結論として、多くの企業サイトではAMPを新規導入する前に、通常ページの表示速度、Core Web Vitals、スマートフォンでの使いやすさを改善する判断が基本です。AMPで作ったページもGoogle検索ではほかのページと同じ基準で扱われるため、「AMPにすれば検索順位が上がる」とは判断できません。

ただし、すでにAMPを運用しているサイトを、確認せず一斉に削除するのも危険です。この記事では、2026年9月時点のGoogle公式資料をもとに、新規導入、継続、終了を決める順番と、先に直したい項目を中小企業向けに整理します。

AMPは速いページを作るための一つの技術

AMPは、使えるHTMLやJavaScriptなどに決まりを設け、読み込みを軽くしやすくする仕組みです。Googleは、AMPページもほかのホームページと同じように登録し、使った技術にかかわらず同じ基準を適用すると説明しています。AMPそのものを目的にせず、自社のページを使いやすくする手段の一つとして考えます。

よくある考え判断するときの注意
AMPなら必ず検索順位が上がるAMPかどうかだけで順位上昇は約束されない
AMPならすべてのページが速くなる画像、広告、計測、サーバーなど実装全体で変わる
通常ページと内容が違ってもよい対応する通常ページと同じ内容・操作を提供する必要がある
一度入れれば運用は増えない更新、計測、フォーム、同意管理、検証を両方確認することがある

多くの企業サイトで新規導入を急がなくてよい理由

会社案内、採用、サービス紹介、問い合わせが中心の企業サイトは、通常ページでも十分に速く、使いやすくできます。AMP用と通常用を別々に保つと、文章や画像の差し替え、計測、フォーム、Cookie同意などの確認先が増えます。更新担当者が少ない会社ほど、二重管理の負担が効果を上回らないかを見る必要があります。

まずはスマートフォン表示の確認方法に沿って、読みやすさ、押しやすさ、フォーム送信を確認します。技術方式を変える前に困っている箇所を特定したほうが、直す範囲と費用を説明しやすくなります。

企業サイトの表示状況をノートパソコンとスマートフォンで確認する事業者と担当者
AMPを入れるか決める前に、実際の利用状況と通常ページで直せる箇所を確認します。

Core Web Vitalsは3つの体験を測る

Core Web Vitalsは、実際の利用者が感じる読み込み、操作への反応、表示のずれを測る指標です。Googleが示す「良好」の目安は次のとおりです。ページやサイトを判定するときは、ページ表示の75パーセンタイル、つまり少なくとも75%の閲覧で基準を満たせる状態を目指します。

指標何を確かめるか良好の目安
LCP主な内容が表示されるまで2.5秒以内
INPクリックやタップへの反応200ミリ秒以内
CLS読み込み中の予期しない表示ずれ0.1以下

良好な数値は大切ですが、GoogleはCore Web Vitalsの良好判定や外部ツールの高得点だけで検索上位が保証されるわけではないとも説明しています。役立つ内容、モバイル表示、安全な接続、広告や割り込み表示などを含め、ページ全体で判断します。SEOの基本を整理したい場合は、中小企業向けSEOの基本もご覧ください。

実利用データと単発テストを分けて見る

Search ConsoleのCore Web Vitalsレポートは、実際の利用者から集まるデータをもとに、似たURLをグループで示します。一方、PageSpeed Insightsは、実利用データがある場合の結果と、その場で行う検査結果を表示します。同じURLでも条件や期間が違うため、数字が完全に一致しないことがあります。

確認先向いている使い方注意
Search Consoleサイト全体の傾向や影響するURL群を見る利用データが少ないURLは出ないことがある
PageSpeed Insightsの実利用データ対象URLやサイトの最近の体験を見る過去の期間を含むため修正直後には変わらない
PageSpeed Insightsの単発テスト直せる技術項目を調べる一回の結果だけで利用者全体を断定しない
実機確認読む、押す、入力する、送るを確かめる通信速度や端末を変えて確認する

通常ページで先に直したい5項目

  • 画像:表示サイズに合う大きさと形式にし、最初の大きな画像を遅らせすぎない
  • JavaScript:使っていない機能や重い外部部品を減らし、操作を妨げる処理を見直す
  • 文字:使う書体や太さを絞り、必要なファイルを適切に読み込む
  • サーバーとキャッシュ:最初の応答、ページ生成、再訪時の読み込みを確認する
  • 表示ずれ:画像や埋め込み枠の幅と高さを先に確保し、後から位置が動かないようにする

