ホームページ制作の修正回数に、どの会社や案件にも当てはまる正解はありません。契約前に比べるべきなのは「2回か3回か」という数字だけではなく、どの工程を直せるのか、何を1回と数えるのか、軽微な修正と仕様変更をどう分けるのか、追加見積りを誰が承認するのかです。
回数が多くても、対象がトップページのデザインだけなら、ページ構成や原稿を戻して直せるとは限りません。反対に、回数が少なく見えても、構成・デザイン・公開前の画面という判断の節目が明確で、その段階の小さな修正をまとめて確認できるなら、実務上は進めやすいことがあります。
Bäm(バム)は、2026年8月28日確認時点で、大きな修正を全体で3回までとし、ページ構成、デザイン、公開前の画面という3段階で確認する方針を公開しています。その段階の小さな修正には対応する一方、確認済みの段階へ戻る大きな変更は追加見積りになる場合があるため、数字と範囲を一緒に読む必要があります(Bäm「ホームページ制作のよくある質問」)。
結論:修正回数は五つの条件をそろえて判断する
見積書や提案書に「修正3回まで」と書かれていたら、安心する前に五つの条件へ分解してください。五つがそろって初めて、その3回で自社が必要な確認を終えられるか判断できます。
| 確認する条件 | 契約前に明らかにすること | 曖昧なまま進めた場合に起きやすいこと |
|---|---|---|
| 対象工程 | 構成、原稿、デザイン、実装、公開前確認のどこが対象か | デザインは直せても、ページ構成は変更できない |
| 1回の数え方 | 一覧でまとめた依頼を1回とするか、連絡ごとか、項目ごとか | 同じ日に送った追加連絡が別回として扱われる |
| 修正の範囲 | 誤字、色調整、写真差し替え、レイアウト変更をどう分けるか | 「軽微」の認識が発注者と制作会社でずれる |
| 期限と承認 | 誰が、何を、いつまでに確認し、どの時点で確定するか | 社内確認の遅れや承認後の後戻りで日程が延びる |
| 追加見積り | 追加費用の提示、承認、着手、納期変更をどう記録するか | 金額と日程が決まらないまま作業が進む |
この表で最初に見るのは、回数の多さではなく「自社が迷いそうな段階に確認機会があるか」です。事業内容や掲載情報がまだ固まっていない会社は構成と原稿の確認を重くし、ブランド表現を慎重に決めたい会社はデザインの確認を厚くするなど、必要な回数は案件の不確定要素によって変わります。
修正回数が会社やプランによって違う理由
公開中の制作サービスを見ても、デザイン修正を2回まで無料とする例、プランによって3回または6回とする例、デザインの修正回数を無制限とする例があります。つまり、修正回数は業界共通の固定値ではなく、各社の制作方法、価格、期間、対象範囲を組み合わせた条件の一部です(株式会社ブレークの公開条件、株式会社つなぎ手の公開条件、合同会社WINXCYの公開条件)。
違いが生まれる一つ目の理由は、最初の見積りに含む仕事が異なることです。テンプレートへ支給原稿を入れる案件と、顧客調査、ページ構成、取材、原稿作成、オリジナルデザイン、機能設計まで行う案件では、同じ「1回の修正」でも戻る作業量が変わります。
二つ目の理由は、確認する単位が異なることです。トップページのデザイン案だけを3回確認する契約もあれば、構成、代表デザイン、実際の公開前画面を各1回ずつ確認し、全体で3回と数える契約もあります。回数が同じでも、前者は見た目の調整に強く、後者は工程ごとの判断に向くため、数字だけを横並びにすると違いを見落とします。
三つ目の理由は、料金の考え方です。定額の制作費に一定回数を含める場合もあれば、作業時間で精算する場合、月額内の時間で更新する場合、特定期間だけ修正を受ける場合もあります。「無制限」と書かれていても、新規ページ、機能追加、撮影、原稿作成、承認済みデザインの全面変更まで含むとは限らないため、対象と終了条件を確認してください。
まず修正対象を工程ごとに分ける
修正条件を決めるときは、ホームページを一つの完成物として見るのではなく、工程ごとの判断へ分けます。早い工程で決める内容ほど後の工程へ広く影響するため、公開直前に戻すほど、同じ一言の変更でも作業量と確認範囲が増えます。
| 工程 | その段階で決めること | 範囲内の調整になりやすい例 | 前工程へ戻る変更になりやすい例 |
|---|---|---|---|
| ページ構成 | 誰に何を伝え、どのページから次の行動へ進んでもらうか | 見出し名の調整、順番の小変更、説明不足の指摘 | 対象読者の変更、ページの目的変更、新しいページ群の追加 |
