ホームページに加工事例を二つ載せたいと考えていても、原稿や写真、お取引先への確認が同じ段階まで進んでいるとは限りません。見積書の「事例制作2件」が、完成原稿をページに整える作業なのか、取材から文章をつくる作業なのかによって、自社で準備する量も変わります。
大東市で工場のホームページ制作費を比較する方へ、掲載候補の選定、許可の確認、取材・撮影、原稿承認の四つに分ける方法をご紹介します。候補の数と公開できる数を分けて伝えると、制作会社へ依頼する範囲と、後日追加する作業を相談しやすくなります。
加工の仕事を文章にする作業から、見積りに含める
大東市のDAITO DOUKI CAMPUSのものづくり企業専門カリキュラムでは、製造現場で応用できる理論や知識を学ぶ研修が紹介されています。令和8年度の案内には、相手に伝わる文章の作り方を学ぶ研修もあります。
工場で日々扱う加工の工夫も、初めて読む方へ伝えるには説明の順番を考える必要があります。「位置決めの相談に対応した」という一文から、何に困っていたのか、自社がどの工程を担当したのか、どこまでを紹介できるのかを整理する作業です。
社内に写真や作業記録があっても、そのまま掲載原稿になるとは限りません。営業担当が依頼の背景を、製造担当が加工の内容を確認し、制作会社が読み手に伝わる文章へまとめる、と役割を分けておくと、取材と原稿作成を見積りの対象にできます。
候補2件、協力了承1件でも、掲載承認はまだ0件
ここからは、金属加工を行う架空の会社F03の例です。掲載候補は、位置決めプレートを加工したA03と、設備カバーへ追加加工を行ったB03の二件。案件名、準備状況、件数は、作業範囲を比較するための設定です。
A03のお取引先からは、取材への協力について了承をいただいています。ただし、完成した本文、使用する写真、事例一覧に出る紹介文を確認してから、掲載の可否を決めるという条件です。B03は、協力をお願いした連絡への返信を待っています。
この時点では、候補は二件、協力了承は一件、最終的な掲載承認はゼロ件です。A03についても、取材ができることを理由に公開日を確約せず、完成案を確認いただく工程を予定に入れます。お取引先の確認に必要な時間を、自社だけで決めないことも大切です。

二つの見積りを、同じ開始点と完成点にそろえる
F03が受け取った二つの提案を比べる場面を考えます。X案は「支給された完成原稿と写真を使い、事例2件を登録」。Y案は「社内取材から事例原稿2件を作成し、写真撮影も相談可能」とします。これだけでは、どちらが自社に合う価格なのかを判断しにくい状態です。
X案には、原稿を完成させる自社の作業が残っています。Y案は取材を含みますが、撮影や原稿の修正、公開登録がどこまで含まれるかは、さらに確認が必要です。どちらかの不足を探すより、F03が実際にお願いしたい内容を共通の依頼条件として渡します。
この例では、営業・製造担当が同席する社内ヒアリングを一回行い、二件の初稿を各1,000〜1,200字を目安に作成する条件にします。A03は自社工場で撮影できる見本や作業を確認し、採用写真を三点用意します。文章量や写真数は、この比較例の条件であり、工場の事例に共通する必要数ではありません。
初期の公開登録は、A03の最終承認が得られた後の一件。B03は社内確認用の初稿として保留し、後日の撮影や公開登録を分けて相談します。二件とも原稿をつくることと、公開時に二件を並べることを、一つの件数へまとめない形です。
| 比較する作業 | 共通条件と確認する点 |
|---|---|
| 取材と初稿 | 条件:営業・製造担当への社内ヒアリング1回、初稿2件。 確認:質問準備、執筆、社内確認後の修正を含むか |
| A03の撮影 | 条件:自社工場の確認済み対象を撮影し、採用写真3点。 確認:撮影時間、選定、補正、出張等の範囲 |
| 掲載確認用の案 | 条件:A03の本文・写真・一覧紹介文を一式にする。 確認:確認用画面と、指摘を反映する修正の範囲 |
| 公開登録 | 条件:A03は最終承認後1件、B03は保留。 確認:初期登録と、B03を後日追加する条件 |
写真三点という指定だけでは、何時間の撮影が必要かまでは決まりません。対象と撮れる場所を伝えたうえで、撮影時間や作業範囲の提案を受けます。両社の想定が異なる場合は、その理由も比較材料にします。
依頼文には「完成原稿の支給はできません。二件分の社内取材と執筆をお願いし、初期登録は承認が得られたA03の一件を予定しています」と添えます。この条件で、X案には取材・執筆を加え、Y案には登録や確認用画面の範囲を明記してもらうと、自社に残る作業も含めて比較できます。
事例制作の分担表に、自社の確認者を入れる
制作会社へ相談するときは、次の四項目を一枚にまとめます。「自社で用意する」とだけ書くより、誰が何を確かめ、制作会社へどこから依頼するかを記入すると、手元にない原稿や確認待ちの資料も説明できます。
| 項目 | F03と制作会社の分担 |
|---|---|
| 掲載候補 | F03:営業担当がA03・B03を選定。製造担当が自社の担当工程を確認。 制作会社:初めて読む方に伝える内容と、二件の構成案を整理 |
| 許可確認 | F03:営業担当がお取引先との窓口。A03は最終案確認が条件、B03は返信待ちと記録。 制作会社:掲載予定の項目と確認用の案を準備。送付はF03が担当 |
| 取材撮影 | F03:営業・製造担当が社内取材に同席。共有可能な資料とA03の撮影対象を確認。 制作会社:社内取材から初稿2件を作成。A03の撮影と採用写真3点を準備 |
| 原稿承認 | F03:製造担当が技術内容を確認。営業担当が顧客確認を取りまとめ、責任者が公開指示。 制作会社:本文・写真・一覧紹介文をそろえ、合意した範囲で修正。承認後にA03を登録 |
B03の返信を待つ間に進める初稿は、社外へ共有できると確認した社内資料と、社内ヒアリングだけを使います。お取引先の図面や非公開資料を、原稿作成のために一括で渡す前提にはしません。共有できる情報だけでは内容が足りない場合は、無理に執筆を進めず、その段階で保留する条件も相談できます。
初稿をつくる前に、紹介したい相談内容、自社が担当した作業、確認できる結果を短く書き出しておきます。結果の数値やお客様の感想が確認できていなければ、空欄のまま質問事項にします。文章の見栄えを整えるために、効果や発言を足す必要はありません。