WordPressの更新しやすさと表示速度を一緒に考える場合は、中小企業のCMS選びを確認してください。古いテーマやプラグインを外すときは、速度だけでなく安全性や更新への影響も見ます。企業サイトのセキュリティ確認も関連します。

AMPを検討できるケース

通常ページの改善が難しく、記事中心で構成が単純、AMPの制約内で必要な機能を保て、継続して検証できる体制がある場合は、限定した範囲で比較する余地があります。いきなり全ページへ広げず、同じ種類の記事を少数選び、通常ページと比べます。

  • 対象ページと改善したい数値が決まっている
  • 通常ページと同じ情報・操作を保てる
  • 広告、計測、フォーム、同意管理がAMPで動く
  • 公開のたびにAMPの有効性を検査できる
  • 二重管理の担当者と終了条件を決めている

運用負荷は公開後の作業まで数える

導入時の制作費だけでは判断できません。通常ページの文章を直したときにAMP側も一致しているか、フォームや計測タグを変えたときに両方動くか、検索エンジンへ正しい正本URLを伝えられているかを継続して確認します。

変更公開前に確かめること
文章・画像通常ページとAMPページの情報が一致する
フォーム入力、確認、送信、完了計測が動く
アクセス計測ページをまたいだ重複や欠損がない
Cookie同意拒否・同意後の動作が方針どおりになる
URL関係canonicalとamphtmlが対応する正しいURLを示す
仕様変更テーマやプラグイン更新後もAMPとして有効である

すでにAMPがある場合は削除前に棚卸しする

既存AMPを終了する場合は、対象URL、アクセス、検索での表示、被リンク、通常ページとの対応、フォームや広告の役割を一覧にします。通常ページの速度と表示を先に直し、少数ページで終了手順を試してから全体へ広げます。GoogleはAMPページを検索から削除する手順も公開しているため、利用中の方式に合う方法を確認します。

順番作業
1AMP URLと対応する通常URLを一覧にする
2アクセス、検索、外部リンク、必要機能を確認する
3通常ページの速度と内容を整える
4URL関係、転送、サイトマップを方式に合わせて変更する
5公開後に最終200、正本URL、404、計測を確認する
6Search Consoleで7日後と28日後の変化を見る

外部からリンクされているAMP URLを急に消したり、関係のないページへ転送したりしません。検索実績や被リンクを確認できない場合は「不明」と記録し、それだけを根拠に不可逆な削除をしないことが安全です。

公開前は数値と操作を同じ日に確認する

ノートパソコンとタブレットとスマートフォンで企業サイトを確認する制作担当者
数値だけで終わらせず、スマートフォンで読み、押し、送信できるかまで確かめます。
  • PageSpeed Insightsで実利用データと単発テストを分けて記録する
  • 1440px、1024px、390px、320pxで横あふれと表示ずれを確認する
  • スマートフォン実機でメニュー、電話、問い合わせフォームを操作する
  • 通常ページとAMPページの文章、画像、構造化データを照合する
  • canonical、amphtml、公開状態、サイトマップを確認する
  • ブラウザのエラーとリンク切れを確認する
  • 公開日と確認日を作業記録へ残す

Bämへ相談するときに用意したい情報

「AMPを入れるべきか」だけでなく、遅いと感じるURL、困っている端末、更新頻度、使っている計測やフォーム、今後変えたい内容を共有すると判断しやすくなります。保守を含めて継続的に見直したい場合は保守・管理、検索からの相談まで改善したい場合はSEO・集客支援をご覧ください。状況が整理できていない段階でも、現在の困りごとから相談できます

まとめ

企業サイトでは、AMPを入れること自体を目標にせず、利用者が速く読めて迷わず操作できる状態を目標にします。新規導入の前に通常ページの画像、処理、文字、サーバー、表示ずれを確認し、実利用データと実機操作で効果を測ります。既存AMPをやめるときはURLと役割を棚卸しし、通常ページを整えてから段階的に移行します。

参考資料