| 原稿・素材 | 会社情報、サービス内容、数値、写真、表記、確認責任者 | 誤記訂正、事実の更新、支給写真の差し替え | 全文の書き直し、追加取材、新規撮影、翻訳、専門家確認の追加 |
| デザイン | 情報の優先順位、印象、代表画面、スマートフォンでの見え方 | 文字サイズや余白の調整、合意した方向内の色調整 | 確定した方向性の全面変更、別案の新規作成、構成からの作り直し |
| 実装・公開前 | 実際の表示、リンク、フォーム、動き、更新機能、端末別表示 | 表示崩れの修正、リンク先訂正、設定の確認 | 新しい機能、フォーム項目の大幅追加、外部システム連携 |
| 公開後 | 更新、保守、改善、緊急対応を誰が担当するか | 契約内の文字・写真更新 | 新規ページ、機能開発、大きなデザイン変更、契約外の緊急対応 |
表の「なりやすい」は、どの契約にも共通する無料・有料の判定ではありません。実際の扱いは見積書、契約書、仕様書、打ち合わせ記録によって変わるため、自社の案件ではどちらに入るかを具体例で確認するための整理として使います。
特に注意したいのは、原稿修正とデザイン修正を別々に考えすぎることです。見出しを一文変えるだけでも、文章量が増えてレイアウトが崩れ、スマートフォン表示や図表まで直す場合があります。反対に、長い文章の差し替えでも文字数と構造がほぼ同じなら影響が小さいことがあるため、文字数だけで「軽微」と決めない方が安全です。
「1回の修正」をどう数えるか
修正回数のトラブルは、修正項目の数より、提出と着手の区切りが曖昧なときに起きやすくなります。たとえば担当者が午前に5項目、上司が午後に3項目、翌日に営業部が2項目を送った場合、三つの連絡を1回にまとめるのか、制作会社が着手した時点で次の回になるのかを決めていなければ、双方の認識がずれます。
実務では、指定期限までに一つの一覧へまとめて提出した内容を1回と数える方法が分かりやすいでしょう。ただし、提出後も社内確認が続く会社では、制作会社が作業を始める時刻、追加連絡を同じ回へ含められる締切、緊急訂正の扱いまで決めておく必要があります。
また、制作会社が合意した指示を反映していない場合や、表示不具合が見つかった場合と、発注者が新しい要望を追加する場合は分けて記録します。前者を通常の修正回数に含めるかどうかは契約で確認しつつ、少なくとも「未反映・不具合」と「新規要望」を同じ欄へ混ぜないようにすると、原因と費用を判断しやすくなります。
確認用の書き方は、次のように具体化できます。これはそのまま使う契約条項ではなく、見積書や打ち合わせ記録へ何を残すかを相談するための例です。
各確認段階では、指定期限までに一つの一覧へまとめて提出した内容を1回と数える。制作会社の反映漏れ・表示不具合と、新しい要望は分けて記録する。承認後に前工程へ戻る変更は、作業前に追加費用と変更後の日程を提示し、発注者の承認後に着手する。
この形なら、回数、提出方法、原因の区別、追加見積りの順序が一続きになります。実際には、連絡手段、確認期限、担当者名、承認方法を案件に合わせて補ってください。
無料修正と追加費用の境界は四つに分ける

「軽微な修正は無料、大幅な変更は有料」という表現だけでは、判断に使えません。境界を決めるには、依頼を「合意範囲内の調整」「合意内容との不一致」「承認後の方向転換」「新しい制作範囲」の四つに分けます。
| 区分 | 具体例 | 契約前に確認すること |
|---|---|---|
| 合意範囲内の調整 | 同じ目的・構成のまま、見出し、余白、写真、色を調整する | 何回まで、どの工程で、どの量まで含むか |
| 合意内容との不一致 | 指示した文言が未反映、リンク先が違う、合意した表示になっていない | 修正回数へ含むか、確認期限はいつか |
| 承認後の方向転換 | 確定した構成を戻す、デザインの方向を全面変更する | 再提案費、再実装費、公開日の変更をどう扱うか |
| 新しい制作範囲 | ページ、機能、取材、撮影、原稿、翻訳、外部連携を追加する | 別見積りの単位、必要資料、着手条件、納期 |
軽微か大幅かを判断するときは、修正する文字数ではなく、影響範囲、戻る工程、新しい制作の有無、確認負担を見ます。トップページのボタン文言を一つ変える依頼でも、全ページの導線、計測設定、広告文まで変更するなら影響は広くなります。一方、一ページ内の長い説明を同じ構成と分量で正しい内容へ差し替えるだけなら、見た目への影響は限定されるかもしれません。
追加費用が必要になった場合は、作業を先に進めるのではなく、対象作業、金額、納期への影響、不要になった作業、承認方法をそろえます。Bämのサービス紹介サイト制作ページでも、見積書へ作業を項目ごとに記載し、内容を追加する場合は費用を案内してから進める方針が公開されています(Bäm「サービス紹介サイト制作」)。