撮影の了承と、完成ページの承認をつなげる
A03で撮影できる対象が決まったら、どの説明に使う写真かを原稿案へ対応させます。加工部の形状を見せる写真、作業の様子を伝える写真など、役割を先に決めると、似た写真ばかりを増やすことを避けられます。
自社の一般的な見本を使う場合は、お取引先へ納めた実物の写真と混同しない説明にします。撮影できる物があることと、その写真をA03のページで使えることは別なので、使用する写真と説明文を組み合わせて確認いただきます。
確認用の案には、詳細ページの本文だけでなく、事例一覧の短い紹介文と写真も含めます。詳細では「追加加工を担当」と書いているのに、一覧では設備全体を製作したように読めると、同じ事例の説明が変わってしまうためです。
F03では、営業担当が確認案の日付と版を記録し、お取引先から戻った内容を製造担当と確かめます。制作会社への修正依頼を一つにまとめ、反映後の画面を責任者が確認します。途中で写真を差し替えた場合も、承認済みの組み合わせが変わるため、該当箇所を改めて確認する流れにします。
確認の戻りが複数回に分かれる場合は、指摘をまとめる日と再提出する日を相談します。誤記の訂正、当初の構成内の調整、紹介する案件自体の変更では、作業量が異なります。すべてを同じ「修正一回」と考えず、追加になる条件を着手前に確認しておくと、途中でも依頼内容を判断しやすくなります。
確認待ちになった原稿の、残作業を見積りに残す
B03を保留する場合、初稿が完成した時点でどこまでの作業が終わり、何が残っているかを一覧にします。この例では社内取材と初稿作成までが済み、顧客確認、撮影、修正、公開登録が残る、と分けられます。
後日B03の協力が得られても、初稿をそのまま公開できるとは限りません。取材から時間がたち内容が変わったり、新しい写真が必要になったりすることも考えられます。再開時に確認する資料、追加作業の見積り方法、初稿データの保管先を、保留する前に制作会社と決めておきます。
「事例2件の料金だから、残り1件はいつでも無料で公開できる」とは決めつけず、完了した原稿作成と、これからの撮影・登録を分けて確認します。作業を止める際の費用や、修正に含まれる回数・期限も、依頼先と合意した条件を見積書に残します。
A03の最終承認が公開予定日に間に合わなければ、A03も掲載を保留します。事例欄を空のまま見せるかどうか、承認済みの事例がない間は既存のサービス説明へ案内するかを、ページ構成の段階で相談します。B03を一般的な見本写真に差し替え、実績として二件に数える対応はしません。

事例の見せ方と更新方法まで、制作範囲を決める
事例原稿の準備とあわせて、ホームページ上の置き場所も確認します。F03なら、加工内容を紹介するページからA03の事例へ進み、事例を読んだ方が加工の相談へ進める流れが考えられます。一覧と詳細のどちらに何を載せるかを決めると、確認用に用意する原稿も明確になります。
既存の事例ページへ原稿と写真を登録する作業と、事例一覧や詳細ページを新しく設計する作業は分けます。公開後に自社で追加するなら、入力する項目、写真の選び方、下書きから公開までの担当も確認します。承認待ちのB03を保存しても、一覧や関連事例に表示されないことを確かめる項目も必要です。
公開件数が二件から一件へ変わっても、一覧や詳細ページの共通の型をつくる作業まで半分になるとは限りません。共通の画面制作、案件ごとの原稿・写真、登録作業を分けて見積りに残すと、後日一件を追加するときも、既につくった部分と新しく依頼する部分を説明できます。
B03を追加するときは、本文・写真・一覧紹介文の承認版と実際の表示を照合し、サービスページからのリンクと相談先も確認します。社内では、公開日、公開した版、次に更新を確認する担当を残します。原稿が手元にあることを、掲載まで完了した状態と混ぜないためです。
Bämのサービス紹介サイト制作では、取材する人数、事例数、原稿量などを確認して制作内容を整理し、写真撮影は場所・人数・日数に応じて別途見積りしています。事例の内容を文章と画面にまとめる範囲と、自社で行う技術確認・お取引先との確認を分けてご相談いただけます。
掲載候補が決まっていても、原稿が完成している必要はありません。現在のページ、四項目の分担表、候補ごとの確認状況が分かる資料をもとに、取材から依頼するか、用意した文章を整えるかを考えられます。事例ページの構成や追加方法まで検討したい方は、大東市でホームページの制作・改善をご検討の方へのご案内をご覧ください。
参考資料
- 大東市:DAITO DOUKI CAMPUS(製造業向けカリキュラム)(令和8年度のものづくり企業の人材育成・文章研修の案内)
- Bäm:サービス紹介サイト制作(取材・原稿・事例と撮影の見積り範囲)