
問い合わせ内容を入力して確認画面へ進み、誤字に気づいて戻ったら文章が消えていた。書き直しが必要になると、相談を送る前に手が止まります。見直すべき動作は入力から確認へ進み、修正して確認へ戻る間、必要な値を保てるかです。氏名や相談内容を無期限に保存する話とは分けて考えます。
どの「戻る」で消えるのか、まず一件を再現する
確認画面内の「修正する」リンクと、ブラウザの戻るボタンは別の操作です。入力エラー後の再表示や、スマートフォンで別のアプリへ移ってから戻る場合もあります。制作担当へは「フォームの入力が消える」とだけ伝えず、対象のページ、端末とブラウザ、入力→確認→戻るのどの時点で消えたか、消えた項目を記録して渡します。
確認には実際のお客様の相談文を使わず、「表示確認用」などの架空の氏名、会社で管理できるテスト用連絡先、テストと分かる相談文を使います。文章欄だけでなく、選択した相談の種類や同意欄も見ます。氏名は残るのに相談文だけ空になる場合と、全項目が初期化される場合では、調べる箇所が変わるためです。
ブラウザの履歴に頼った復元は環境やフォーム設定で変わります。MDNのフォーム補完に関する説明では、autocomplete="off"が履歴から戻ったときの値の復元にも影響するとされています。この設定を外せば必ず直るとは判断せず、使っているフォームの確認画面と戻り方を確かめます。

確認画面からの修正では、入力済みの値を見せる
GOV.UK Design Systemの確認画面は、各項目の近くに変更リンクを置き、戻った画面には既に入力した値を表示し、修正後は確認画面へ戻す考え方を示しています。問い合わせフォームでも、確認画面の項目と編集先を対応させ、直さない項目まで書き直さなくて済むかを見ます。
たとえば相談文の一字を直すなら、編集画面には直前の相談文が残り、氏名・連絡先・選択項目も維持されるのが期待する動作です。修正して確認へ戻ったら、新しい文章が表示され、古い文章が送信されないか確かめます。確認画面を省くフォームでも、入力エラーから戻る場合に、問題のない欄まで消えないか確認が必要です。
入力保持の方法はフォームの仕組みによって違います。画面内で状態を受け渡す場合も、サーバー側で短い時間だけ預かる場合もあります。現在のフォームがどの方式か分からない段階で、ブラウザに保存する機能を足すと決める必要はありません。制作会社には「どの操作まで保持し、いつ消すか」という期待する動作を先に渡します。
残す情報と、戻ったときに確認し直す情報を分ける
相談文や通常の選択項目を修正のために保つことと、端末に個人情報を長く残すことは違います。OWASPのブラウザ保存に関する資料は、機微情報をlocalStorageへ安易に保存しないよう求めています。必要な期間だけ扱い、送信完了や中断後に不要な値が残らない方法を、現在のシステムと情報の種類に合わせて検討します。
添付ファイルがあるフォームは、文字欄とは別に試します。MDNのファイル入力の説明によると、スクリプトでファイル選択欄に任意のファイルを再設定できません。戻ったあと再選択が必要な設計なら、それを画面で知らせます。サーバーへ先に受け取って保持する設計なら、送信完了前にどう管理し、不要になったファイルをいつ消すかも確認します。

直した後は、再確認から送信まで一続きで試す
改修後は、テスト用の内容を入力し、確認画面へ進み、相談文を直して戻り、もう一度確認して一回だけ送信します。修正前の文面が表示や受信内容に残らないこと、選択項目と同意が意図どおりの状態であることを確かめます。入力エラーからの戻り、スマートフォンでの操作、ブラウザの戻るボタンも同じフォームで確認します。
送信が完了したか分からない場合や通知が届かない場合は、別の段階の問題です。今回の検証では、入力途中に戻っても相談を完成させられるかを中心にし、最後のテスト送信では実際に受け付けられたかまで確かめます。通知や自動返信まで含む点検は、公開中のフォーム定期テストの記事で詳しく扱っています。
Bämの問い合わせ導線の改善相談では、現行サイトの説明とフォームの動作を見て、原稿や画面の修正で足りるか、フォーム機能の改修が必要かを整理します。使っているフォームの種類と、テストで再現した戻り方を共有いただくと、確認する範囲を絞れます。
参考資料
- GOV.UK Design System:Check answers
- MDN:フォームの自動補完を無効にする方法
- MDN:ファイル入力
- OWASP:HTML5 Security Cheat Sheet
- Bäm:問い合わせが来ないお悩み
資料確認日:2026年9月26日。本文のフォームは特定サイトの不具合診断ではなく、確認手順の説明です。
