と「判断に必要な条件」を拾う
図を文章へ直す前に、その図で読者が何を判断できるのかを一文にします。比較表なら、どの条件でどの選択肢が変わるか。手順図なら、どこから始め、何を確認して次へ進むか。グラフなら、単に増減したことだけでなく、何を数え、どの期間を比べているかが必要です。数値や但し書きを確認し、結論に影響するものを本文へ移します。
W3C WAIの複雑な画像の案内は、図表やグラフなど短い一文では説明しきれない画像に、短い説明と詳しい説明を組み合わせる方法を示しています。本文でも図の要点に触れることを勧めています。図を残す場合も、本文が「図を見ること」を前提にしないようにします。

本文・代替文・図の近くの説明を分担する
本文には読者が先に知るべき主な答えと条件を書きます。画像の代替文には、図が何を表すかを短く示します。図が多くの数値や分岐を持つなら、詳しい説明を図の近くの文章や別の表に置き、代替文からその説明の存在が分かるようにします。短い代替文へ全数値を押し込むと、かえって関係を追いにくくなります。
もしデータの行と列を正確に比較する必要があるなら、画像だけで表を貼るのではなく、見出しと値を持つHTMLの表も検討します。W3C WAIの表に関する案内は、行・列の関係を示す構造が欠けた表は利用の障壁になると説明しています。どの形式が適切かは、図の目的とデータ量で決めます。

画像を見ない状態で、原稿を通して読む
図表を一時的に隠し、見出しから本文とキャプションだけを順に読みます。選び方の結論、例外、数値の根拠がつながらなければ、図の中だけに情報が残っています。逆に本文だけで分かるなら、図は関係を素早く見渡す役割にできます。図を修正したときは、本文・キャプション・代替文にも古い数値や条件が残っていないかを一緒に確認します。
Bämの原稿・写真の準備に関する相談ページへ依頼する際は、元の図表、数値の出典、読者に伝えたい結論、まだ確認中の条件を共有すると、画像だけに頼らない原稿へ整理しやすくなります。
参考資料
資料確認日:2026年9月27日。対象原稿と図表の内容、元データは未提示です。図は編集時の役割分担を示す例です。