追加見積りを確認するときは、「この金額で何をどこまで変えるか」だけでなく、「元の見積りのどの前提が変わったか」を聞いてください。差額の理由がページ追加、原稿作成、再デザイン、実装、テストのどこにあるか分かれば、今回追加するか、公開後へ回すか、代替案に変えるかを選べます。
同じ「修正3回」でも実際にできることは違う
同じ3回という条件でも、契約の書き方によって利用できる確認機会は変わります。次の三つは比較のための一般例であり、特定の制作会社の契約を示すものではありません。
| 条件例 | 3回の使い方 | 向いている状況 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| デザイン案を3回修正 | 代表画面の見た目を3回調整する | 構成と原稿が確定しており、デザインを丁寧に詰めたい | 構成変更やページ追加は別扱いになりやすい |
| 三つの工程で各1回 | 構成、デザイン、公開前画面を順に確認する | 発注者が段階ごとに判断し、早めに問題を見つけたい | 各段階で社内意見をまとめる必要がある |
| 小さな修正は期間内3回 | 指定期間に文字・写真などをまとめて依頼する | 掲載情報が多く、事実確認が複数回必要 | 方向転換や新規制作が対象外か確認が必要 |
自社に合う条件は、担当者が何人いるか、情報が確定しているか、公開日が動かせるかで変わります。代表者一人が短期間で判断でき、原稿も写真もそろっているなら少ない回数でも進めやすい一方、複数部署や取引先の確認が必要なら、回数を増やすだけでなく、確認期間と最終承認者を決めた方が現実的です。
事業内容そのものがまだ固まっていない場合は、デザイン修正を増やすより、構成を決める前の相談や調査へ時間を使う方が有効です。誰に何を伝えるかが揺れたまま見た目だけを作り直しても、次の案で再び原稿や導線が変わり、回数を消費しやすくなります。
社内の意見を一つにまとめて返す方法
修正回数を有効に使うには、制作会社への窓口と最終判断者を分けて決めます。窓口は意見を集めて整理する人、最終判断者は反対意見が残ったときに進める案を決める人です。同じ人が担当しても構いませんが、誰の返答で確定するかは制作会社へ共有してください。
集まったコメントは、事実の訂正、利用者と目的の観点、好みや印象、新しく出てきた相談の四つに分けると整理しやすくなります。「会社設立年が違う」は事実の訂正ですが、「もう少し親しみやすくしたい」は印象です。「問い合わせ先が見つけにくい」は利用者の観点であり、「予約機能も付けたい」は新しい相談なので、同じ修正一覧に書いても扱いを分けます。
意見が対立したときは、多数決だけで消さず、判断理由と未決定事項を残します。たとえば「写真を明るくしたい」という意見に対し、「現在案の方が専門性を感じる」という反対意見があるなら、制作会社へ写真差し替えだけを指示するのではなく、「親しみやすさと専門性を両立する案を相談したい」と目的へ戻します。
提出前には、対象ページと場所、現在の状態、希望または相談したいこと、理由、優先度、最終判断者を確認します。すべてを細かい様式へ入れる必要はありませんが、制作会社が「何を変えるか」「なぜ変えるか」「誰の承認を待つか」を読み取れる状態にすると、確認の往復を減らせます。
契約・見積書へ残す10項目

修正条件は、口頭で「柔軟に対応します」と確認するだけでは足りません。見積書、契約書、仕様書、発注書、打ち合わせ議事録など、双方が後から確認できる資料へ、少なくとも次の10項目を残してください。
- 対象工程:ページ構成、原稿、デザイン、実装、公開前確認のうち、どの工程が修正対象か。
- 回数の配分:全体で何回か、工程ごとに何回か、未使用回数を後工程へ移せるか。
- 1回の数え方:一覧でまとめた提出を1回とするか、連絡単位か、制作会社の着手時点を区切りにするか。
- 提出期限と返答期限:発注者がいつまでに返し、制作会社がいつまでに反映予定を伝えるか。
- 範囲内の修正:文字、写真、色、余白、順番、端末別表示など、含む調整の具体例。
- 合意内容との不一致:反映漏れ、表示不具合、仕様との差を修正回数へ含めるか。
- 承認後の変更:確定した工程へ戻る場合の再提案、再実装、再確認、納期変更の扱い。
- 新しい制作範囲:ページ、機能、取材、撮影、原稿、翻訳、素材購入、外部サービス設定の追加条件。
- 追加見積りの手順:金額と日程の提示方法、承認者、メール等の記録、承認前に作業しないこと。
- 公開後の扱い:制作中の修正と、公開後の更新・保守・改善を分け、期間、時間、回数、緊急対応を確認すること。
制作会社へは「修正は何回までですか」と一問だけ送るのではなく、「構成・デザイン・公開前の各段階で何を確認し、一覧でまとめた依頼を何回と数え、承認後の変更やページ追加はどの手順で再見積りになりますか」と聞くと、必要な条件を一度に確認できます。
回答を受け取ったら、自社側の担当も書き足します。構成は事業責任者、価格や仕様は担当部署、法令や契約に関わる表示は必要に応じて専門家、最終公開は決裁者というように、内容ごとの確認者と最後に進行を決める人を分けると、修正回数を社内待ちで消費しにくくなります。
例外:回数を増やすより先に進め方を変えるべき場合
関係者が多い案件では、無料修正を増やすだけでは解決しません。役員、営業、採用、法務、取引先などが別々のタイミングで確認すると、同じ回の中で前提が変わるため、工程ごとの確認者、意見を集める期間、最終承認者を先に決めます。
公開日が広告開始、採用募集、店舗開業、展示会などに結び付いている場合は、修正回数と同時に「いつ以降の変更は公開後へ回すか」を決めます。公開直前まで新しい要望を受け続けるより、公開に必要な事実・動作・表示を優先し、改善案は次の更新へ分けた方が、期限と品質を両立しやすくなります。
料金、契約条件、安全性、医療・法律・金融など専門判断が必要な内容は、デザイン確認とは別に事実確認の責任者を置きます。制作会社が文章を整える場合でも、個別の適法性や専門的な正確性まで自動的に保証されるとは限らないため、誰が最終確認するかを契約前に決めてください。
多言語サイトでは、日本語版を承認した後に翻訳するのか、各言語を並行して確認するのかで修正回数が変わります。翻訳後に原文を大きく変えると、すべての言語で再翻訳と表示確認が必要になるため、原文の確定時点と各言語の承認者を分けておきます。
Bämで制作する場合に確認できる修正条件
Bämの現行FAQでは、大きな修正は全体で3回までで、ページ構成、デザイン、公開前の画面という三つの段階で確認すると案内しています。その段階の小さな修正には対応し、確認済みの段階へ戻る大きな変更は追加見積りになる場合があるため、相談時には自社が各段階で誰の確認を必要とするかを伝えると具体化しやすくなります(Bäm「ホームページ制作のよくある質問」)。
また、Bämのサービス紹介サイト制作ページでは、調査、ページ構成、取材・原稿作成、デザイン、WordPress制作、公開前確認を基本の制作内容として示し、ページ数、取材、原稿量、事例、更新機能などで作業量を確認するとしています。内容を追加する場合は費用を案内してから進める方針も公開されているため、見積り時には「含まれる作業」と「追加時に確認する作業」を分けて質問できます(Bäm「サービス紹介サイト制作」)。
構成や原稿がまだ固まっていない場合は、回数だけを先に決めるのではなく、何を一緒に整理してもらえるかを相談してください。Bämのホームページ制作サービスでは、原稿作成、オリジナルデザイン、WordPress、公開後の更新・修正など、依頼できる範囲を公開しています。[6]
まとめ:回数の前に「どこまで・いつ・どう承認するか」を決める
ホームページ制作の修正は、2回なら少なく、5回なら安心と単純には決められません。対象工程、1回の数え方、修正範囲、期限と承認、追加見積りの五つをそろえ、自社が迷う段階に確認機会があるかを見てください。
契約前には、軽微な修正と合意内容との不一致、承認後の方向転換、新しいページや機能の追加を分けます。そのうえで、追加費用と納期への影響を作業前に提示し、誰の承認で着手するかを記録できれば、回数を使い切る不安より、次に何を決めるべきかへ意識を向けられます。
見積書に「修正○回」とだけ書かれている場合は、この記事の10項目を使い、具体例を一つずつ質問してください。数字の多さではなく、制作会社と発注者が同じ基準で判断できる状態をつくることが、追加費用と後戻りを減らす最も実務的な準備です。
参考資料
- ホームページ制作のよくある質問|料金・原稿・期間・保守|Bäm(2026年8月28日確認)
- サービス紹介サイト制作|良さがきちんと伝わるサイトへ|Bäm(2026年8月28日確認)
- ホームページ制作|株式会社ブレーク(2026年8月28日確認)
- ホームページ制作料金とシステム|株式会社つなぎ手(2026年8月28日確認)
- 沖縄のホームページ制作なら|月額8,280円〜|合同会社WINXCY(2026年8月28日確認)
- ホームページ制作サービス一覧|目的から選べる4つの制作|Bäm(2026年8月28日確認)